ネトウヨ脳の限界か。しょせんSFの『アサシン クリード シャドウズ』に的外れの批判を繰り返し世界から総スカンを食らう日本のネット民

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SNSを中心に「大炎上」の様相を呈している、11月発売予定の人気ゲームシリーズ「アサシンクリード」最新作『アサシン クリード シャドウズ』。発売中止を求める署名運動にまで発展しているこの騒動ですが、問題の本質はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、事の経緯を誌上で詳しく解説。本作に歴史的事実を求めるナンセンスさを指摘するとともに、なぜ日本のネット上でこのような状況が生まれてしまったのかについて考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:『アサシンクリードシャドウズ』にネトウヨが「政治的正しさ」を求め、世界から総スカン 一方、世界から批判される日本のゲームコンテンツ

ネトウヨの『アサシンクリードシャドウズ』叩きに世界がゲンナリ。何が問題を炎上させているのか

また日本のネット民が世界から総スカンを食らっている。

2007年に初代作品がリリースされて以降、世界中で非常に高い人気を誇っており、2023年までに1億5,500万本以上を売り上げているビデオゲームシリーズ「アサシンクリード」最新作『アサシン クリード シャドウズ』(2024年11月15日発売予定)に対して、日本のネトウヨ・保守層が的外れの批判を繰り返している。

本作の舞台は16世紀の安土桃山時代の日本で、織田信長が天下統一に迫っていた1579年から1584年の期間を描く。

プレイヤーは、伊賀者の忍者である藤林奈緒江と、信長に仕えた黒人侍の弥助(やすけ)という二人の主人公を操作。また弥助は実在の歴史人物であり、シリーズ初の実在人物が主人公。

弥助はアフリカ出身の元奴隷で、侍の修業を終えた後、信長に仕えた人物。

本作については、日本を舞台にしながらも主人公の一人に黒人男性を起用したことで、一部から批判があがった。

批判の一部は、弥助が実際には侍ではなく信長の従者に過ぎないという歴史的な誤解に基づくか、ゲームが多様性や包括性を強調しすぎていると感じる人々からのもの。

しかし一度ならシリーズをプレイしたものなら分かるが、本作は所詮はSFシリーズ。そのような所詮はググれば分かるようなこともできないカスが問題を炎上させているのだ。

「所詮はSF」に歴史的事実を求めるバカ丸出し

ポリコレ房と化した日本のネット民がポリコレ房と化す

本作の多くの批判は、ゲームが歴史的事実を改変しているという点に集中。特に、黒人侍の弥助が完全武装の侍として描かれていることを問題視。

弥助は実際には織田信長の従者であり、侍としての記録はほとんど残っていない。また、ゲーム内での日本描写が「雑」であると感じるファンも多く、これが発売中止を求める署名活動にまで発展。

しかしながら、アサシンクリードシリーズは、しばしば歴史的なアクションアドベンチャーゲームとして認識されているが、実際にはサイエンスフィクション(SF)の要素が強く含まれている。

シリーズの中心には「アニムス」という装置があり、これがシリーズの根幹を成す。アニムスは、現代の人物が遺伝子記憶を通じて先祖の記憶を体験するための装置で、全体の物語を支える重要な要素。

そして古代の高度な文明「先駆者(Isu)」が登場し、彼らの技術が「エデンの欠片」として現代に影響を与えている。そして、超常的な力を持ち、歴史の流れを変えることができるとされている。

そもそもシリーズは、しばし歴史的な正確性を犠牲にしてフィクションを取り入れている。例えば、実際のゲーム中に登場する暗殺教団は中世にモンゴルによって滅ぼされ、その思想もゲームで描かれているものとは大きく異なっている。

つまり、本作に歴史的事実を求めること自体、バカ丸出しなのだ。

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