同じ数を繰り返し掛け算する際は、「累乗」を用いると簡潔に表現ができて分かりやすくなります。
しかし、累乗の計算は、間違いも多くなってしまうので注意が必要です。
今回はよく間違えてしまう累乗の問題に挑戦しましょう!
問題
次の計算をしなさい。
(−3)^4
(−3)の四乗なので、「−3を四回掛け算」という計算です。
正しい答えを導くことができるでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「81」です。
途中の計算は次のようになります。
(−3)^4
=(−3)×(−3)×(−3)×(−3)
=+81
負の数を含んだ掛け算は、数と符号を分けて考えることが可能です。
また、負の数の掛け算は次のように符号を決定します。
偶数個の(−)を掛け算→(+)
奇数個の(−)を掛け算→(−)
今回の問題では、つぎのようになります。
数字:3×3×3×3=81
符号:(−)を四個(偶数個)掛け算→(+)
よって、(−3)^4=+81
よくある間違い
「(−3)^4」の計算でよくある誤答例を紹介します。
まず一つ目が「−12」と答えてしまうことです。
これは「(−3)×4」と混同してしまっていますね。
「(−3)×4」を言い換えると、「−3を4個足し算」という計算です。
(−3)×4=(−3)+(−3)+(−3)+(−3)
次によくある間違いが「−81」という答えです。
「四乗」の計算をするときに注意が必要なのが、カッコの有無です。
今回の問題では、「(−3)^4」とカッコの外に四乗がついています。これは(−3)という数を四回掛けています。
一方「−3^4」とカッコのない式であれば、四乗は「3」についています。
つまり、次のような計算になります。
−3^4
=−3×3×3×3
=−81
カッコがあるかないか、些細な違いのように見えますが、数式としてはまったく意味が違います。
まとめ
累乗の計算は、簡単なように思えて、意外と間違いをしてしまうことがあります。
どのような誤答が多いのかまで知っていると、間違いを減らすことができるはずです!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
累乗の計算にもう一問挑戦!