ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2023.4.4 20:22日々の出来事

若者に期待して裏切られた教訓

原ぷにゅくすから「皇統問題イベント」の準備にかけた費用の請求書が来た。
その内容と金額を見て驚いた。

わしは彼に仕事の依頼をしたわけじゃない。
彼が全額自己負担でやると言ったから、それなら、たけし社長と同じ個人の仕事だから、任せておこうと思った。

ところが、皇統問題となれば、ゴー宣道場を使うしかない。議論できる言論人や文化人はいない。いたら「ゴー宣道場」で呼んでいる。
原ぷにゅくすの案は、家入レオを呼ぶとか、アニソン歌手を呼ぶとか、広告会社を雇うとか、金を使えば成功するという考えだけで進めているので、絶対に失敗するとわしは見切った。
家入レオが来るはずないし、来ても観客は歌を聴いたらさっさと帰るだけだろう。
前日にお召し列車を走らせるなんてアイデアまで出すから、わしはあり得ないと思っていたが、結局不可能と判明した。

当日は、どういうプログラムなのか見せてくれと言ったら、パソコンを閉じて見せてくれない。
しかも彼は人に相談したら、「小林よしのりは何故金を出さないのか?」と言われるとか、「イベント終わったら、自分は中洲で乞食やってるかもしれない」とか、冗談まじりに金のことばかりちらつかせる。
ようするに俺が金を出してるんだから、好きにやっていいはずだと言いたいんだろう。

わしは益々危ないと思って、このイベントを成功させるには、ゼロからやり直すしかないと思った。
ゼロ地点から先は、わしが金を出すが、今まで彼がやってきた尻拭いは、会場のキャンセル料+αくらいだろうとしか思ってなかった。
わしが全く知らぬ間に、すでに200万円もの無駄遣いをしているとは!
7月末まではまだまだあるのに、この調子で金を使っていったら1000万円超えるだろう。

わしは彼が使う金額のことも案じて、早めに断念させたのだ。
その方が彼のためでもあると思った。
だが、彼はたけし社長の所に行って、わしの悪口を言いまくっているらしい。
英雄になりそこなって、わしのアンチになったようだ。

彼は全額自費でやると大見得切って、無駄づかいで積み重ねた金を、わしに請求してきた。
女性天皇の立像って何だ? サンデー毎日の広告費が異様に高いが、効果があるのか? 広告会社に出した金額も必要なのか?

彼はすでに「ゴー宣道場」の門下生を辞めて、福岡で12月に「愛子さま祭り」をやると、またぶち上げていて、どこかの雑誌のインタビューに応えている。
しかもその内容は「ゴー宣道場」の主張のまんま!
なのに義理も人情もあったもんじゃない。

だがわしはかつてブログで「現状で負担した金額は、すべてわしがもつから安心してくれ。」と書いている。とことん彼の身を案じていたのだ。
男に二言はない。
この金額を全額出そう!
もう意気盛んな若者だからという理由で、完全に信用してしまうのは止める!
それがわしが得た教訓だ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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