本部長の小部屋
#5白鷹町白鷹は良いところです。
東に白鷹山、西に頭殿山と置賜葉山、北に五百川渓谷と、三方を要害に囲まれた戦略上の要衝のような地形に位置する町。白鷹山といえば、上杉鷹山の名の由来にもなっているとのことですが、相撲が好きな私は十両で活躍する白鷹山を思い浮かべてしまいます。町役場前には「がんばれ!白鷹山関」と書かれた大きな懸垂幕も掲示されており、町を上げて郷土力士を応援しているのだなあと嬉しくなりました。なお、先場所の北の若(酒田市出身)との山形対決では惜しくも敗れてしまいました。山形県全般を推している私としては、むむむっ、両者、頑張ってください!!
白鷹を訪れた際に私が不思議に感じてしまうのが、町の中央を貫く最上川が南から北へ流れていることです。そりゃ最上川は吾妻山を源流として酒田で日本海に注ぐのだからそうなるでしょうと言われましても、荒砥駅を終点とするフラワー長井線を見ておりますと猛烈な違和感を感じてしまうのです。フラワー長井線はいわゆる盲腸線(=終点が行き止まり)です。普通、盲腸線といえば、谷が狭くなっていく川に沿って標高を上げながら遡り、「もうこれ以上は進めません」と、やむなく歩みを止めるように終着駅に到着するはずなのです。県内で言いますと、いずれも既に廃線になっておりますが、西川町間沢と高畠町二井宿がまさにこの典型。ですが、ここ白鷹では終着駅よりさらに先へと最上川が下っていくのです。長井盆地が平坦であることもあって、このトリックを鉄分濃度の高い我が頭が理解できずにおります。
昨秋、岡の台ごんぼという当地だけで栽培されるゴボウを買いました。名前もかわいいのですが、その見た目も太短くてラブリー。でも、太いからこそ、細いゴボウでは物足りなく感じる煮物にするにはぴったりでした。県内あちこちでこういった在来の野菜を見かけますが、それらを食すことは山形で暮らすことの楽しみの一つでもあります。
自転車乗りの目線で言うと・・・山形市内から白鷹町へ車で行くなら国道348号線一択なんでしょうけれども、自転車であの道を使うのはドライバーの皆さんにご迷惑をおかけしてしまいますのでちょっと躊躇してしまいます。ということで私が白鷹に向かう際に通ったのは県道17号山形白鷹線です。右手に雪が残る朝日連峰を眺めながら豪快に駆け降りていくのはとても気持ち良いものです。人生、下り坂最高!
もうひとつ、荒砥から南下する国道287号線も楽しく走りました。といっても、国道の旧道と思しき方の道路です。現役の国道はクルマがバンバン走っており、自転車で走るにはそれなりの士気の高さが必要ですが、こういった旧道であれば昔からの街並みを眺めながらのんびりと走ることができます。南下を続けますと長井市との境にさしかかりますが、この区間では山すそを回り込むルートをとっており、建設当時、地盤の悪い湿地を避けて道を作ったんだろうなあと想像しながらペダルを漕いだ次第です。地理好きにはこういった小さな発見が楽しくて、楽しくて。もっとあっちこっちを走りたいものです。鉄道好きの目線で言うと・・・
フラワー長井線は本年4月22日に開業100周年を迎えました。昨年のザワ線100周年を逃した身としては今回ばかりは行かねばならぬと記念行事に駆け付けました。当日の荒砥駅前は大いに賑わい、山形ご当地タレントのM氏が半日駅長(??)を務めていたり、70年前に歌われたという「荒砥駅開業30周年記念歌」が披露されておりました。実はこのイベント、私は己の脚力を使い、自転車にて伺いました・・・。鉄道イベントに鉄道以外の手段で乗りつけるのはいかがなものか、というご批判は甘んじてお受けいたします。実は不肖小野慎介、この日までフラワー長井線は乗ったことがありませんでした(その他の山形県内の鉄道路線は着任前にすべて乗っておりました)。だったら初乗車をしつつイベントに行けばよかったじゃないかと思われるかもしれませんが、一生に一度しかない初乗車の機会ですので、可能であればイベント開催時ではなく普段着の姿が見たいなあと思って乗車回避を選択。
我ながらこだわりが強すぎるなと思います。その後、機会がないままでありましたが、先日、白鷹へ所用で伺うこととなり、ようやくチャンスがやってまいりました。当然のことながら私は先頭部にかぶりついて仁王立ち。前面展望を存分に堪能いたしました。蚕桑から鮎貝へ下りこむ夏草に覆われた緩やかなS字カーブ。鮎貝駅東側に広がる一面の水田(ここは冬になれば「一面の雪原」となります)。
そして荒砥駅手前の最上川橋梁。この橋梁の部材は100年前の荒砥開業にあわせて東海道線の木曽川橋梁から転用されたもので、イギリスから技術とともに輸入されたものです。単行のディーゼルカーが歩む細いレールはたよりなく、車体も縦や横にゆさゆさと揺れますが、地域の足として走り続けてきた彼がとても愛おしく感じられました。
全国各地のローカル線同様、残念ながらフラワー長井線の経営状況は芳しくないと聞いておりますが、少しでも力になれるよう定期的に通いたいと思います。夢は小野慎介プレゼンツの貸切列車の運行です。
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