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全ての土台となるトーナメント戦略(No limit Holdem) vol.2

前書き

こちらは前回のvol.1の続きです。前回記事をご覧になられていない方は、まずはvol.1をご覧ください。

今回の記事では、具体的な戦略と難しいシチュエーションについて解説していきます。
「30bb以下の終盤」「スタックが少なくなってきた時」
トーナメントでの戦略を序盤〜終盤まで解説していきます。
まずは、スタックが小さい時と大きい時の違いから見ていきましょう。

・残りスタックが大きい時

一般的にですが、残スタックが多ければ多いほど リングゲームのように基本的にパッシブ(積極的ではなく受け身的に)にプレイをしCBをあまり打たないようなプレイラインを取ります。
しかし、Vol.1をご覧いただいた皆さんは分かりますね?
そうです
・IPの時、ブロードウェイ2種時、大きめのCBが有効
・OOPではOOP側に有利なブロードウェイ2種時にレンジCBが有効
ということを学びましたね。

ですので、

残スタックが多い時(例えば100bb〜30bb程度を持っている時)は

IPではレンジCBを行います。(主にオリジナルに有利なボードで行います。例えば、AKQのようなハイカードが落ちたボードです。レンジCBに関しては別noteで出します)

一方、OOPでは上記したブロードウェイカードが2種類ボードに落ちている時以外は、基本的にパッシブにプレイをしCBをあまり打たないようなプレイラインを取る

という戦略を立てます。
ここまでが、スタック量が比較的多い場合の戦略です。

では、これらを前提として、具体的な戦略をスタック別に見ていきましょう。

内容

発展編

・スタック毎のケーススタディ
 ①終盤(20bb〜10bb)
 ②中盤(60〜20bb)
 ③序盤(100bb〜60bb)

今回、終盤から序盤にかけてという普段とは逆の流れで書きました。MTTをプレイするにおいてのエッセンスが、序盤<中盤<終盤と重要度が増していきます。
なので、終盤の1番大事なところから書き出しをしています。

①終盤 20bb〜10bbでの戦略

BTN vs BBにおけるプリフロップとポストフロップを確認していきましょう

<20bbにおけるBTNプリフロップ>

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20bbのBTNにおけるオープンレンジはかなり幅広いことが分かります。注目するべきは一撃オールインです。フロップ以降で戦いやすいハンドであるスーテッド系は主に普通にレイズする形が推奨されていますが、オフスートでは、20bbでオールインをする場合があります。。

☞忙しい人はここだけチェック

20bbにおいては、プリフリップでオールインをする場合がある

「A4s〜A2s」「A9o〜A7o」「44s〜22s」「JTs、QTs」
ハンド自体のEQは高いがFlopによってEQの分散が大きいハンド
プリフロップでオールインすることでEQを実現する

これらのカードはハンド自体のEQ(勝率)は高いものの、フロップに嫌なカードが落ちたときに脚が止まってしまい、EQを実現しにくくなってしまいます。(例えば44ポケでフロップが開いたときに、4以上のカードがあると、例え相手がペアになっているカードを持っていなかったとしても、恐くてベットできないですよね)

そのようなカードは、最初からオールインしてしまうことで、ハンド自体のEQを必ず実現できる状態にするのがコツです(オールインしてしまえば、フロップでそれ以上のカードが落ちたとしても、相手が持っていなければ勝てますよね)

また、このようなAXo、Lowポケットでのオールインを試みることで、全員が最初からフォールドしてくれれば、ブラインドとアンティを手に入れることができます。

では、BTNの2bb open、20bb ALL inに対するBBのアクションをそれぞれ比較してみましょう。

<BB側の2bb openに対するコールレンジ>

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<BB側の20bb オールインに対するコールレンジ>

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この上図を比べると、2bb openと20bbオールインに対するコールレンジを比較するとBB側のフォールドレンジが約70%ほど増加しています。
また、2bb openに対するレイズレンジが18.6%であり20bb AIに対しても18.3%なのでレイズとコールレンジは変わらないものと捉えていいでしょう。
よって、20bb ALL inすることで相手をフォールドさせることができる可能性が増えることは確かです。さらに、ライブトーナメントという状況を考えると相手のオーバーフォールドを誘うことができそうです。(トーナメントはスタックが0になると終わるためより慎重になるプレイヤーが増えるためです)

故に
「A4s〜A2s」「A9o〜A7o」「44s〜22s」「JTs、QTs」・・・ などの
・ハンド自体のEQは高いがFlopコンディションによってEQの分散が大きいハンドでプリフロップでオールインすることでEQを実現できます。
したがって、自分のスタックが20bb以下になった際は、上記のハンドで積極的にオールインをするようにしましょう。

次はポストフロップを見ていきましょう。

<20bbでのフロップ>

一般的にスタックサイズが浅くなるにつれ、ポジションアドバンテージ(ポジションによる有利不利)が低下する傾向にあります。
これはIP,OOPに関わらずスタックがお互いに浅いため、簡単にオールインになるからです。
そのため、フロップの段階からオリジナル側は幅広くCBを打っていくことが良いでしょう。

ここからは、20bbでのCB集合分析を参考に理解を深めましょう。

BTN vs BB (20bb)

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上図はBTN vs BB 20bbでのハイカード別CB集合分析になります。
注目する点としては「AハイボードでのCB率が高い」ことです。
MTTは、アンティゲームのためBB側にトラッシュハンドを含む弱小レンジが多く残っており、Aハイボード含め全体的にCB頻度が高いです。

ではBB側のディフェンスを見ていきましょう

<BB vs BTN CBを打たれた後(20BB)>

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MTTの特徴をCash gameと比較して見ていきましょう。
主に、「Call頻度の低下」、「Raise33%の増加」に注目しましょう。
次のような特徴が見えてきます。

・Fold頻度 増加⤴︎
・Call頻度 低下
⤵︎
・Raise33%頻度 増加
⤴︎

つまり、Check/Fold頻度が著しく増加し、Raise頻度が増えるということです。
これは、BB側のスタックが小さいため、「ドロー時にコールをした後のEVが多く見込めないため」と考察できます。(つまり、フラッシュやストレートが完成しても、自分のスタックが小さいため、チップを取る量に限界があるためといいかえれます)
もちろんアンティゲームのため、コールレンジの中に弱いレンジを多く抱えているという要因もあります。
また、Raise33%の頻度増加を考えるとドローでのレイズアクションが増加したからと言えるでしょう。

よって、「MTT 20bbのBB ディフェンスではドローでのレイズが増える」ことが分かりました。

次に、前述と同じ設定でのペアボードの分析を見ていきましょう。

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下から2番目の「Paired」を見てください。
他の値と比べて「Fold率が上がりRaise33%が2倍の30%」にもなっています。
ペアボードの場合、Check or Check Raiseという戦略をとっていることが見て分かります。

よって、

BB vs BTN CB (20bb)のディフェンスの場合、
「ドローでの33%Raiseが増える」
「ペアボードでのCheck or Check Raise戦略の採用」

が良いと分かりました。

☆忙しい人はここだけ☆

・スタックが浅くなるほどポジション優位差はない
・Aハイなどのオリジナル優位ボードではCBを打つ
・ドローでの33%Raiseが増える
・ペアボード(Low〜Middle,33s〜77s)でのCheck or Check Raise戦略の採用

次に15bb以下の戦略を見ていきましょう。
15bb以下のシーンでもうトーナメントを諦めていませんか?
実は、まだまだいけるスタックなんです!!諦めたら試合終了ですよ
MTTではゴキブリ根性が大事なんです!

14bbでのUTGとBTNのオープンレンジを見ていきましょう。

14bbUTG

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14bbBTN

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レンジをみてみると「プレイアビリティが高いハンド」かつ「ハイカードがオープンorリンプ」になっていますね。
さらに、AXsのキッカーが弱い部分、AXo、ポケットがオールインの選択をしている頻度が多いです。
これは20bbの時の戦略と同様に
ハンド自体のEQは高いがFlopコンディションによってEQの分散が大きいハンド
がオールインという選択肢ですね!

つまり、残スタックサイズが少なくなるにつれ、ハンド自体のEQが高く、Flopにより弱くなってしまうようなハンドがオールインになることが考えられます。

次に10bbを見てみましょう。もうできることはオールインorリンプ
しかなさそうですが、諦めてはいけません。
10bbUTG

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10bbBTN

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EQが高いハンドでオールインをする一方、なんとAA〜QQがリンプという戦略をとっています。

AAなどのハンドでスロープレイ、リンプは良くないよと思われる方も多いと思います。
しかし、残スタックが浅い時の特徴を思い出してみましょう、、
「スタックが浅いためリバーまで容易にオールインできEQを実現できる」
とうことですね。
MTTにおいて、あなたがショートスタックの時には周りのスタックも小さい場合が多く、100bb程のスタックを持っているプレイヤーは少ないです。
つまり、相手のレンジには、スーテッドコネクター系よりも、ハイカードやハイコネクターが多いということです。。
つまり、AAを持っている時、Aを2枚おさえているため、相手のハンドレンジは弱小になっている可能性が高いのです。
よって、リバーまで容易にオールインできるスタックでのAA〜KK(QQ)でのリンプは強力となってきます。

②中盤(60〜20bb)

次に中盤によくあるスタックである60bb~20bbを見ていきましょう。
まず100bbも含めて、60bb,40bb,30bbとスタックごとのレンジを比較していきましょう。

画像

図を見てみると、スタックが浅くなるにつれ「Lowカードスーテッドコネクター系」のオープンが減ることが分かります。
つまり、スタックが浅くなるにつれ投機的なハンドよりハイカードの価値が高まっていると言い換えることができます。このことより、AXoの価値が上がるとも言えます。
よって、

「Lowカードスーテッドコネクター系のEVが減少、AXoの価値が増加」

と覚えておきましょう。

これらを前提知識として、まずは30bbでの戦略を見ていきましょう!
MTT 30bb/HJ open

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MTT 30bb/BTN open

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MTT 30bb/ BTN vs UTG

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MTT 30bb/BTN vs HJ

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HJ,BTNのオープンレンジに関しては、特筆すべき点はなさそうです。
一方でBTNのコールレンジに注目してみましょう。
ボタンでは、意外にもコールレンジが多いことがわかります。
また、オフスートのブロードウェイ2枚ハンドをライト3bet(ブラフで3betすること)に回し、スーテッドの方をコールしています。ブロードウェイスーテッドでライト3betをしない理由としては、4betAIに対して、AQsなどドミネートしている場合もあり十分な勝率がないためCallできないからです。
一方、オフスートで3betする理由としては、Flop以降のプレイアビリティが低くCallするには向いていません。しかし、プレミアムハンドをブロックしつつ、3bet後Flopでペアを作ると強力です。
以上より、ブラフバンドとして3betレンジに含まれます。
また、AA〜JJあたりの強いハンドで3betをせずにコールで止めています。これは、先ほど述べたように、相手のレンジにはスーテッドコネクター系よりもハイカード2枚が多く含まれ、さらにAAを持っていることでK〜Jハイのハンド比率が考えられます。よって、フロップ以降で搾取が十分に可能ということでCallと3betの混合戦略になっています?
これらのことから、MTTの場合、BTNではコールという選択肢を取ることが多いことが分かりました。

これらを踏まえて、HJ vs BTN( OOP vs IP)の ケーススタディを通して、フロップ戦略を学びましょう。

<30bb ポストフロップについて>

一般的に、スタックが多い場合の2bet-potにおいて、OOP側は基本的にはCBをほとんど打てない状況にあります。(ここではHJ側)
例えば小さいCBを打った場合、緩いレイズをIP側から受けることで、2 overのようなEQの高いハンドを放棄しないといけなくなってしまいます。(こちらが勝っている可能性もありますが、それ以上に相手から強いハンドが出てくる可能性をぬぐい切れないため)
つまり、スタックサイズが大きい場合は、ポジションによる有利不利の影響が大きいということが言えます。

一方、30bbのように、スタックサイズが浅くなるにつれ、リバーまで容易にオールインできEQを実現できるようになります。
その結果、ポジション優位差がなくなります。

そうなると、フロップでの戦略が変わってくるかもしれません。

では、スタックサイズが30bb付近の時、どのような戦略を取るのでしょうか?
HJ vs BTNのフロップ集合分析を見てみましょう。

画像


上図のHJ側のフロップ集合分析を見てみると

「Check頻度がかなり多い」ですね
ターンリバーの展開を考慮すると幅広くレンジCBを打つより、オーバーカードで Check Call体勢を取りポットを膨らまさない戦略をとっていることがわかります。
具体例を見ていきましょう。

例 AsTh6c

画像

HJ vs BTNでATとブロードウェイ2種類が落ちていることもあり、大きいサイズのCBはあるものの、依然として Check頻度が多いようです。

よって、MTT 30bb OOP vs IPでは

OOP側は
•ブロードウェイ2種類が落ちた時に大きいサイズのCB or CHECK CALL体勢
•基本 Check Call体勢
•IPの小さいCBに対してCall

ということが良いとわかりました。
つまり、スタックサイズに限らず、30bb付近では、積極的にCBを打たないほうが良いということですね。

では、次に、前述と同じ条件でのIP側のBTNの戦略を見ていきましょう
IP側のアクションとしては、CBを打たれた場合とソリューション通りCheckされた場合の 2通りがあります。

①HJがレンジCBを打ってきた場合

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上図がIP側(BTN)のアクションになります。
なんとフォールドが21%程度しかなく、ほとんどコールしています。
さらに、レンジ14%、トップヒットグッドキッカー等での33%Raiseと50%Raiseの混合のようです。

一方、

②HJがチェックした場合

画像

上図がアクションになります。
約60%程度 のハンドでチェックしています。
Lowポケットなどの若干でもショーダウンバリューがあるハンドを チェックに回していることがわかります。
しかし、フロップAJXというボードにも関わらずBetという選択の中では「Pot66%」が最頻値です。
構成されているハンドの中身としては、主にドローハンドとトップヒットのようです。これは、AJXというオリジナル有利側に働いているボードでの チェックに対して、ポラライズ気味のBetをすることでプレッシャーをかけることが有効であるからです。

⭐︎忙しい人はここだけ⭐︎

MTT 30bb

◯OOP vs IP 2betpot
•ブロードウェイ2種類が落ちた時に大きいサイズのCB or CHECK CALL体勢
2オーバーのEQを放棄しないためのFlop check
•基本 Check Call体勢
•IPの小さいCBに対してCall

◯IP (BTNcall)vs OOP 2betpot

相手がレンジCBを打ってきた場合
 ・幅広くディフェンスをする
 ・トップヒットグッドキッカー
       での33%/50%Raiseの混合
 ・Callでのディフェンス頻度多め

相手が Checkしてきた場合
 ・相手側がレンジCheckをしている可能性があることを考慮。
 ・ブロードウェイ2種類時は特に要注意。OOPレンジがかなり強いのでトップヒットミドルキッカーの場合でもレンジ全体で Check backでいいでしょう。
 ・ただし、トップヒットとドローハンドでPot66%というポラライズ気味のBetでOOP側にプレッシャーをかける

③序盤(100bb〜60bb)

順番が逆になりましたが、最後に序盤などのスタックが多い時の戦い方です。
vol1,vol2をここまで読んでいただいた皆様でしたら、なんとなくお気づきでしょうか?

序盤の戦略はものすごくシンプルです。
要としては、次の以下です。

・「Lowカードスーテッドコネクター系」のEVを損なわせない
・スタックが多いほどポジション優位差が出る
・Aハイなどのオリジナル優位ボードではCBを打つ
・ドローでの33%Raiseが増える
・ペアボード(Low〜Middle,33s〜77s)でのCheck or Check Raise戦略の採用
•ブロードウェイ2種類が落ちた時に大きいサイズのCB or CHECK CALL体勢
•基本 Check Call体勢

というような①〜②の要点が全て詰まった戦略を意識することで序盤を戦い抜きましょう。また、大きなポットを取ってスタックが回復した際も同様ですね。

さいごに

お疲れ様でした。CBについての記事はいかがでしたでしょうか?
非常に長い記事で疲れたかと思います。今回の記事では、トーナメントにフォーカスを当てました。

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