徹底追跡!「みんなで大家さん」/東京都と大阪府の「業務停止」処分に猛抗議

会社側には500名近くから約28億円の解約申し込みが殺到。柳瀬健一総裁が怒るまいことか!

2024年8月号 BUSINESS

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栁瀨健一総裁(同社HPより)

栁瀨健一総裁率いる「共生バンク」グループ傘下の不動産投資商品「みんなで大家さん」を巡り緊迫の度が増している。前号記事校了後の6月17日、東京都と大阪府は不動産特定共同事業法に基づき行政処分を同時に下した。販売会社「みんなで大家さん販売」(販売社、東京都千代田区)と営業者「都市綜研インベストファンド」(ファンド社、大阪市)を30日間の業務停止としたのである。

焦点は両社の主力商品である成田空港近くの開発地。5年前、共生バンクは約46万㎡について成田市から開発許可を取得、以来、造成中の用地を五月雨式に商品化してきた。集めた出資金は2千億円近い。そんな中、昨年5月に事業プランが観光施設主体から冷凍倉庫などに変更。これに関し投資家への説明が不十分などと今回指摘された。

が、処分に対し会社側は猛烈に反発、異形の弁護団を結成し法的手段に訴え出た。起用したのは元大阪地検特捜部長の大坪弘道弁護士や元高知地検次席検事の上田敏晴弁護士ら。大坪氏は証拠改竄事件に絡んで有罪判決を受けた過去で知られ、当時の部下だった上田氏も強引な取り調べが取り沙汰されたもののその後の福岡地検時代に工藤会壊滅作戦で剛腕を発揮した。

この弁護団の効果か、会社側が起こした処分取り消し請求訴訟を巡っては同月25日までに東京・大阪両地裁で効力停止という仮の救済決定が下った。もっとも、行政側の姿勢も強硬で、即時抗告により7月上旬までに高裁が両地裁決定を却下、この間の情勢変化は目まぐるしい。

本を正せば、行政側と会社側の攻防は10年以上前からのもの。ファンド社は2012年に30日間、13年にも60日間のそれぞれ業務停止処分を受けている。不適切な会計処理などが理由だ。当然、行政側の目はその後も厳しかったはずで、さらに不動産大手などから不透明な実態に関し情報提供があったらしい。これに対し会社側は、ある人物を起用し牽制を図った。

その人物、澤邊博文氏が栁瀨氏を補佐する形で販売社の代表取締役に就いたのは15年。翌16年にはファンド社の代取ともなった。澤邊氏はクラブ経営の従兄弟に脱税を指南し1995年に有罪判決を受けた人物だが、その後の07年に「TEOS」なる中小企業向けNPO法人を設立、専務理事に収まっていた。人権団体も標榜するTEOSは同和行政に携わった元総務局理事ら複数の東京都OBを役員に迎えており、栁瀨氏はその隠然たる力に期待したようだ。が、澤邊氏は20年4月に新型コロナで死亡。影響は不明だが、あえなく今回の事態となった。

とはいえ、行政側も決め手に欠く。そもそも成田関連始め一連の商品に関し不透明なのは資金の流れだ。外部売り上げが無い中、投資家への分配金の原資は事実上、新規募集による出資金と見られる。が、行政側は「銀行口座を調べる権限が無く難しい」と、そこに切り込めないままだ。おまけに今回、会社側の反発の激しさが如実となった。

処分発表後、会社側には500名近くから約28億円の解約申し込みが殺到した。が、ルール上、会社側は引き延ばしが可能。7月21日以降は新規募集が再開される可能性が高い。前号記事で詳報した香港の買収先上場企業に成田の土地を移す動きもこの間、見られる。「個別取材には答えられない」と会社側。事態がどう転ぶか、いまだ予断を許さない。

   

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