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#13 トラブルの対応から紐解く、宗教校と無宗教校の違い(小学校受験)

2022/2/6 リライト 

 いくら選抜されたお子様が入学する私立小学校とはいえ、そこは6歳児〜12歳児の集う場です。大なり小なりのトラブルは日常茶飯事です。そこで気になるのは、トラブルの内容もさることながら、各学校の対応です。
 様々な学校の対応を伺っていると、ある程度の共通点が見えてきます。その大きな括りの一つが、今回のテーマである宗教校と無宗教校です。
 今回のnoteは、トラブル対応という象徴的な考え方をきっかけに、宗教教育の有無の違いを紐解いてみたいと思います。

■トラブルの対応の違い

 早速ですが、以下は学校HPからの抜粋です。

 毎年、入学式や機会があるたびに「あなたがた一人ひとりが青山学院初等部です」というメッセージを子ども達に伝えています。そうです、いつでもどこにいても、学校にいても家庭にいても大切な初等部の子ども達なのです。一人ひとりの子ども達が、初等部の主役なのです。これからも子ども達一人ひとりと繋がり、「かけがえのないひとり」を大切に考えていきます

青山学院初等科HP 部長挨拶より

 聖心女子学院は、一人ひとりが神の愛を受けたかけがえのない存在であることを知り、世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成をめざします。

聖心女子学院HP 教育理念より

 プロテスタントとカトリックの違いはあれど、上記はどちらもキリスト教教育の学校です。
 教育理念に記述があるか否かに関わらず、キリスト教教育では、「ひとりひとりがかけがえのない存在」「それぞれ役割があって生まれてきた」という精神を大切にしてます。
 したがって、加害者と被害者がいるようなトラブルが発生した際に、宗教校は加害者に対して、基本的に「温かく見守る」というスタンスをとります。
 「加害者になった子も、かけがえのない存在であり、その子の成長を皆で見守りましょう」と考えるからです。

 結果として、被害者は「泣き寝入り」とも言え、「学校はあんな子を放置するのか!?」とも取れてしまいます。
 残念ながら、陰湿ないじめ等が発覚しても、首謀者が退学等の厳しい処分にならないのも宗教校の特色です。
 しかし、心の成長過程で様々なことが起きてしまうのが子供でもあります。何かの弾みで我が子が加害者になってしまった時には、その温かさは有り難いとも思えるでしょう。
 実際には、集団生活の場として全く対処しないということはありませんが、親同士が連絡を取り合う、直接謝罪させるといった対応はあまり見掛けません。

 親が学校にクレームを入れる度合いも、宗教校の方が少ないように思えます。特にカトリック校は、宗教教育出身のお母様やお父様が多いこともあるのか、悪く言えば泣き寝入り、良く言えば「温かい眼差し」、本音で言えば「まあ学校はあまり動かないでしょ」と悟られているようにも思えます…。

 一方で無宗教校です。こちらは一般的な、加害者の謝罪と更生を促す対応が見られます。悪い芽は早めに摘むというスタンスですので、当然、親への電話やお呼び出しもあります。
 さらに言えば、そこは私立小学校です。再発防止への手厚い指導は徹底されてます。加害者側への強い指導はもちろん、親から相手の親に直接謝罪をさせることも多いです。学校で起きたことは学校で対処する、といった強い方針の学校もありますが。

 また、個々に対応するということは、教員の力量に依るところも大きく、対応の質はバラバラな場合も多いです(大きな事件は校長クラスが関わるでしょうが、それでも担任によって初動のバラつきあります)。
 親同士が直接連絡を取ることにもなるため、必要以上のトラブルに発展する例や、噂が広がり加害者への風当たりが強くなるなど、被害者が納得する以上の顛末になる例も少なくありません。

 それから、ずっと我慢していた子が、たった一度の仕返しで一気に悪者扱い、というのも耳にします。
 こんなこと言わないでおいた方がというような内容も、念のために先生の耳に入れておくことは、頭に置いておいた方が良いかと思います。

 それぞれ良い点、悪い点あるのは言うまでもないのですが、宗教教育の有無、特に宗教教育の一端を知る一助になれば幸いです。

■教育方針の浸透度

 上記でも触れた、教員の力量・足並みの揃い具合を見てみましょう。

 私立小学校創立の背景は大きく分けて二つあります。一つは、創立者の理念に基づいた教育に賛同するご家庭の子女を集めた学校。もう一つは、キリスト教宣教師を中心に創立された、主に女子への教育普及を目的としたキリスト教系の学校です。

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 このように、宗教校と無宗教校は設立の背景が全く異なります。
 宗教校はキリスト教教育という明確な柱があるので、創立から何年経とうと、校長先生が誰になろうと、教育方針が大きくブレることはありません。
 一方で無宗教校は、学校の創設者によって理念は様々です。また、創立者を神格化して、その教育理念を絶対的な柱にしようとしますが、時代に応じて、学園全体が掲げる理念などが変わり、初等教育もその影響を受けやすいです。
 したがって、教育方針の理解度で言えば、どこで学んでもキリスト教教育は大差ないですが、無宗教校の創設者の理念は、卒業生の先生と外部からの先生ではその理解度に差があること、また卒業生であっても、学校の方針が大きく変わっていることも少なくありません。

■個性尊重はどっち?

 最後に、志望動機に使いがちな「個性尊重」という言葉についてです。
 一般的に、「規律」「厳しい」というイメージのある宗教校ですが、トラブル対応の違いでもお伝えしたように、「一人一人は違って良い」という言葉の通り、その根幹には個性尊重があります。
 実際、宗教校は別学が多く、別学の学校は、異性の目を気にせずに好きなことに邁進できる環境(オタク気質が伸び伸びできる)と言われているのはご存知の通りです。
 また、特に厳しいイメージが先行するカトリック女子校も、小学校は確かに厳しいですが、中高は一気に自主性に振れる部分が多いです。
 宗教校については、日々のお祈りや厳しいルールはあれど、それは決して画一的な子供を育てようとしているのではない、という認識はあった方が良いかと思います。
 宗教校は個性尊重が教育理念なのです。

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【お受験を紐解く】私立小学校に通う二児の父です。持てる属性を絞り出し、一人は附属幼稚園、一人は附属小学校から、それぞれ別の一貫校にご縁を頂きました。本noteでは、これまでお受験に縁のなかった方々に向けて、お受験の構造や対策、耳にする噂や謎を解き明かすコラムを書き綴っております。
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