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【第39回日中学生会議実行委員紹介③】
名前 : 堀口 英利(Horiguchi Hidetoshi)
所属 : ロンドン大学 東洋アフリカ研究学院(SOAS, University of London)
役職 : 企画(デジタル戦略統括/広報)
日本とともに東アジアを構成する大国であり、歴史的な紐帯も長い中国。
例えば平成、昭和、大正、明治といった元号は中国の古典に由来しており、また陛下の「天皇」という称号自体も中国の「皇帝」に対抗して付けられた経緯があります。言わずもがな、私たちが毎日使う漢字も、中国から輸入されたものです。
今の元号である令和も、由来は万葉集の「梅花の歌三十二首の序文」ですが、これも中国との関係は切っても切れません。この序文は大宰帥(大宰府の長官)である大伴旅人の邸宅における「梅花の宴」について述べていて、当時の官僚には中国語の能力が求められていました。大宰府は大陸への窓口で、梅は大陸から遣唐使によって持ち込まれたばかりの花。当時は日本よりも中国が先進国で、その風を感じる大宰府において入ってきたばかりの梅を見ながら「初春令月、気淑風和、梅披鏡前粉、蘭薫珮後之香(初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す)」と宴を開くことは当時の知識人にとっては大変に雅なことであり、現代の若者言葉を用いれば「インテリ」「ナウい」「イケている」ものでした。
確かに令和という元号自体は日本の古典に因むものですが、そこで中国への憧憬が描かれていることは言うまでもありません。
その一方で、たとえ物理的・歴史的・文化的な距離は近くとも、必ずしも日本と中国の精神的・政治的・経済的な距離は近いとは言えません。
ここ15年ほど、東アジアの安全保障環境はかつての米ソ冷戦を彷彿とさせる軍事的対立の到来を感じさせます。いや、この構造自体は少なくとも東アジアにおいて冷戦時代から大きく変わったとは言い難く、ソ連崩壊からはや30年が経とうとしている今でも「東アジアでは冷戦構造の呪縛が解けていない」どころか「冷戦構造が再構築されている」とすら言い表せるかもしれません。
かつて英国のウィンストン・チャーチル元首相はフルトン演説で冷戦構造を「鉄のカーテン」と述べましたが、東アジアにおける冷戦構造は「竹のカーテン」とも形容されます。そして、「竹のカーテン」は悲しいかな、今なお東シナ海と南シナ海に横たわり、諸国を分断しつつあるのが現状です。
中国の習近平国家主席は「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード)」政策を掲げ、安倍晋三首相は対抗して「自由で開かれたインド太平洋」戦略を提唱しています。東シナ海や南シナ海での島嶼や水域を巡る各国の争いも、留まるところを知りません。
しかし、誤解を恐れずに言えば「対立しているからこそ、お互いを知らなければならない」のではないでしょうか。
確かに、孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という意味もありますが、それ以上に「お互いを知るからこそ、対立していても最悪の事態は避けられる」ように思えます。
現代の日本において、中国との戦争を望む人はほとんどいないことでしょう。「平和ボケ」と揶揄されることもありますが、外務省や自衛隊の努力で戦後日本の平和が堅持され、戦後教育で「平和」の重みが浸透したことによる賜物です。
そして幸いなことに、中国では日本のアニメやアイドルといった文化も広く普及しており、日本人の対中感情以上に、中国人の対日感情は芳しいと言えると思います。私がロンドンで出逢う中国人たちにも、『ONE PIECE』や『BLEACH』などの日本アニメのみならず乃木坂46や欅坂46といったアイドルグループは大人気で、『ドラえもん』や『名探偵コナン』を知らない中国人はいません。
少なくとも民心は戦争を望んでおらず、またその考えは政策決定の枢要なポジションにいる人たちも同様であると信じます。だから、今こそ「相互理解」のタイミングであると考えます。
そして前述の通り、東アジアの情勢は「未完の現代」と形容できます。今なお冷戦の遺構は東アジアを分断し、かつて我が国が支配した半島では同じ民族が啀み合っています。先日は中国人民解放軍海軍の新型航空母艦が台湾海峡を通過して、周辺諸国に緊張が走りました。彼らが統一されるべきかの議論はさておき、少なくとも同胞同士で銃を向け合っている上に、多くの国が民主化されていない現状は、英国のEU離脱といった問題や対テロ戦争などはあれど、NATOやEUなどの集団安全保障体制が構築されて大規模な紛争から遠い情勢が続いている西ヨーロッパに比べて、「未完の近代」と述べて差し支えないでしょう。
私の好きな映画の一つに、『1987、ある闘いの真実』という韓国映画があります。名前の通り、1987年に起きた出来事を描いていて、より具体的には全斗煥政権下における民主化運動がこの映画のメインテーマです。この年に民主化運動に伴う憲法改正により当時の第五共和国が終焉を迎えて第六共和国が発足、盧泰愚が当選(翌年に就任)。現代の韓国では民主主義や法の支配、言論の自由や人権の尊重などが基本的・原則的には堅持され、韓国は日本と同様に現代的な民主国家として広く認識されています。しかし、そのほぼ完全な民主国家としての歩みは僅か30年程度しかありません。その若い民主主義はポピュリズムに走り、この数ヶ月、韓国は日本とアメリカを安全保障政策で振り回し続けていました。
アジアにおいて高度に発展したもう一つの国家である、シンガポールはどうでしょうか。現代の首相(第3代首相)はリー・シェンロンで、「開発独裁」で有名な初代首相であるリー・クアンユーの長男です。アジアの金融センターとして名を馳せるシンガポールも、実際には人民行動党の独裁政権で、民主主義や言論の自由が実現されているとは言い難い状態にあります。
そして、日本よりも「1人あたりGDP(GDP per Capita)」が高い香港を見てみましょう。「一国二制度」で、中国本土よりは高い自由度を享受していましたが、それが「砂上の楼閣」であったことは今年の香港民主化デモで明らかになってしまいました。
言わずもがな、北朝鮮では「金王朝」とすら揶揄される独裁政権で人々は飢餓に苦しみ、彼らの核兵器開発や弾道ミサイル発射で日本や韓国は脅かされています。フィリピンやインドネシアにおいても、「人権」の概念が普及したとは言い切れません。
「民主化」や「人権」という要素だけで「近代化」を推し量ることはできませんが、それでも「近代」を構成する要素に民主主義や法の支配、言論の自由と人権の尊重があることは言うまでもありません。
この「未完の近代」が東アジアで続く限り、アジアはアメリカやヨーロッパに置いていかれかねません。東アジアはアジア地域において最も経済的かつ技術的に発展した地域ですが、政治的にも制度的にも、アメリカやヨーロッパに比べて成熟しているとは言い難いのが現状です。
日中学生会議のミッションは友好や交流にあります。しかし、友好や交流それ自体を実現できればゴールなのでしょうか。私はそうは思いません。
友好や交流、もしくは相互理解を超えた先にある、「アジア太平洋地域の平和と発展」こそ、我々が真に寄与するべきゴールであると心得る次第です。
日本側実行委員 堀口英利
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
第39回日中学生会議説明会案内
日時 : 2019年12月22日(日) 17:10〜18:00 入退場自由
場所 : 東京大学駒場キャンパス国際教育研究棟 314号室
【応募フォーム】
No photo description available.
Rlqk8Nxv.com
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【第39回日中学生会議実行委員紹介③】 名前 : 堀口 英利(Horiguchi Hidetoshi) 所属 : ロンドン大学 東洋アフリカ研究学院(SOAS, University of London) 役職 : 企画(デジタル戦略統括/広報) 日本とともに東アジアを構成する大国であり、歴史的な紐帯も長い中国。 例えば平成、昭和、大正、明治といった元号は中国の古典に由来しており、また陛下の「天皇」という称号自体も中国の「皇帝」に対抗して付けられた経緯があります。言わずもがな、私たちが毎日使う漢字も、中国から輸入されたものです。 今の元号である令和も、由来は万葉集の「梅花の歌三十二首の序文」ですが、これも中国との関係は切っても切れません。この序文は大宰帥(大宰府の長官)である大伴旅人の邸宅における「梅花の宴」について述べていて、当時の官僚には中国語の能力が求められていました。大宰府は大陸への窓口で、梅は大陸から遣唐使によって持ち込まれたばかりの花。当時は日本よりも中国が先進国で、その風を感じる大宰府において入ってきたばかりの梅を見ながら「初春令月、気淑風和、梅披鏡前粉、蘭薫珮後之香(初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す)」と宴を開くことは当時の知識人にとっては大変に雅なことであり、現代の若者言葉を用いれば「インテリ」「ナウい」「イケている」ものでした。 確かに令和という元号自体は日本の古典に因むものですが、そこで中国への憧憬が描かれていることは言うまでもありません。 その一方で、たとえ物理的・歴史的・文化的な距離は近くとも、必ずしも日本と中国の精神的・政治的・経済的な距離は近いとは言えません。 ここ15年ほど、東アジアの安全保障環境はかつての米ソ冷戦を彷彿とさせる軍事的対立の到来を感じさせます。いや、この構造自体は少なくとも東アジアにおいて冷戦時代から大きく変わったとは言い難く、ソ連崩壊からはや30年が経とうとしている今でも「東アジアでは冷戦構造の呪縛が解けていない」どころか「冷戦構造が再構築されている」とすら言い表せるかもしれません。 かつて英国のウィンストン・チャーチル元首相はフルトン演説で冷戦構造を「鉄のカーテン」と述べましたが、東アジアにおける冷戦構造は「竹のカーテン」とも形容されます。そして、「竹のカーテン」は悲しいかな、今なお東シナ海と南シナ海に横たわり、諸国を分断しつつあるのが現状です。 中国の習近平国家主席は「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード)」政策を掲げ、安倍晋三首相は対抗して「自由で開かれたインド太平洋」戦略を提唱しています。東シナ海や南シナ海での島嶼や水域を巡る各国の争いも、留まるところを知りません。 しかし、誤解を恐れずに言えば「対立しているからこそ、お互いを知らなければならない」のではないでしょうか。 確かに、孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という意味もありますが、それ以上に「お互いを知るからこそ、対立していても最悪の事態は避けられる」ように思えます。 現代の日本において、中国との戦争を望む人はほとんどいないことでしょう。「平和ボケ」と揶揄されることもありますが、外務省や自衛隊の努力で戦後日本の平和が堅持され、戦後教育で「平和」の重みが浸透したことによる賜物です。 そして幸いなことに、中国では日本のアニメやアイドルといった文化も広く普及しており、日本人の対中感情以上に、中国人の対日感情は芳しいと言えると思います。私がロンドンで出逢う中国人たちにも、『ONE PIECE』や『BLEACH』などの日本アニメのみならず乃木坂46や欅坂46といったアイドルグループは大人気で、『ドラえもん』や『名探偵コナン』を知らない中国人はいません。 少なくとも民心は戦争を望んでおらず、またその考えは政策決定の枢要なポジションにいる人たちも同様であると信じます。だから、今こそ「相互理解」のタイミングであると考えます。 そして前述の通り、東アジアの情勢は「未完の現代」と形容できます。今なお冷戦の遺構は東アジアを分断し、かつて我が国が支配した半島では同じ民族が啀み合っています。先日は中国人民解放軍海軍の新型航空母艦が台湾海峡を通過して、周辺諸国に緊張が走りました。彼らが統一されるべきかの議論はさておき、少なくとも同胞同士で銃を向け合っている上に、多くの国が民主化されていない現状は、英国のEU離脱といった問題や対テロ戦争などはあれど、NATOやEUなどの集団安全保障体制が構築されて大規模な紛争から遠い情勢が続いている西ヨーロッパに比べて、「未完の近代」と述べて差し支えないでしょう。 私の好きな映画の一つに、『1987、ある闘いの真実』という韓国映画があります。名前の通り、1987年に起きた出来事を描いていて、より具体的には全斗煥政権下における民主化運動がこの映画のメインテーマです。この年に民主化運動に伴う憲法改正により当時の第五共和国が終焉を迎えて第六共和国が発足、盧泰愚が当選(翌年に就任)。現代の韓国では民主主義や法の支配、言論の自由や人権の尊重などが基本的・原則的には堅持され、韓国は日本と同様に現代的な民主国家として広く認識されています。しかし、そのほぼ完全な民主国家としての歩みは僅か30年程度しかありません。その若い民主主義はポピュリズムに走り、この数ヶ月、韓国は日本とアメリカを安全保障政策で振り回し続けていました。 アジアにおいて高度に発展したもう一つの国家である、シンガポールはどうでしょうか。現代の首相(第3代首相)はリー・シェンロンで、「開発独裁」で有名な初代首相であるリー・クアンユーの長男です。アジアの金融センターとして名を馳せるシンガポールも、実際には人民行動党の独裁政権で、民主主義や言論の自由が実現されているとは言い難い状態にあります。 そして、日本よりも「1人あたりGDP(GDP per Capita)」が高い香港を見てみましょう。「一国二制度」で、中国本土よりは高い自由度を享受していましたが、それが「砂上の楼閣」であったことは今年の香港民主化デモで明らかになってしまいました。 言わずもがな、北朝鮮では「金王朝」とすら揶揄される独裁政権で人々は飢餓に苦しみ、彼らの核兵器開発や弾道ミサイル発射で日本や韓国は脅かされています。フィリピンやインドネシアにおいても、「人権」の概念が普及したとは言い切れません。 「民主化」や「人権」という要素だけで「近代化」を推し量ることはできませんが、それでも「近代」を構成する要素に民主主義や法の支配、言論の自由と人権の尊重があることは言うまでもありません。 この「未完の近代」が東アジアで続く限り、アジアはアメリカやヨーロッパに置いていかれかねません。東アジアはアジア地域において最も経済的かつ技術的に発展した地域ですが、政治的にも制度的にも、アメリカやヨーロッパに比べて成熟しているとは言い難いのが現状です。 日中学生会議のミッションは友好や交流にあります。しかし、友好や交流それ自体を実現できればゴールなのでしょうか。私はそうは思いません。 友好や交流、もしくは相互理解を超えた先にある、「アジア太平洋地域の平和と発展」こそ、我々が真に寄与するべきゴールであると心得る次第です。 日本側実行委員 堀口英利 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 第39回日中学生会議説明会案内 日時 : 2019年12月22日(日) 17:10〜18:00 入退場自由 場所 : 東京大学駒場キャンパス国際教育研究棟 314号室 【応募フォーム】 https://docs.google.com/forms/d/1mZw2oBi55na6xfbswyD8TXjhFoKfoMmuhYklW88iS5Y
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