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バイオミュータント
【ばいおみゅーたんと】
ジャンル | アクションRPG | 

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対応機種 | プレイステーション5 プレイステーション4 Xbox Series X/S Xbox One Windows(Steam) |
発売元 | THQ Nordic |
開発元 | Experiment 101 |
発売日 | 2021年5月25日 |
定価 | 7,590円 |
レーティング | CERO:C(15才以上対象) |
判定 | 賛否両論 |
ポイント | 進化した動物達のオープンワールド 難解なシナリオ 低品質な翻訳 |
概要
- バイオミュータントはスウェーデンのゲーム開発スタジオExperiment 101が開発した文明崩壊後の世界を舞台にしたオープンワールド・アクションRPG。
- 主人公は「ケモノ」。進化してミュータント化したユニークな『アニマルモチーフ』のミュータントたちの物語が繰り広げられる。
- 日本風の鎧の装備や中国拳法など、オリエンタルな雰囲気が描かれる部分もある。
巨大なモンスターとの戦いやオープンワールドRPG特有の「プレイヤー次第で柔軟に変化する物語」が搭載されている。
- デベロッパーのExperiment 101は2015年にゲーム事業投資会社であるGoodbye Kansas Game Investと、Avalanche Studiosで『Just Cause』シリーズや『Mad Max』を手掛けた開発チームの一部メンバーが共同設立した企業で、その後2017年にTHQ Nordicの買収を受け傘下となった。本作は同社のデビュー作でもある。
特徴・世界観
- 鮮やかなオープンワールド
- 荒野、地下世界に編み目のように張り巡らされたトンネルやバンカーを駆け巡り、山脈や列島が冒険できる。この色鮮やかな世界には、多くの発見や謎が用意されている。
- 戦闘システム
- 三人称戦闘であり動物が主役であるだが、人間のような動きもできるため、射撃や近接格闘が行える。
- それだけでなく、ミュータントの能力も活用して繰り広げられる、新機軸の戦闘システムである。
- カスタマイズ
- 外見とプレイスタイルは変更可能。好みの動物に変化させる事が可能。
- また、変更によって能力値、テレキネシスやレビテーションなどのサイキック・ミューテーション変化する。
- 武器・装備のクラフト
- 武器のクラフトは自由に行える。部品を混ぜたり組み合わせたりして、 独自の片手/両手持ちのスラッシュ武器やクラッシュ武器を作れる。リボルバー、ライフル、ショットガンといった武器も完備している。
- 装着する装備品の種類まですべて自由である。
- ガスマスクと酸素タンクを装備し、寒冷地域には断熱服を着て突入、バイオ汚染生物との対決には防護装備を着用するなど、選択はプレイヤー次第で行える。
- 「光」と「闇」の選択肢
- ガ物語を進めると、光と闇の選択肢が出てくる。内容は「助ける系」と「見捨てる系」に分かれており、「助ける系」の選択肢では「光」のカルマが、「見捨てる系」の選択肢では「闇」のカルマが溜まる。
ストーリー
- 文明崩壊後の世界でケモノの遺伝子を持つミュータントが活躍する世界
- 疫病が大地を蝕み、生命の樹は根元から生気をなくし枯れ果てようとしている。
- 団結なく人々が分断された世界で、プレイヤーはこの世界を進んでいく。この生存の物語の結末を決めるのは、プレイヤーの行動と選択に委ねられている。
評価点
- 動物が主役でシリアスなゲームデザイン
- 動物が主役のゲームは多いが、全年齢向けの癒やし系のゲームが多い。その中で、本作は『TOKYO JUNGLE』のような動物達の弱肉強食な世界観というシリアスなゲームデザインである。このテーマだけでもオリジナリティはある。
- 文明崩壊後の世界探索
- 崩壊した世界を動物達の視点で探索するという他作にはないオリジナリティがある。
- バトル
- 剣術や銃撃、格闘技だけでなくミュータントの特殊能力と呼ばれる超能力などあらゆるバトルが行えてバトルとしては飽きさせない工夫がある。マーシャルアーツと剣術、射撃で爽快な戦闘を展開する。
- アクション
- 動物が主人公であるため、非常に操作性がスムーズでアクションに爽快感がある。具体的には、近くに紐があるとボタンを押さなくても捕まったり、高いところから落ちてもノーダメージなどストレスフリーな動きが多い。
賛否両論点
- クラス
- 6種類のクラスから選び、そこから細かなステ振り・耐久性・メインカラーとクリエイトしていく、これが自分の好きなクラスに好きなようにステータスや外見をいじれて自由度は高い。
- 一方、ゲーム中盤での変更はできず、他のクラスにしたいのならやり直すしかない。
- 序盤は主人公や乗り物の移動速度が微妙に遅くて苦痛。
- ただし、馬のような生物の乗り物を増やせば早く動くことができる。
- グラフィック
- 全体的にドットが粗く、海外で酷評されている。下手な塗り絵のようである。
- ただし、PS5やPCだと「景色が綺麗!」「グラフィックは最高峰」という声もある。
問題点
バトル・ゲーム
- 敵の種類は少なく、攻撃パターンも少なくすぐに飽きる。
- 武器のバランスが悪く、せっかく近接攻撃の手段も豊富なのに、銃が強すぎる。特に最高レアのライフルがぶっ壊れといえる程強く、中ボスですら瞬殺である。
- モブが少々少ない。
- 街は兵士を合わせて、数十匹であり一国として運営するには少々スケールが小さい。
シナリオ
- 全体的に下記の問題点の影響で非常に分かり辛いシナリオとなっている。
- アメリカのレビューなどでもナレーション過多でストーリーが分からないという酷評が目立つので、翻訳以前の問題である。
- キャラクター
- キャラの背景や、主人公の設定がイマイチ掴み辛い。
- 例を挙げると「主人公は親を敵に殺害されているのだが、その情報が出会う動物みんなに知られている」などと、起承転結が繋がらない違和感のある展開も多い。
- ナレーション
- 本作はナレーションのみで、 キャラ同士の会話が存在しない 。動物同士の会話の様子を三人称視点からナレーションで語られるだけである。
- そのため、キャラ固有のセリフもなければ、声も充てられていない。淡々と進んでいくので 物語の中に入り込んだような気持ちには到底させてくれない。
- ナレーションの説明は翻訳のせいもあり、 推測や解説が場面と合ってなかったり、説明不足だったりして理解しにくい。
- 選択肢
- 会話が成立しているようには思えない選択肢も数多い。選択肢で展開が変わると宣伝されながら、この選択肢は酷い。
- 固有名詞が多い
- 銃の事をピューピュー、格闘技のことをワンフー、敵のことをワールドイーターなど話の最中で異様なまでに固有名詞が多用される。
- 一つ、二つならまだしも、 クエストで話を聞くと固有名詞の連続で混乱する 。
- 異様なまでに面白くない導入部
- キャラ説明やゲーム、バトル説明が単調であり、惹かれないという声が多い。3時間ぐらい遊ぶとようやく自由に動かせるのだが、そこまで耐えるのが苦行。
- シナリオでの問題点にも取り上げられたシナリオの分かりにくさも原因の一つである。
- 日本語翻訳が壊滅的。
- 例えば主人公の内なる闇の存在の登場場面で 「自己紹介しよう。 俺は闇、お前の暗き一面、正確にはお前の内なる声だ。 お前がこれから起 こす行動の善悪、そして結果、 それを表しているのが俺だ。」
- このように回りくどく、理解しにくい会話が多用される。しかもこれがアップデート後という始末。
- 全体的に英語の幼児語や擬声語が多用されており英語の知識があればある程度何を意味するのか予想可能なものも多いが、その点を踏まえた翻訳がなされていない。例えば、固有名詞が多いの項で挙げられているピューピュー(Pew Pew)とは光線銃やおもちゃの銃の発射音のオノマトペである。
- 15歳以上対象とは言えプレイヤー全員にある程度の英語力を求める雑な翻訳しかなされていないのではむしろ英語を勉強して英語版をプレイした方がストーリーを深く理解できるかもしれないがそれでは本末転倒である。
総評
ケモノを主人公とした退廃的な世界観のオープンワールド。オリジナリティがあり、ハマる人はハマるのだが、そこまで没入するためは、シナリオやゲームデザインを理解することが必要である。
最終更新:2024年05月30日 07:50