進撃の巨人
放送日: 2013年4月7日~2013年9月29日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、逢坂良太、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美、藤原啓治
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
多重構造で作りだされるエンターテインメントショー
ここからはまだ本公演を生で見ぬ「進撃」ファンが少しでも興味を持てば、という思いで川崎公演の内容を振り返ってみたい。
会場は川崎駅から徒歩で15分ほど、1か月あまり前にできたばかりという川崎市スポーツ・文化総合センター(愛称「カルッツかわさき」)。入場時に配布されたシンクロライト・リストバンドを右手首につけ、座していると、鎖地平団伝達班所属の新兵・イスカによる前説が始まる。ツアー各地で現地にまつわるネタを盛り込むイスカ。ここ川崎支部での内容は、1日目が藤子・F・不二雄ならびに「藤子・F・不二雄ミュージアム」、2日目が川崎大師ならびに最終公演ということからの謝辞であった。そんな前説後、シンクロライト・リストバンドの点灯試験を無事終えると、他団員と同じく紗幕に映るウォールの前で静かに始まりの時を待つ。
ウォールに吹き付ける強風の音だけが会場に響く中、「二ヶ月後の君へ」のピアノイントロと、ドイツ語のナレーションが流れてくる。紗幕の後ろでうごめくメンバーたち。だが、階段上にいるRevoさんの左右にはこれまでの会場では見なかった人数の人影が。東京国際フォーラムでは内藤貴司ホルンセクションが、愛知県芸術劇場では三沢またろうさん(Perc.)が参加するなど、ツアーのいくつかの地ではゲストミュージシャンを迎えてきたが、川崎ではクワイヤ(合唱団)としてVoces Tokyoが、指揮者としてCDで「進撃」の重厚なコーラスをRevoさんと共に作り上げた木場義則さんが参加した。RevoさんがこのあとのMCで話したように、過去最大人数がステージを震わせる中でのライブスタートとなった。
Revoさんの歌声が耳内で響く。今、目の前にはどんな景色が広がっているか。言うまでもなく、鎖地平団長たるRevoさんが作りだした「進撃の巨人」ワールドだ。最初は紗幕という高い壁にはばまれ、はっきりと見ることはできなかったが、それが取り除かれた瞬間、客席に集った団員の気持ちは一気に世界へと突入する。楽曲は、「進撃の巨人」の主人公にして、調査兵団に所属するエレン・イェーガーの姿を歌った「二ヶ月後の君へ」。みずからに鞭打ち巨人と化すエレンの決意をも描いており、「自由の代償」にも通じる側面を持つ。このように楽曲単体ではなく、各楽曲がからみ合い、線が面となり世界を描いていくのがRevo楽曲の魅力。LHで言えば、25万枚以上を超えるヒットでプラチナディスクを獲得し、第64回NHK紅白歌合戦でも披露された「紅蓮の弓矢」のフレーズが、いくつもの「進撃」楽曲に散りばめられている。これによってたとえ、ライブ初参加であろうとも、アルバムを聴かずとも、誰もが「進撃」の世界にいることを意識せざるを得ない。原作第1話のタイトル「二千年後の君へ」をも背負った「二ヶ月後の君へ」は、次々と「進撃」世界を切り開いていく。4人のダンサーが激しく踊り、手にしたビジュアルポイの軌跡は炎を描く。いっぽう、Revoさんは力強く歌いながら階段を下り、5人の歌姫も歌声を寄り添わせながら入れ違うように階段へと上がって逆V字を作る。「進撃」らしい、非常に勇ましく美しい光景が広がっていた。
「二ヶ月後の君へ」が終わると、MCのためにRevoさんはマイクを口元に近づける。
「Linked Horizonでーす。ありがとうございまーす」
一転して世界を泡沫のごとく霧散させるほどの語尾のゆるさ。これを聞くとRevoさんのライブに来たという実感が体のどこから沸きあがるが、そのへんはご愛敬。ここでRevoさんは千秋楽である川崎公演2日目ということで、ある宣言を放つ。
「今日だけが特別なわけじゃないんです。毎公演毎公演、特別なことなんですよ。もし、君たちの人生の中で何かひとつが変わっていたら、今日ここにいないってことが簡単にありえるんです。いろんなことの積み重ねで奇蹟的なことが起こり、今日という夜ができあがっている。そうやって来てくれた皆さんをやっぱり楽しませたい、音楽というものでノって楽しませたい。そして、今生きているこの瞬間が楽しい、最高だって思ってもらうことがエンタメっていう仕事の一番の意義かなって」
そんな自分の思いを述べた次の瞬間、
「みんな、悪いけどそういうのは今日忘れまーす。つまり、君たちを楽しませること、は忘れます」「僕はいかに今日自由に自分が楽しく過ごせるか、っていうことを追求してみたいと思います」「なぜそんなことを言っているかというと君たちと僕の対決だからです。僕はお金をもらってこの場にいて、君たちはお金を払ってそこにいる。それなのに僕に負けていいと思う? 僕よりも楽しくなかったら損してるんじゃないですか? だから僕と対決だ! 今日の公演、誰が一番楽しんだか、そのことを証明してやろうぜ!」
最終日で34公演となる今回のツアー。卓越したミュージシャンが積み重ねた時間は尊く、観客を楽しませようと意識しなくても楽しませることは必至。だから、自分が楽しませようと意識する必要はないと感じたRevoさんは、みずからが率先して楽しむことで、客席に集まる団員たちがみずから楽しむように声をかけた。彼は、仕事を共にした誰もが苦労を訴えるほどに難解で高難易度の楽曲を生み出すいっぽう、非常にやさしい。
「MCがそんなに多くないコンサート」で「楽曲も連続でやって」いくけど「2時間連続でマックスで(腕を)振れるわけがない」。「なのでメリハリが大事なんです。休むべきところでは休み、解放するところでは解放し、自分の体のことは自分が一番わかっていると思うので調整してみてください」
Revoさんのライブで定番となったシンクロライト・リストバンドも利用し、
「そいつは結構危険なアイテムで」「きれいなのは当たり前で、皆さんの生命エネルギーを吸ってるから光ってるんですね。なのでそのうちどんどんどんどん疲れてきます」
だから、ライブ中にリストバンドを左右付け替えることも推奨する。こうしてMCにたっぷり時間をとり、みずからの体を気遣いながら無理せず楽しむように話しかけた。公演内でこういったわかりやすいやさしさをよく見せたが、「進撃」世界により没頭できるように楽曲でも演出でも工夫を凝らしているのとそこに根ざす思いは同じなのだろう。
(撮影/佐藤祐介)
放送日: 2013年4月7日~2013年9月29日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、逢坂良太、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美、藤原啓治
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
上映開始日: 2014年11月22日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、神谷浩史
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
上映開始日: 2015年6月27日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、神谷浩史
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
放送日: 2015年10月3日~2015年12月19日 制作会社: プロダクションI.G
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、逢坂良太、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美、千葉進歩、川田紳司、三戸耕三、相川奈都姫、鷄冠井美智子、三宅健太
(C) 中川沙樹・諫山創・講談社/「進撃!巨人中学校」製作委員会
放送日: 2017年4月1日~2017年6月17日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
放送日: 2018年7月22日~2018年10月14日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、橋詰知久、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
上映開始日: 2018年1月13日 制作会社: WIT STUDIO
キャスト: 梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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