「プー あくまのくまさん」
を観てきました。
ストーリーは、
楽しい冒険に満ち溢れていた日々は終わりを迎え、青年になったクリストファー・ロビンは、大学進学のためプーとピグレットを森に残して旅立っていった。時が経ち、婚約者のメアリーとともに100エーカーの森に戻ってきたロビンは、そこで血に飢え野生化してしまったプーとピグレットの異様な姿を目の当たりにする。
というお話です。
小さなクリストファー・ロビンは、家の近くの”100エーカーの森”でくまのプーと出会う。家から食べ物を持ち出し、彼らに与えていたクリストファーだったが、段々と成長し、大学進学によって、自宅を離れたクリストファーは、プー達に食べ物を運ぶことも出来なくなった。
残されたプーたちは飢えに苦しみ、とうとうイーヨーを食べるという凶行を行ってしまう。それにより精神的苦痛を負い、野性に戻って、人間を襲うようになっていった。
青年になったクリストファー・ロビンは、大学で医者になるという夢を追いながら、婚約者のメアリーとともに100エーカーの森に戻ってきた。以前と同じように、プーたちとの楽しい再会を期待して戻ってきたのだが、そこで目にしたのは血に飢え野生化してしまったプーとピグレットの異様な姿だった。そして…。後は、映画を観てくださいね。
うーん、プーさんが極悪になっているというので、楽しみに観に行ったのですが、出てきたプーさんは、プーさんじゃないんです。全くの別人だったので、あんまりおもしろく無かったなぁ。あのね、人間が被り物をして、プーさんやってますっていうのが、そのままなので、そこらのジェイソンやフレディと変わらないんですよ。可愛くて、はちみつが好きなプーさんが極悪になるからこそ、恐いし、面白いのに、そこら辺を間違えているよね。
映画が始まると、長い説明が始まるんです。プーさんと仲間が、クリストファー・ロビンと出会って、彼にご飯を運んでもらって暮らしていたけど、クリストファーが成長して、森近くの家から出て行ったので、ご飯が無くなり、空腹で餓死しそうになり、と語るんです。既におかしいでしょ。ご飯を運んでもらえなくなって、餓死ってどういうこと?
確かに、クリストファー・ロビンは、ピクニックのようにご飯を運んでいたけど、プーたちは元々野性動物。クリストファーが来るまで、じゃぁ、どうやって生活をしていたの?ってことなんです。熊ははちみつだけを食べてるわけじゃなくて、魚だって、動物だって食べる肉食獣でしょ。豚は雑食で昆虫だって食べるし、ロバに至っては草食でしょ。草を食べようよ。なんでサンドウィッチとか食べてんのよ。
そんな展開で、餓死しそうになったプーが野生化してって、元々、野性なのに何言ってんの?って感じだけど、野生化して、人間がお面被ったプーさんが出てくるんです。おいおい、どう見ても、人間がお面被ってんだろって思っちゃって、プーさんは台無し。どこがプーなのよ。ぬいぐるみのプーで良かったのに、なんで、そんな風にリアルにしたの?
「ベニー・ラブズ・ユー」というホラー映画で、かわいいぬいぐるみが殺人鬼と化して襲ってくるというのがあったけど、そんな風にすれば良かったのではと思いました。そうすれば、かわいいビジュアルのまま、殺人鬼になっていて、恐いながらも、どこかほっこりして笑っちゃう映画になったような気がするけど、今回は、プーさんの着ぐるみを着た人達が、連続殺人鬼となって、惨殺を繰り返すだけになっているので、本当に、ただのスプラッタームービーになっているのよ。
これなら、別に、プーさんで無くても良かったと思います。版権の事があるから、プーさんでやったんだと思うけど、これ、ミッキーでも、スヌーピーでも、キティちゃんでも、何でも良かったのよ。というか、何でやっても一緒なのよ。着ぐるみで惨殺、スプラッターって事だけなので、変わらないでしょ。
私、どんな映画でも、出来るだけ良い部分を探そうと思って観ているのですが、さすがにこれは酷かったです。プーさんという名前だけで人を集めて、内臓引きちぎって、人間をバラバラにして、うーん、何が楽しいのか解らない。スプラッター映画って、残酷なことして血がバシャバシャってなるんだけど、どこか笑いを誘ってしまうほどの狂気があるから面白いんだけど、このプーさんは、笑いを誘うまで行ってない、中途半端な感じなのがいけないのだと思いました。
この映画、私はお薦め出来ません。はっきり言って、ホラーで、プーさんというキャラクターの名前を使っているにも関わらず、全く笑えないホラーになってしまっていることが、お薦め出来ない理由です。私の定義からすると、ホラーは、どこか笑えないと成立しません。ただ、気持ち悪い、汚いというのはホラーじゃないんです。あーあ、プーさんも怒っているだろうなぁ。イーヨーも、ピグレットも、残念でした。でも、気になったら、観に行ってみてください。酷い映画だと解って観に行くなら、なんとか我慢が出来るかもしれません。
ぜひ、楽しめないけど、楽しんでみてください。
「プー あくまのくまさん」