冒頭、『教えて!ウルトラ実験隊』(1/25放送)で捏造と言われてもおかしくない事実の歪曲があったことについて謝罪した。 経緯は、制作会社のディレクターが花粉症対策について千葉大学大学院の教授を取材し、臨床試験中の治療法を“紹介”するため“再現”VTRを制作。番組の性格上“実験”VTRだと思っていた局のプロデューサーを含む他スタッフの「(実験なのに)結果が出ていない」という指摘を受けた担当ディレクターは、紹介VTRであることを説明せず、あたかも本当に実験し結果が出たかのようにVTRを作り変えてしまった。放送後、教授からの抗議で発覚した。 テレビ東京は、1/28に現状報告の記者会見をしてニュースでも報道。2/1には再度の記者会見でより詳しい結果報告をした。視聴者に対しては、2/1の番組冒頭でお詫びと訂正を行なった。視聴者からは厳しい意見がある一方、率直な訂正は評価するという反響もあった。社内の処分については、担当常務・局長を減棒、担当P2名を譴責とした。また、番組は2/8の放送をもって打ち切りとした。 番組のコンセプトをスタッフ間で共有できずコミュニケーションもしっかりしていなかったため、チェックできなかった。 事件後、すぐに制作局全員を集め注意喚起を徹底し、テレビ東京の番組を制作している制作会社110社には再発防止を訴える文書を送った。また制作現場だけの問題ではないので全社的な対策を現在検討している。 |
【審議の主な内容】 委員-『教えて!ウルトラ実験隊』は視聴率が良くなかったということだが、地味な“紹介”ではなく迫力のある“実験”で視聴率を取りにいった面があるのではないか。 委員-仮説を実証するための実験は、厳格な手法を取らなければならないがそれができていない。実験のイメージを崩してしまったのでは。科学的な実験は厳しく行なわれるもので必ず成功するわけではないということを今後番組で取り上げる等のフォローをすれば、テレビ東京の真摯な姿勢を示せるのではないか。 委員-視聴者が喜ぶ結果ありきで、それに合わせて番組を作っていくという体質が制作現場にあるのではないか。科学番組でも同様に甘く考えたために起きた事件ではないか。 委員-取材時に担当ディレクターと千葉大学大学院教授とのコミュニケーションが取れていなかったということはないか。 委員-放送前に番組をチェックしてもらってはどうか。 委員-この件に関し、テレビ東京のHPではどう対応しているのか。 委員-局の対応が迅速で真面目なものだったことは評価したい。
〈試 写〉
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