電通なんて汚職企業じゃん、というのは全くその通りです。こんな会社がDEIをますます利益装置に換えていくのかと思うと、うんざりする気持ちもあります。ただ、この流れを止めることもできない。 あまりにも大きくなりすぎた電通という会社に、よいイメージをもつ人はいないと思いますし、わたしもそれはそうです。ただ、大きな会社の中でまっとうな問題意識をもち、「しゃらくさいダイバーシティ」や「当事者コミュニティから白い目で見られるDEI」ではないものを作りたいと真剣に考える社員さんがいることも分かりました。そして、その人たちは専門知にきちんと対価を払うという。 わたし自身は、対価を求めてこのチームに入ったわけではありません。しかし(ときに当事者であるがゆえに)蓄積した知識・専門知に対して、きちんと対価が払われない現実がある。私たちは、しばしばあまりにも安く、あるいはただで知恵と知識を提供して当然だと思われている。わたしの役目は、このような立場でこのような仕事を担う人(とりわけLGBTQの当事者でもある人)に対して、きちんと対価が払われるよい先例を作ることにもあると思っています。