渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

試斬 〜1970s TAD CUE〜

2024年08月07日 | open

試斬 〜1970s TAD CUE〜


1970年代中期に製作された
TADコハラ製のキューでの
試し撞き。切れ味の如何を
試している。(私の私物)

キューの試しは日本刀と
同じ。
どこまで引けるかとか
どこまで押せるかでは
なく、どのように狙った
ショットを実現できる能
力を具備しているかを試
し物により測る。
引きについても、極限引
きではなく、狙ったクッ
ションに戻って入れて、
狙い通りの場所に手玉を
きちんと出せる能力を
キューが持っているかを
試験して判断する。

この動画でも、引き玉では、
手玉を引いて戻して入れる
クッションの場所を事前に
確認しているのが収録され
ている。
試し物の動画を観る時の
着目点はそういった点だ。
これはビリヤードでも日
本刀の世界でも。
二輪の試乗による車両解析
もこれらと似たようなもの
だ。
挙動特性、能力特性をきち
んと具に感知検出するのが
試し物の要点だ。

この動画では1球目は手玉を
横出し止め狙い。
2球目は逆ヒネリ引きによる
クッションに入ってからの
手玉殺し止め。よくキュー
が利いて切れるので驚いた
仕草をしている。
3球目はただの押し玉では
なく、いわゆる「割れない
玉筋」の押し玉。
的玉と手玉の分離角度を
狭くして手玉のフォロー
ラインを狙い通りに運ぶ
ショットだ。
このTADは実にキューが切
れる。
ただし、順はそうではない
が、逆ヒネリの時のみトビ
がかなりあるので曲者。見
越し補正域を事前に正確に
把握して撞く必要がある。

現代科学技術で作られた
画一的な工業生産のキュー
ではなくTADのようなキュ
ーを使うのは、アコーステ
ィックの音楽を好むのか、
あるいはMMDのような電子
音を好むのかの違いだ。
当然TADは木製楽器である。

 






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