<ざっくり言うと>
  • ネトウヨさん、社民党副党首の「日本の政治は日本国籍の人のためだけにあるのではない」という発言に大反発。「外患誘致」だの「工作員」だのわめきたてる。
  • 実際には、日本国憲法が保障する権利は、選挙権など「権利の性質上、日本国民だけが享受できるもの」を除き、「日本に在留する外国人にも及ぶ」。当然、日本の政治家には、外国人も含め、日本国憲法が権利を保障している全ての人ことを配慮して政治をすることが求められる。
  • 日本国憲法前文は「自国の事のみに専念して他国を無視してはならない」と明記しているのだから、日本の政治が日本国籍の人のためだけでなく国際社会のことも考えて行われるのは当然。
  • そもそも自国の政治が自国籍の人のためだけにあると考えること自体どうかしている。外国人を自国民のための道具程度にしか思ってないんじゃないのか?
↓日本国憲法が日本在住の外国人の権利も保障している以上、日本の政治家が外国人のことも考えて政治することは当然すぎるほど当然である
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「日本の政治は日本国籍の人のためだけにある」と考える人たち


このブログで社民党の大椿ゆう子議員を取り上げた記事に、こんなコメントが来ました。

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調べたのですが、この大椿氏は「日本国籍の人のためだけに政治があると思っているところが間違い」と発言したらしいですね。
なりすましだと信じたいですが、こんな思想の人間が私達日本人の代表だなんて恐ろしいです。

政治とは端的に言いますと「限りある資源資金を、どの人から奪い取り、どの人に分け与えるかを決める、富の分配」です。即ち、「どの人を蔑ろにして、どの人を贔屓するか決める」と言い換えられます。
大椿氏は実質「日本人以外を贔屓して、日本人を蔑ろにします」と発言しているようなものです。

私は、私達日本人の代表者には日本人のことを大事にして貰いたいと思ってますね。
例えば、私が外国の政治家に「暮らしが辛いです」と訴えても、「日本政府に頼みなさい」と追い返されます。

大椿氏は日本の政治家よりも国連総長の就任や世界政府の樹立を目指した方が合っていると思います。
ここで言っている大椿氏の発言とは、このツイートのことです。

上のコメントをした人は、大椿氏の「日本の政治は日本国籍の人のためだけにあるのではありません」という発言を「こんな思想の人間が私達日本人の代表だなんて恐ろしいです」と発言していますが、私は逆にこのコメントを読んで正気を疑いました。むしろこの発言を「恐ろしい」と思う人がいることが恐ろしい


それに、富の再配分を「『どの人を蔑ろにして、どの人を贔屓するか決める』と言い換えられます」というのもデタラメもいいところですし、どこどうやれば「日本人以外を贔屓して、日本人を蔑ろにします」という意味だなんて解釈ができるのか、全くの理解不能です。民主主義国家の政治の原則は「公平」のはずであって、「どの人を蔑ろにするか」「どの人を贔屓するか」なんて考えは民主主義国家ではなく独裁国の考え方だと思うのですが。


また、「政経ワロスまとめニュース」と言うネトウヨサイトがありますが、そこでもこんな記事が出ていました。

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これで大椿氏に対する大バッシング。「頭がおかしい」だの「外患誘致」だの「工作員」だの言いまくっています。

心底うんざりしてしまいます。この人たちは中学の公民で日本国憲法を勉強しなかったのでしょうか?


日本人なのに日本国憲法も知らないこの人たちのために解説いたしましょう。


日本国憲法は外国人の権利も保障しているのだから、日本の政治が外国人のことも考えるのは当たり前すぎるほど当たり前


日本の政治は日本国憲法に基づいて行われます。そして、日本国憲法は外国人の人権も保障しています。


衆議院のHPにも、日本国憲法が定める権利は「権利の性質上、日本国民だけが享受できるものを除き、日本に在留する外国人にも及ぶ」と明記してあります。「権利の性質上、日本国民だけが享受できるもの」とは、最も代表的なものが選挙権ですね。他方、基本的人権は外国人にも適応されます。


例えば日本国憲法第14条にはこうあります。

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

ここには「すべて国民は」となっていますが、これは外国人にも適応されます。このことは「マクリーン事件」呼ばれる事件の最高裁判決でも確認されており、例えば「ヒューマンライツ大阪」というところのHPには以下のように説明されています。

日本国憲法14条が国民の平等権を定めていても、性質上、外国人にも保障されるべき人権と考えられております。合理的な理由なしに、外国人と国民とを異なって扱うことは憲法違反となります。権利の性質は、社会の発展に応じて外国人と国民との権利保障の違いを少なくする方向にあります。かつて、社会権は国民のみに保障される権利と考えられましたが、今日の福祉国家では、外国人にも保障されつつあります。
ヒューマンライツ大阪HP

この平等権とは「誰一人として国家から差別されることなく、国家は同じように国民に対して接しなければならないという権利」ですから、国家はこの憲法が及ぶ外国人も含めたすべての人に対して、同じように接しないといけないわけです。


したがって、「日本の政治は日本国籍の人のためだけではない」というのは、日本国憲法を見れば当たり前のことです。日本の政治は日本国憲法に従うのですから、外国人も含め、日本国憲法が権利の保障が及ぶ全ての人の為に行われなければならないのは言うまでもないことです。


先ほどの衆議院のHPにも、「外国人にも、まず憲法上の権利の享受が原則的に認められて」いると明記されています。「外国人の共有する憲法上の権利は、外国人在留制度の枠内で与えられたもの」「いかなる在留資格を定めるか、その在留資格によっていかなる活動を成しえるかは国会が自由に決定できる」(つまり「留学ビザの場合は就労できない」とかそういう制限のこと)とはいえ、日本の政治が日本国籍の人のためだけでないことは明々白々です。


「日本の政治は日本国籍の人のためだけにあるのではない」というのは、憲法を勉強すれば当たり前すぎることです。だから外国人であっても国会に陳情や請願を提出することが可能です。もしも日本の政治が日本国籍の人のためだけにあるのなら、外国人の希望なんて聞く必要ないんだから、彼らに国会への陳情や請願の権利など認めていないはずです。


「日本の政治は日本国籍の人のためだけにある」とか思ってる人は、中学の公民の憲法の授業を忘れたか、もともと聞いていなかったかなんでしょうね。


というか、憲法なんて考えるまでもないですけどね。だって、道路1本作るにしたって、その道路を使うのは日本国籍の人だけでなく、外国籍の人も使うわけじゃないですか。これ考えたって、日本の政治が日本国籍の人のためだけではないのなんて当ったり前ですよね。


それに、日本って、昨年6月時点で、外国人の中長期滞在者が322万人もいるんですよ。これって日本の人口の2.5%以上で、広島(280万)や京都(260万)や宮城(230万)の人口よりも多いんですけど、これだけの人数のことを考えない政治って、どういう政治なんでしょうか?


日本国籍の人のためだけに政治をするって、
「日本人のためなら、外国人就労者はいつでも解雇していい」
とか
「日本人の医療費軽減のために、外国人の医療費を上げる」
とか、
「外国人から税金は取るけど、外国人のことは何にも考えない」
とか、そういう国でしょうか?


そんな外国人を「日本人が都合よく使える道具」程度にしか見なさない国って、もはや先進国とは言えない、いや、国と呼ぶにも値しないと思いますけどね。彼らはそんな国家に日本をしたいのでしょうか? 私はそんな地獄ゴミ国家は御免ですよ。


誰も別に「外国人の為に政治をしろ」「外国人を優先しろ」なんて言ってません。日本国憲法の権利保障が及ぶ全ての人のために政治をしろっていう当たり前すぎるほど当たり前のことを言ってるだけで、これを否定する人って何考えてるんでしょう? 理解不能です。


憲法前文ぐらい読め!


上記は日本国内にいる外国人の話ですが、日本は国際社会の一員である限り、日本政治は日本国民のことだけではなく、世界のことも考えなければならないことは誰でもわかります。しかし、最初のコメントをした人はこうも述べています。

>>大椿氏は日本の政治家よりも
>>国連総長の就任や世界政府の樹立を
>>目指した方が合っていると思います。


この人、日本国憲法前文を読んだことがないのでしょうか? 日本国憲法前文にはこうあります。

 われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。

ほら、憲法前文に「自国の事のみに専念して他国を無視してはならない」って書いてあるんですよ。日本に住む外国人のことはもちろん、世界で問題が起きていれば手を差し伸べるのも、日本の政治として当たり前。日本の政治が日本国籍の人のためだけに存在しているのではないことは言うまでもないことです。


自国の政治が自国籍の人のためだけの物でないなんて当たり前:国際協力をしてきた日本


もしも各国が自国の政治は自国民のためのみにあると思っていたら、誰が難民を助けてくれるのでしょうか?


ウクライナの人たちも、ガザの人たちも、完全に無視して放っておくのでしょうか?


飢餓で苦しむ人たちを誰が助けてくれるのでしょうか?


誰が地球温暖化の対策をしてくれるのでしょうか。


誰が発展途上国の支援をしてくれるのでしょうか。


日本は難民支援に関しては先進国最低レベルですが、ODAなどによって途上国支援はずっと続けてきましたよね。ウクライナ避難民だって受け入れています。自国の政治が自国民のためだけではなく、世界のことも考えなければならないなんてことは、ちょっと考えれば小学生だって分かることです。


それに、もしも政治が自国籍の人のためだけにあるんだったら、自国籍の人の為に、ゴミを他国の領土に捨ててくるなんてことも構わないんでしょうかね。政治は自国籍の人のためだけにあるとか思ってる人は、中国政府が中国国民の都合のためだけに日本になんらかの汚染物質を垂れ流したとしても、「自国民のためだから仕方がないよね」で認めるんですかね?


私は「日本の政治は日本国籍の人のためだけにある」なんて考える人がこの世にいることが恐ろしいです。


そのような考えの人たちは、日本にいる外国人のことを何にも考えない政治が正しいとでも思っているのでしょうか? 外国人を「日本人のための道具」程度にしか見なしていないとしか思えません。


さらに、世界の平和や安全に貢献する気もないのでしょうか? 各国が自国籍の人のためだけの政治をしていたら、また資源の奪い合いのカオスな世界に逆戻りでしょう。


大椿ゆうこ氏の「日本の政治は日本国籍の人のためだけにあるのではありません」という発言は、当たり前すぎるほど当たり前です。


これを「恐ろしい」だの「頭おかしい」だの「工作員」だの言ってる人は、学校の社会化を勉強しなおしてもらいたいです。世界各国が自国のことしか考えなかったらどうなるか、我々は第二次大戦の結果などを通して知っているはずです。


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