本日の東京地裁でのHPVワクチンを巡る集団訴訟で原告のうち3人の本人尋問が行われたのですが、反対尋問が衝撃の内容でした。このあと、順を追って報告します #HPVワクチン

Aug 7, 2024 · 12:18 PM UTC

東京地裁前のリレートーク(原告&原告弁護団&原告の支援者) 隈本邦彦・江戸川大学教授(元NHK) 「キャッチアップ接種のCM、目に余る。HPVワクチンのキャッチアップ接種を推奨するテレビコマーシャル、ものすごいお金が使われています。そのお金を使って何をしようとしているか、ワクチンの売り上げを上げようとしているわけです」「デンマークの論文では二十歳を超えて30歳までに接種した人の癌は減ってないどころか、ちょっと統計的な有意差はありませんが増えています。そういう状況のものをやみくも打たせている。これが今のワクチン行政です。そして安全性のチェックが非常におざなり。副反応報告を沢山報告が出ているのに特段の懸念はないといういつもの決めセリフで会議が終わってしまう。本当に(厚労省の)副反応検討部会の傍聴をしていると腹が立ってきます。でもこれを変えるためにはこの裁判で勝つしかないわけです」 #HPVワクチン
この日はGSKのサーバリックスを打った原告32番と27番、MSDのガーダシルを打った原告52番の本人尋問がお行われた。本人尋問では、おしなべてHPVワクチン接種前は勉強とスポーツが得意で将来への希望に満ちていたがワクチン接種によって体調不良となり、ワクチンの後遺症によって勉学や就職もままならず夢と希望が打ち砕かれたという内容だった。 #HPVワクチン
15歳で接種した原告32番の女性への反対尋問。GSK代理人がワクチン接種前の医療機関の医療記録(カルテ)を示し、心療内科の受診時の内容(3回の転校などに起因する人間関係などについて「すべてがトラウマ」等)について問いただすと「覚えていない」と返答。GSK代理人からは、接種後の医療機関の医療記録に、”母親からの進学のプレッシャーがあった”、”母親から怒られた時にリストカットしていた”等の記載があることが示され、飲食店やコンビニで長時間の立ち仕事のアルバイトをしていたことが指摘された。現在は夫と乳児の3人暮らしで保育園の送り迎えは原告本人が行っていること、車の免許は大学1年の時に一人で合宿に行って取得したことも尋問のなかで示された。 裁判長からは、原告が出産時に産婦人科の医師にHPVワクチンの後遺症があることを告げていなかったことなどの確認がなされた。 #HPVワクチン
小6で接種、症状が悪化し昨年、上肢下肢機能不全で障害者認定を受け、杖をついて入廷した原告27番の女性への反対尋問。GSK代理人から、原告が訴える症状に視野障害があることについて、接種後の医療機関の医療記録に「母から元々神経が弱くストレスで視野が狭くなる」との記載があることを示されると「母の主観」と返答。GSK代理人は原告が中3の時にニュージーランドへホームステイをしていたこと、高校では公共交通機関を挟んで30分歩いて通学していたこと、学園祭で和太鼓を叩いていたことソフトボールでボールを投げたりバットを振れていたことも指摘。原告の症状がHPVワクチン接種後の後遺症だと診断したのが原告側専門家証人の横田俊平氏であることに言及した。
16歳(高1)で接種した原告52番の女性へのMSD代理人の反対尋問。原告代理人による主尋問ではワクチン接種前は「健康そのもの」と答えていた原告女性だったが… MSD代理人が医療記録を基に指摘 ☆ガーダシル接種前 ・小2の時に両親が離婚、母が再婚した義父の酒癖が悪く暴れる ・義父が母親を殴って原告も殴られた ・小5で過呼吸 ・小6で母親が義父と離婚、兄と原告を連れて家を出た ・仲の良かった兄が大学進学で別居 ・中学で不登校に ・同居する祖父が認知症になり、原告の母親が祖父のお金を盗ったなどの被害妄想が始まり、カルテに「祖父に対応しなくてはならず大変でした」 ・医療記録に「学校でトラウマ、登校拒否になった」 ・思春期外来の医療記録に「過換気症候群」 ・母親が実父と再婚 ・祖父が躁鬱病・双極性障害、暴れたりした。その後、自死 ☆ガーダシル接種後 ・歯医者受診時に「注射や薬で嫌な反応なし」と回答 ・高2の5月に心理検査を受けた病院の医療記録に「強い抑鬱、異存」 ・高2の6月の医療記録に「不思議の国のアリス症候群」「自殺念慮」「統合失調症」との記述。ひと月前から悪化/雨も降っていないのに土砂降りに雨音が聴こえる。同様のエピソードとして「中2の時に雨が降っていないのに雨が降っている音がする」と母親が問診票に記載 ・2012年、高2時の心理検査で「対人不安」「心の底・不安や恐怖心」「人格統合」「自我・精神病レベルの考慮も必要」 精神科のカルテに「小5の時から自分の体が勝手に移動するような体験、それが最近現れるようになった」 ・2014年 精神科に入院。カルテに「実父が子どもに無関心でパチンコに夢中『私に関心ないのでは?』」「仙台に良い思い出がない」「入院が精神疾患・統合失調症になる不安」「明るいキャラ作り、疲れる」 ・大学病院の精神科の心理検査(心理テスト)で設問に続くワードに「小1からすべてやり直したい」と記述 ・2016年、大学病院で認知行動療法を受けようとしたが、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の池田利恵事務局長(日野市議)から紹介された静岡てんかんセンターでHPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)と診断を受けPMDAから認定を受けたことによって認知行動療法を受けないことにした。認知行動療法を受けない選択をした理由を訊かれた原告女性は「認知行動療法では治ると思っていなかった。HPVワクチン被害者として止(や)めたいと言った」「ワクチンが原因だと思っているので」と返答。大学病院の医療記録では医師が副反応診断を否定する記述「自己免疫性疾患の見解を否定」
閉廷後、まず原告27番の女性と弁護団が会見。 質疑応答で原告52番に本人の陳述書と本人の記憶にかなり齟齬が見られた点とガーダシル接種前の医療記録に相当な既往症が見られることを質問した。 主尋問を担当した原告代理人弁護士は「母の話と記憶」  「評価は別のもの」「症状が本人にとって言い表しきれない」「(接種前と接種後は)イコールの症状ではない」「熱が続いている」などと返答。  継続して会見において確認している原告の医療記録開示の問題について改めて質問した。 これは特定の原告がHPVワクチン接種前に受診した医療機関の医療記録(カルテ)の開示について、送付嘱託することが進行協議で決まったにもかかわらず、当該医療機関に対し原告弁護団から開示に応じないよう(刑事責任を問われる可能性を示唆した)レターが出されていたという事案。製薬会社側は”進行協議の場での共有事項として、原告弁護団が医療機関へレターを出した事実が確認されている”と指摘していたが、前回までの期日後の会見で原告弁護団は否定していた。この日の会見で改めて原告弁護団に確認したところ「担当した弁護士がいないので詳細は判らないが、最終的には開示されている」と返答があった。私からは詳細な確認を求めた。  会見に参加したのは原告支援者の独立系メディアと映像監督とフリー記者が計3人、司法記者クラブの記者4人、そして私という8人のみ。
続いてGSK代理人の会見。 聴き取りメモから冒頭の発言の要約 ・原告の皆さんの諸症状はHPVワクチンとは関連性がおよそないものであり、いわゆる癲癇性障害や機能性身体症状といったHPVワクチンができる前から知られている疾患。これは社会心理的因子によって様々なストレスから生じて、様々な深刻な症状を引き起こすことが知られている。今日の原告の尋問でも烈しいストレスを受けておられたことが浮き彫りになった。によって発言されたことが反対尋問で浮き彫りとなった。客観的な医療記録では烈しいストレスに晒されていたことが判明した。 原告本人はカルテの記載されている内容を「覚えてない」と言うが、カルテの内容は原告やご家族が医師に話さないと医師が勝手に書くことはあり得ない。 そういうところを裁判所にしっかり判っっていただく必要があり、社会心理的因子、ストレス原因を今日もいくちか確認させていただいた。カルテ読んでいると、いろいろなストレスを訊く原告・訊く原告、抱えてらっしゃるなと、充分説明できると考えている 質疑応答で私からの確認&質問事項 ・前回の東京の期日の本人尋問で欠席したサーバリックス接種の原告については予備日で対応の可能性 ・原告の会見で原告27番の望月瑠奈さんが「反対尋問では”ストレスから”というのを否定できてよかった」と話していたことについての見解を訊くと「カルテの記載内容について記憶にない、覚えていないと原告は仰るが、裁判所がどう心証を採るか。常識的に考えてご本人が言ったんだなと思うし、かなり厳しい経験をされているのにそれを覚えていない、具体的に医師にどう話したか何年も前のことなので覚えていないのはそうかもしれないが、イジメに遭ったことなどもすべて忘れてしまうことは不合理ではないか。ストレスに関しては否定できたと仰っているが、ご自身は否定されてましたが、客観的証拠と照らし合わせて裁判所がどう認定するか。我々からするとストレスがなかったと裁判官は思われなかったと思います」  ・個人的な関心から、毎回GSK代理人の池田弁護士が証人席の原告をじっと見つめていて何かを読み取ろうとしているのか気になったので、池田弁護士に訊いた。 池田弁護士「辛いだろうなと思って見ているんですけど、我々は彼女たちが嘘を吐いているとか詐病とは思っていないんです。おそらく症状はあると思うんですよ。ただ、それが周りのいろんな大人たちによって、それは医師であることもあり、様々な人たちによって”ワクチンによってそうなっているんだ”という風に思い込まされていると思うんです。最後の方なんて本当に壮絶な人生を送って来られていて、それをもう一回法廷でほじくり出されてるっていうか、それはご本人とっては辛いだろうな、可哀想だなという気持ちで見ています」「観察しているところもありますよ。例えば杖をついてこられているけれども、椅子に座られる時には筋力が無いようには見えないですし、最近少なくなりましたけど、よく東京は最初の頃は、原告ご本人の意見陳述の度に、水口さん(原告代理人の水口弁護士)は車椅子の女性を連れてくるのが好きなので、車椅子の原告が来られてましたが、その脚を見ていると普段車椅子で生活されている方の脚ではないんですよね、筋肉もしっかり付いているし。そういうところはもちろん見ています。裁判所も見ていると思います」 小森弁護士「今日も、杖をついておられましたけど、足の方が先に出たりしてましたから」 池田弁護士「本当に筋力がなかったら立った地り座ったりするのは難しい筈なんですよ。筋力がないとゆっくり座ったりできませんから。それが難なく普通に座っておられたので。そういうところは見てます」
最後にMSD代理人の会見。 HPVワクチン訴訟に関して東京地裁・大阪地裁・福岡地裁・名古屋地裁で2016年7月に提訴されて以来審理が続けられ、昨年5月の東京地裁口頭弁論期日から原告側専門家証人の6人の証人尋問が行われ昨年12月の大阪地裁での証人尋問で全員の証人尋問が終了。今年1月から原告本人の尋問という新しい審議の段階に入り4地裁で原告本人尋問が行われている。東京地裁では2月5月に続き3回目の口頭弁論期日であることが説明された。 「主に裁判所の要請を通じて病院から取得した原告の方々の医療記録には原告の方々がHPVワクチンとは関係がない心因性の要因によって痛みや運動障害などの多様な症状に苦しんでいらっしゃることが記載されています。原告の方々が訴えていらっしゃる痛みや運動障害などの多様な症状はHPVワクチンが世界で初めて発売された2006年から遥か前から特に思春期の若い方にみられる疾患として知られており、数多くの医学部文献に説明がされています。実際にHPVワクチン接種歴のない方においてもHPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を有する方が一定数存在することが既に明らかになっています。原告の方々が多様な症状に苦しんでらっしゃることは事実ですが、原告の方々や報道関係者の皆様にご理解いただきたいことはHPVワクチンとは関係のない心因性その他の要因が重篤な身体的な症状をもたらし得るということです。原告の方の中には接種後、一年以上経ってから、症状を訴える方もいらっしゃいますが、このように長い期間が経ってから訴えてこられる症状のみならず、時間的に近い時期に訴えておられる症状についてもHPVワクチン接種と結びつける科学的・医学的に信頼できる根拠は全くありません。実際、原告の方々を診察し古くから知られている既存の疾患であると正しい診察をしてらっしゃる医師も複数いらっしゃいます。しかし原告の方々はこれらの症状はHPVワクチンの副反応によるものだと主張されている一部の医師のもとで誤った診断を受け、中には危険を伴う治療を受けておられる方もいらっしゃいます。MSDは原告の方々が正しく診断され、適切な治療を受けられることが非常に重要なことであると考えております」 質疑応答で私からは原告52番の医療記録についてガーダシル接種前と後の症状の差が有るか否かについて質問。 ・原告は違う立場であると思うが、原告あるいは母親自身が医師の前で症状がガーダシル接種前からあったものがぶり返したものだと説明しているので、我々は彼女が今経験しているような精神的な症状はガーダシル接種前からあるものだと思っている #HPVワクチン
今後の同訴訟の期日など。 ・8月22日に名古屋地裁、9月19日に大阪地裁で本人尋問(主尋問&反対尋問)。一旦、本人尋問は終了 ・10月7日の福岡地裁から被告側専門家証人の証人尋問の主尋問が開始。2025年1月8日に福岡地裁で反対尋問(被告側専門家証人は神経内科が専門の帝京大学・園生雅弘教授) ・東京地裁では11月18日に神経ウイルス学・神経免疫学が専門の近畿大学・角田郁生教授の主尋問。2025年2月3日に反対尋問 そのあと、10人の被告側の専門家証人の尋問が各地裁で行われる。 そのあと、本人尋問の口頭弁論期日があり、地裁での判決は2027年4月が予定されている #HPVワクチン
昨日、一日がかりの裁判傍聴から会見の取材。全て終了したのは19時。 時間が遅かったこともあるが、最後のMSDの会見時、取材に残っていたのは司法記者クラブの記者が4人、原告支援者のメディア関係者2人、そして私の計7人のみ。継続してこのHPVワクチンを巡る騒動を追っている一般メディアは皆無に近い。(関心を持ってくれている個々のメディア関係者は少なからず存在している) 判決言い渡しとなる2027年4月までの間にこの訴訟が大きく報じられることはないと思う。2016年の提訴時に大きく報じた各メディアはその後の経過をきちんと追って、最新の科学的知見・医学的知見を基に報道してほしい。 一般傍聴席をほぼ埋め尽くした原告の支援者からは反対尋問時、製薬会社代理人へ刺すような視線が飛び、質問を揶揄するような反応が見られる。ある種、ガラパゴス化しているとも云える。そうさせているものが何なのかを見極める必要がある。 ひとつだけ言えるのは「法廷内に悪意を持っている人は一人もいない」ということ。それがこの問題を、より複雑にしている #HPVワクチン #キャッチアップ接種