*どう見る都知事選*ライター 和田靜香さん ひとり街宣〝私〞が政治の主人公に〈2024年7月21日号〉

 都知事選(7月7日投開票)では、駅前や人が集まる場所で、一人や少人数でプラカードを持ち、訴える「ひとり街宣」が、都内や日本各地に広がりました。集計されただけでも、その数は延べ3千人以上と言われ、都内の駅のほぼすべてで行われました。蓮舫さん応援の、ひとり街宣(写真=本人提供)に取り組んだ一人、ライターの和田靜香さんに、都知事選結果をどう見ているか聞きました。

相撲・音楽ライター。著書に『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』(左右社)など

 ―選挙結果をどう受けとめていますか。

 残念、ですね。過去の都知事選でも立候補した現職が負けたことはないとはいえ、蓮舫さんは対抗できる候補だったと思うので、すごく残念でした。もう一つはやはり、石丸伸二さんがあれだけ票を伸ばし2位に入ったことに驚きました。

 ―選挙の前後に、蓮舫さん自身や支援者に、バッシングのような報道、発信も見られます。

 蓮舫さんが、選挙戦を通じて、強くて独立した女性像を示してくれた。しかも今回、ひとり街宣に象徴されるように、「私たちには声がある」と気付いた無数の女性たちが、蓮舫さんと並んで立つダンサーのように、フォーメーション(隊列)を組んで選挙を戦いました。だからこそ、それを脅威に感じ、ここで叩き潰したい人たちもいるのだと感じます。

 ―和田さんのひとり街宣の、取り組みは?

 最初は、告示後すぐの時期です。中野区に蓮舫さんの市民選対事務所ができたので、その前で1回目をしました。声が出なくて、モゴモゴと「7月7日選挙があります」とかつぶやくだけでした。

 そうしたら、それをSNSで見た友人が、自分もやりたいと言ってくれて。友だちがいると、私、結構調子に乗るんです(笑)。最初の声が出れば、あとは平気でした。

 嬉しかったのは、私が中野通りに立っていることをSNSで知って、ウーバーイーツ(配達代行サービス)で働いている女性が、会いに来てくれたことです。「(ひとり街宣を)やってくれて、ありがとう」と話しかけてくれて。

 中野駅周辺では、他にも何人も立つ人がいて、女性が多かったですね。話しかけると、みんな自分のことを真剣に話し出す。非正規で働いていたり、職場でパワハラに遭っていたり、切実な思いを持っていて、何とかしたい、蓮舫さんに何とかしてほしいと、やむにやまれぬ思いで路上に立っているんです。

 もちろん、楽しいから立つ、でも良いんですが、やはり一人でプラカードを持って街に立つなんて、ただ楽しいだけでは、なかなかできません。

 私自身も含め、路上に立った多くの人が感じたと思いますが、ひとり街宣って、立つことで、勇気が持てて、自信になるんです。生活が苦しく弱い自分だけど、こうやって声を持っていると、力と自尊心を与えてくれる。誰かヒーローみたいな政治家が出てきて「託す」のではなく、私がやるんだ、私が声をあげていいんだ、と思える。すごい気付きですよね。

共感を生む言葉は
Read more
Remaining: 1330charactors Imagesx1
*どう見る都知事選*ライター 和田靜香さん ひとり街宣〝私〞が政治の主人公に〈2024年7月21日号〉
¥100
  • 東京民報題字jpg.jpg
    Web紙面版 定期購読(月440円で公開中のWeb紙面版と、Web東京民報の有料記事すべてを読むことができます)※30日間の無料トライアルを実施中
    ¥440 monthly
    Trial period30days
    Web紙面版は毎週1回、東京民報の紙面版の最新号と同様のもの(一部、変更あり)を公開します。 月440円の定期購読で、公開中のすべてのWeb紙面版を読むことができます。 なお、Web紙面版は公開から一定期間でホームページ上から削除します。ご注意ください。 また、Web紙面版の有料購読で、Web東京民報に掲載の、すべての有料記事も閲覧可能です(有料記事は、直近の号の一部の記事のほか、無料公開後に一定期間が経った一部の記事が対象となります)。 ※現在、30日間の無料トライアルを実施中です。

関連記事

最近の記事

  1. 「フェミブリッジ緊急企画! 女たちは黙らないよ!withR」で=7月21日、新宿区  都知事…
  2.  アメリカのバイデン大統領が21日、11月の大統領選からの撤退を表明しました▼名前の言い間違いや、…
  3.  都知事選の結果を受けて、「市民と野党の共闘」で取り組んだ政党や市民団体などが参加して教訓や課題に…
  4.  「未経験からITエンジニアに」「月給30万円」などの求人募集で採用され、数十万円ものプログラミン…
  5.  京王グループの西東京バスでの賃金格差をめぐる訴訟で最高裁が上告を不受理としたことが21日までに分…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。