同じ数を繰り返し掛け算するときは「累乗」を用いて式を表します。
便利な式の表し方である一方、正しく式の意味を理解していなければいけません。
今回はそのような問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(−1)^100
これは「(−1)を100回掛け算する」という意味ですね。
100回も掛け算するのは大変なような気がしますが、どのように考えればよいでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「1」です。
どのように考えるか順に解説をしていきます。
まず「(−1)^100」は「(−1)を100回掛け算する」ということになります。
(−1)×(−1)×(−1)×・・・(−1)
これは、負の数を含んだ掛け算なので、数と符号はそれぞれ別で考えることが可能です。
数字は、「1×1×1×・・・1」と100個の「1」を掛け算です。
1は何回掛けても1なので、この計算結果は「1」となります。
次に符号を考えます。
(+)×(+)=(+)
(+)×(−)=(−)
(−)×(+)=(−)
(−)×(−)=(+)
掛け算では、上記のような性質がありますが、さらに3個以上の数を掛け算するときは、次のようになります。
偶数個の(−)を掛け算→(+)
奇数個の(−)を掛け算→(−)
今回の問題では、100個の(−1)を掛け算しています。
したがって、計算結果は(+)になります。
以上をまとめると、「(−1)^100」の計算は
数:1×1×1×・・・1=1
符号:100個の(−1)を掛け算→(+)
よって、答えは「1(+符号を省略)」となります。
まとめ
「100乗」という計算でも、式の意味を正しく理解していると、答えをきちんと求めることが可能です。
単純な計算問題だけでなく、このような問題が解けるようになると、数学は楽しくなりますね!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
累乗の問題にもう一問挑戦!