本部長の小部屋
#3山形市山形は良いところです。
着任当初、市街地がなんとなく斜めになっているということに気がつきました。スマホの地図アプリで確認しますとJR山形駅の標高が134m。ここから東側に3.3km進んだ山形県庁ですと標高197mになり、その差は63m。つまり平均勾配はおよそ2%。なかなかの傾きっぷりですが、これは馬見ヶ崎川が気の遠くなるような時間をかけて作った扇状地に市街地が広がっているということ。大きな川沿いの低地に城を構えると浸水の危険がありますし、かと言って山の上ですと水を得るのに苦労します。そういった点を踏まえれば、山形城とその城下町は優れた立地なのでしょう。現在、城跡は霞城公園として整備されています。立派に復元された二ノ丸東大手門から入ると目に入るのは勇ましい最上義光公の騎馬像です。動きのあるその姿は隣県の有名武将像に負けません。なんといってもお馬さんのやる気が違います。
また、春にはお濠沿いに桜が咲き、とても絵になります。なお、山形城の遺構は霞城公園以外でも見かけることができます。特に十日町にある三の丸の土塁跡に私は惹かれました。部分的に切り取られてはいますが、当時の状況をほうふつとさせる無骨な感じがたまりません。
この傾いた市街地のため、高校生の登下校は一見の価値ありです。朝の登校時には東の方角に向かってエッチラオッチラと登る生徒さんたち。男子はダンシング(=立漕ぎ)しながら「漢」を見せてますが、女子は早々にあきらめて手で押す生徒さんも多いですね。一方、夕方の下校時にはブーストがかかり、みんな西の方角に向けてぶっ飛んで帰宅しています。駅近くの山交ビル前あたりで見ているとゴール前のスプリント勝負のような光景です。
それに加えて驚いたのは冬季です。そこそこな積雪があっても頑張って自転車で通う子たちがいること。見ていて頼もしいなあと大いに感心いたしました。思いっきりすっ転んだところにも出くわしましたが。
自転車乗りの目線で言うと・・・
盆地に位置する山形市ですので、その縁を乗り越えるには登り勾配必至です。東側であれば蔵王温泉、笹谷峠、二口峠、面白山。西側ですと県民の森に駆け上がる県道17号山形白鷹線。どれも自転車乗りにはうってつけの坂道です。うひゃひゃと思い、実際に出向いてみると・・・
蔵王温泉への道はいくつかの行き方がありますが、最初にチャレンジしたのは芸工大の脇を県道53号山形永野線で抜けて西蔵王高原ラインに入るルートです。ここは序盤の県道区間がなかなかの急勾配。それをしのいでなんとか西蔵王高原ラインに出ると自動車の通行量が多く、速度も速めなので自転車乗りはちょっとドキドキします。道路の線形も元有料道路だった名残が感じられる造りです。
次の挑戦は蔵王上野経由の県道21号蔵王公園線。これまた蔵王温泉めがけてグイグイ登っていくシビアな勾配。うーむ、眺めはいいけどぜんぜん脚が回らない。
続く三度目の正直は、成沢城跡脇を抜ける農免農道。道路地図を見たところ、蔵王温泉に向けて斜めに距離を使って高度を稼いでいく、これは勾配が緩いんじゃないかと思ったのですが・・・最初から10%、12%との道路標識が立っており、大いに萎えることとなりました。自転車で坂道を登りたいのに急勾配は登れない・・・すべては私自身の脚力の無さが原因なのです。引き続き精進いたします。他方、笹谷峠(国道286号線)や山寺から面白山を経て天童高原へ向かう道は、勾配もゆるく(=私の許容範囲)、なおかつセンターラインが無く、車であればすれ違いに気を遣うような道幅ですので、裏返して言えば自転車にはちょうど良いくらいの道で、私は特に前者がお気に入りです。
笹谷峠は峠の登り口である冬期通行止めとなるゲートまでは脚を温存しながらのんびりと向かいます。このゲートが標高610m、笹谷峠が標高906mですから、山形市の中心部から向かうとゲートまでの区間で既に三分の二は登っていることになります。しかもこの道中がなかなかの勾配。なお、私が笹谷峠に行くときは必ず関沢の集落を貫く15%近い激坂を通るマイルールを己に課しています。脚というより手でドロップハンドルを押し引きし、もがくように登ります。この儀式を済ませてゲートを通り、いざ笹谷峠の本番です。カーブミラーに1、2、3・・・と数字が記載されていますが、これはすべてのコーナーの数を表すものではありません。なんとなく数字があったり、なかったり。最後は25ですのでそれを目安に登るという手もありますが、走りながら進む方向を見ていれば、徐々に高度を上げ、空が開けてきてサミット(=頂上)が近いなと感じることができます。
道はつづら折りで勾配はそれほどでもないので(5~8%)、鳥や虫の声を聞きながら淡々とペダルを回します。新緑、紅葉どちらの時期も大変気持ち良く走ることができますので、先日はついついおかわりしてしまいました(=ゲートとサミットを2往復)。なぜに宮城県川崎町側に下りないのか?私は業務上のナワバリである山形県の外に出ることは原則できないのです。でも不便とは思っておりません。思う存分、山形県を堪能することができますから。
鉄道好きの目線で言うと・・・
今から33年前、大学に入学して二か月が過ぎたある日のこと。毎日毎日、ただ授業を受けているだけでは見聞を広められないのではないかと疑問を抱き、自主休講して向かったのが当時、ミニ新幹線(=当時はそう呼んでいた)の改軌工事真っ盛りの山形でした。まだ、「EF71、ED75やED78(=いずれも赤い機関車)」が「50系(=赤い客車)」を牽き、コンテナの並ぶ貨物ホームもあったころです。その貨物ホームは・・・今はホテルメトロポリタンになっているあたりですね。手元には夕刻に撮った写真が残っていますが、帰宅する高校生が列車に乗りこむ様子が写っています。この「見聞を広める」と称した自主休講はその後、頻繁に発動され、ついてはそのための資金稼ぎにも勤しむこととなり、あれ?大学の授業は??という状況に相成りました。もうひとつ鉄道のお話をすると・・・仙山線の高瀬駅周辺を是非ともこの目でしっかり見たいと思っておりました。ここはアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」(1991年公開)の舞台となっているところ。
早朝に紅花を摘むシーンも美しいのですが、主人公タエ子が山形へ向かうときに乗った寝台特急「あけぼの」、旧山形駅の待合室、トシオの車で高瀬に向かう途中に馬見ヶ崎川を渡るシーン、どれもリアリティを追求した描写であり、アニメなのに画期的だなあという印象を受けました。ストーリーもほろ苦く、大学生だった私はセンチメンタルな気分になったのを覚えています。
この高瀬駅、手頃なサイクリングルートとして、しばしば周辺をふらふらしているのですが、先日は面白山への行きがけに通りました。そして・・・翌日の山形新聞を見ると「おかえりタエ子さん 歌手・俳優の今井美樹さん 高楯中学校での高瀬映画上映会にサプライズで登場」とあるのに驚きました・・・えっ、今井美樹さん!?ひょっとしてニアミスしていた?ハートにキックしてくれる?♪?
・・・申し訳ありません。取り乱しました。
ちなみに「おもひでぽろぽろ」の劇場公開時のキャッチコピーは「私はワタシと旅に出る」。はい、ワタクシは今に至るまで、しっかりと実践しております。よって、今年は時期になったら早起きして是非とも紅花の収穫を見てみたいと思います。しっかりと情報収集せねば。
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