中学校で習う「数学」が「算数」と違う点は、イメージしづらい概念がたくさん出てくるところです。
算数の範囲の四則演算は問題なく解けるという大人でも、数学の範囲が混ざってくるとわからなくなってしまう方もいるかもしれませんね。
さて、今回の問題は、一見、算数の知識だけで解けるように見えますが......。
あなたは正しく計算できるでしょうか?
問題
次の計算問題をしてください。
(30−90+10)÷25
解答
正解は、「−2」です。
正しく計算できでしょうか?
途中で解き方が分からなくなってしまったという人は、数学の知識、すなわち「負の数の計算ルール」が曖昧になっているのかもしれません。
次の「ポイント」でどう計算すべきだったのかについて確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、負の数の割り算です。
といっても、最初の式の段階ではまだ負の数の割り算は登場しませんので、算数の範囲の知識でも解けるように見えるかもしれません。
そこで、まずは()の中を計算していきましょう。
(30−90+10)÷25
=(−60+10)÷25
=−50÷25
30−90は引く数の方が引かれる数よりも大きいので、負の数である−60が答えになります。
この−60に+10するので、()の中の計算結果は−50になります。
ここで、−50÷25という負の数の割り算が現れました。
さて、割られる数が負の数のとき、どのように計算すればよいのでしょうか?
ここで大事なのは、割られる数だけでなく割る数の符号にも注目することです。
負の数が混じっている割り算については、次の計算ルールに従いましょう。
<負の数の計算ルール>
・同符号どうしの割り算→答えは正の数
10÷2=+5
−10÷(−5)=+2
・異符号どうしの割り算→答えは負の数
−10÷5=−2
10÷(−5)=−2
今回の問題では、割られる数は負の数で、割る数は正の数です。
これは、異符号どうしの割り算に該当するので、答えは負の数になると分かります。
−50÷25
=−2
答えが出ましたね。
まとめ
今回の問題はいかがだったでしょうか。
負の数が登場したところで計算が止まってしまったという人は、負の数の計算ルールを今一度確認してみましょう。
今回の問題で「数学」の知識を思い出せた方は、別の問題にも挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
続きは、負の数の計算に挑戦!