算数の法則の中には、上手に使うことで計算を簡単に出来る便利なものがあります。
これらの法則は一見電卓なしではできないように見える問題を暗算レベルのシンプルな計算に変換してくれますよ。
では今回の問題は、どのような法則を使えば暗算できるようになるでしょうか?
問題
次の計算を暗算してください。
23×(100+3)
解答
正解は、2369です。
かなり大きい数が答えでしたが、暗算で解けたでしょうか?
頭の中で筆算しようとした人は、一度次の「ポイント」を見てみてください。
この問題を簡単に解くコツを紹介していますよ。
ポイント
この問題のポイントは、分配法則です。
算数の範囲で習う法則なのですが、どんな法則か覚えていますか?
分配の法則は、()の中の足し算をしてから掛け算をする場合と、()の中の数をバラバラに掛け算してから足す場合の答えが同じになるという法則です。
式の形で見てみると、次のようになります。
分配法則:
(●+▲)×■=●×■+▲×■
●×(▲+■)=●×▲+●×■
ここまでの前提知識を持って、改めて今回の問題を見てみましょう。
23×(100+3)
まずは()の中の足し算を先に計算する場合を考えてみます。
23×(100+3)
=23×103
二桁×三桁の掛け算になるので、「計算するのが難しそう」「筆算を使わないと無理」と感じてしまうかもしれませんね。
そこで、分配法則の出番です。
問題の式を次のように変形してみましょう。
23×(100+3)
=23×100+23×3
23×100、23×3は比較的楽に計算できると思いませんか?
その計算結果を足すだけで、今回の問題の答えが出ますよ。
23×100+23×3
=2300+69
=2369
()の中の足し算を先にするよりも、簡単に計算できたのではないでしょうか。
分配法則を利用することで、筆算を使いたくなるような問題でも暗算レベルの計算に分解できましたね。
まとめ
今回は、分配の法則を使って計算式を簡単にする問題に挑戦しました。
分配の法則を上手く利用すれば、計算が楽になることを実感できたでしょうか。
なお、今回は()の中を分解しましたが、逆に別々に掛けられている数を()内にまとめることで計算がシンプルになるような式もあります。状況に応じて、どのように分配法則を利用するか判断してくださいね。
分配の法則を使った問題は他にもありますので、ぜひ挑戦してみてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
分配法則の問題にもう一問挑戦!