法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

フランスで日本を呼ぶ略称「JAP」を蔑称と批判して変えるよう要望することは正しいとして、ならば日本が中国を「シナ」と呼ぶことも批判すべきだろう

 発端は、フランス大使館アカウントに抗議してブロックされたという「shin@アメリカによる日米地位協定悪用を許さない@shin_the3rd」氏のツイート*1だった。
フランス代表Xアカウントの「JAP」をフランス大使館に抗議したらブロックされた!日本人差別! - Togetter [トゥギャッター]


拡散希望
フランス大使館公式アカウントに「フランスサッカー代表の日本人差別、JAP呼び」を抗議したらブロックされました。

#フランス大使館による日本人差別容認を許さない

#フランスサッカー代表日本人差別事件

こいつらマジで舐めてます
日本人に何しても抗議を無視すれば良いと考えてます

 これに対してフランスでは蔑称というニュアンスなく略称として定着しているという反論などもあるし、独自の表現コードをつづけたい意図などもあるのかもしれないが、やはり新しく公式につかうならさけるべきだろうし、何より特に理由がないのであれば呼称をつかう対象の要望を聞くべきだろうと考える。
 日本も同じように中国の呼称として「支那」という言葉を公的には排してきた。意識的に批判するにあたっては対象が拒否する呼称をつかうべき場合もあるだろうが、今回の「JAP」はそれにあたるまい。


 しかし「shin@アメリカによる日米地位協定悪用を許さない@shin_the3rd」氏のアカウントを見ていくと、フランスの対応が問題ないなら中国を「シナ」と呼んでも問題ないと「iWao@usawo1934」氏が引用で主張していた。


ヨーロッパでは普通に使ってるから問題ないというリプが割と多いな。つまり、中国人が差別用語だと主張する支那(シナ)と我々が呼んでも全く問題ないし、抗議されたりこちらが配慮する必要もないってことだね。だって昔からフツーに使ってんだから。

 もちろん「iWao@usawo1934」氏の主張は明らかに皮肉だろう。フランスの態度によって蔑称をむけられることになる中国には迷惑だろうが、これ単体ならば正しい指摘だとは思う。
 問題は「shin@アメリカによる日米地位協定悪用を許さない@shin_the3rd」氏の返答だ。Togetter内にもある、BBCが「私達は差別とJAPが嫌い」という画像を再掲したうえで、中国を「シナ」と呼ぶことを正当化していた。


中国をシナと呼ぶのは東シナ海などの地名からも問題ないですが、JAPは正式に蔑称です

 蔑称が古くからの名称などにのこってつかわれつづけることはあるが、その古い名称が現行であることをもって蔑称であることを否定するなら日本を「JAP」と呼ぶことも同じように認めなければなるまい。
 さすがに「shin@アメリカによる日米地位協定悪用を許さない@shin_the3rd」氏の上記の主張には賛同があつまっていないようだし、「shin@アメリカによる日米地位協定悪用を許さない@shin_the3rd」氏と独立してフランスへ蔑称の使用を抗議をすることには問題がないとは思うが。

*1:現ポスト。