【赤ペン! 赤坂英一】DeNAは1998年以来25年間、12球団で最も長くリーグ優勝から遠ざかっている。首位を争う巨人、広島、阪神とは違い、選手の中に優勝経験者が一人もいない。
だからか、三浦監督は折に触れて“短期目標”を設定し、選手に伝えているという。「最終目標の優勝までの区切り、区切りで試合数を見ながら(当面の目標を)言う時がある」のだそうだ。
例えば、9連戦に入る9日の試合前、ミーティングでこう話している。
「この9連戦と球宴までの3試合の12試合で、8勝以上を目標にしよう」
この言葉に選手たちが発奮したのか、9日からの中日3連戦は3連勝。次の巨人3連戦は頭から2連敗したが、3戦目は大勝。9連戦最終カード、広島3連戦の頭も取って2連勝し、15日までに5勝と、掲げた8勝にあと3勝と迫っている。
三浦監督は昨年、交流戦終了後にも、こんな短期目標を立てていた。
「球宴までのリーグ戦21試合で13勝以上を目指して戦っていこう」
この時は8勝12敗1引き分けと目標には届かなかったものの、後半戦も粘り強い戦いを継続。最終的に何とか2年連続CS進出にこぎつけた。
一方、三浦監督は猛暑対策も抜かりなく進めている。気温や湿度が高い日は本拠地の練習時間を短縮するようになった。
「これは僕よりもチームとしてのアイデア。2か所の打撃ケージを1か所にするとか、打撃練習をグラウンドではなく室内練習場だけでやるとか。シーズンを通して選手がいいコンディションを維持できるよう、変えるべき点はどんどん変えていかないといけません。選手の意見も聞きながら(練習方法も)よりいいものへ進化させていく」
しかし、それほど手を尽くしても勝ち続けるのは容易ではない。特に三浦監督が苦慮しているのがリリーフ陣だ。巨人戦では坂本、京山、松本凌が打ち込まれ、ウェンデルケン、伊勢もいまだに離脱中。1か月ぶりに一軍に復帰した山崎が、今後も好調を維持できるかがカギになるだろう。
リーグ随一の破壊力を誇る打線も1、2番が固定できない。開幕から度会、蝦名、桑原、梶原と取っ換え引っ換えだ。
「どこの打順でも理想は固定できることですが、長いシーズン、なかなかそうはいかない。やはり状態、コンディションを見ながらになりますね」
と、三浦監督。まだまだ練習方法の工夫、選手のやりくり、短期目標の再設定が続きそうである。