経営者がいないままに2010年から閉店していた群馬県桐生市の山あいにある食料品中心の雑貨店が11年ぶりにシャッターを開けた。同市梅田町の「田中商店」で、名乗りを上げたのは最後の経営者の孫にあたる田中沙季さん(26)と、その婚約者、貝之瀬賢人さん(31)。若い2人がシャッターに手をかける決断をした背景には、高齢化が進む地方ならではの事情があった。
再開初日の7月1日は午前10時のオープンとともに、約10人の客が訪れた。「運転免許を返納したので、(自宅から歩いて行ける)田中商店の再開を心待ちにしていました」。以前から店を利用していたという近くの主婦、松本英子さん(83)は声を弾ませ、店内に並べられた新鮮な野菜を買い物かごに入れていた。
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