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乙女ゲームの主題歌は、いつも大きな責任を感じていました
── 3曲目「暁のバタフライ」から「Reverberation」「始まりの記憶」と続いて収録されている3曲は、どれもゲーム「AMNESIA」シリーズのオープニングテーマですね。── 「AMNESIA」シリーズとの出会いもまた、大事だったと?織田 乙女ゲームとの出会いが「AMNESIA」シリーズで、最初に歌ったのが「始まりの記憶」(「AMNESIA LATER」オープニングテーマ)でした。この3曲は、その後、いろいろな乙女ゲームの作品と関わるきっかけになった楽曲と言えるかなと。それに「暁のバタフライ」と4曲目の「Reverberation」はライブでも人気の高い曲なので、ライブに来て下さる方のためにも絶対に入れたいと思いました。
── 乙女ゲームは、織田さんのソロワークスには欠かせない要素ですよね。織田 いろいろなタイプの作品に関わらせていただきましたが、作品ファンのみなさんの愛をいつも感じました。どの作品もストーリーや作画の完成度が高いので、主題歌はそこにさらなる華を添えるものではないといけないじゃないですか。作詞とボーカルを担当させていただくのには大きな責任を感じますし、作品のイメージを損なわないためにも、余白のある曲を作らなければいけないと学びましたね。と言いながらも、私も感情移入をしてしまうので、自分が作詞した曲はすごい熱がこもってしまったりするんですけど(笑)。
── 余白というのは、ファンが楽曲について自由に解釈できる部分ということですね?織田 はい。乙女ゲームはプレイヤーが主人公になりますし、相手のキャラも変わっていくんですよね。ですからプレイヤーの数だけ、違うストーリーと結末があると思うんです。
── 6曲目「誓いの花束」も、同時期の曲ですね。ゲーム「猛獣使いと王子様」のエンディングテーマです。織田 「誓いの花束」は今まで歌ったことのないタイプの曲で、私の音楽の新しい扉を開けてくれました。誰がどう聴いても霜月はるかさんのサウンド感で(笑)。
── 作曲が霜月はるかさんですね。織田 ご自分で歌うよりも誰かに曲を提供する時のほうが、霜月はるからしさを強く出すというお話を聞きました。「誓いの花束」はリズムの取り方が特徴的で面白い曲ですし、歌っていても楽しかったです。「猛獣使いと王子様」はオープニングテーマも私が歌っているんですけど、あえてエンディングテーマのこちらをベストアルバムに選びました。
── 7曲目の「紅結び」と8曲目の「花はうつつに」は、ゲーム「忍び、恋うつつ」関連の曲です。織田 先に制作したのは「忍び、恋うつつ」のオープニングテーマだった「花はうつつに」ですね。この曲はライブ映えする曲で、最初にライブで歌った時の感動は今も忘れられません。最近では海外のライブでも歌わせていただくんですけど、作品の舞台が忍者の世界なので、ジャパニーズ・ニンジャ・ソングということで紹介がしやすい曲です(笑)。こういう和風の曲に挑戦できたということで、「忍び、恋うつつ」との出会いも私にとっては大きかったですね。
── 「紅結び」は、PlayStation Vitaに移植された「忍び、恋うつつ― 雪月花恋絵巻―」のエンディングテーマです。織田 「ふたり綾とり」というオープニングテーマも歌わせていただいているんですが、これもエンディングテーマの「紅結び」を選びました。こちらも人気が高い曲で、最近はアコースティックライブでピアノ1本の演奏に乗せて歌う事も多くなりました。これが、すごく映えるんですよね。私はロックな曲も歌っていますが、本来、息が多めのしっとりとした曲のほうが自分の持ち味が出せると思っているんです。「紅結び」はそれが生かされた曲だなと思っていて、当時のレコーディングでも素直に歌うことができました。