本部長の小部屋
#2大江町
大江は良いところです。
左沢の街を一望する楯山公園(日本一公園)の展望台は、山形へ客人が来るたびに案内しています。最上川の流れと季節ごとに素晴らしい景色を感じることができますので、お連れした皆がわーっと声を上げるほどの絶景です。また、この展望台周辺は左沢楯山城の跡でもあります。左沢駅に併設されている「大江町交流ステーション」に当時の状況をイメージした絵がありますが、この城を造った先人たちの労苦に感嘆するばかりです。昨夏の着任直後、山形県内に大雨特別警報が発令され、置賜地域を中心に大きな被害が発生しました。ここ大江町においても左沢地区で床上浸水の被害が生じ、心を痛めていたところ、「水郷大江夏まつり100周年記念大会」の花火大会にお誘いいただきました。このお祭りは花火大会の他にも灯ろう流しや駅前マルシェなど様々なイベントが催されましたが、もともとは、最上川の水難事故の犠牲者を供養することから始まった歴史のあるお祭りとのこと。よって、大雨の被害から日が経っていないものの、その趣旨を踏まえれば挙行すべきと町では判断をされました。県内でも最も歴史がある花火大会と言われていますので、とても見ごたえのあるものでしたが、お祭りの由来を頭に置きつつ、神妙に見物いたしました。
また別の日、「大江町中央公民館」に併設されている「大江町歴史民俗資料館」を見学し、紅花と並ぶ換金作物である青苧について新たな知識を得ることができました。換金作物を栽培する人、それを扱う問屋さん、さらに消費地へ向けて運ぶ舟運業の船乗りさん、すべてがパッケージになって山形という土地を豊かにしていたのだなと想像しています。帰り際に公民館の窓口で「ふるさと発見 大江 ~重要文化的景観 最上川舟運の歴史とロマンを訪ねて~」という書籍を購入しました。平易な文章で読みやすいのですが、大江町の歴史をしっかりと学ぶことができる良書でした。
自転車乗りの目線で言うと・・・
お隣の朝日町から県道9号長井大江線を北上して大江町に入り、そこからすぐに左手の名もなき道に入ると・・・辺りはすべて果樹畑です。緩やかな丘陵地帯ですので自転車乗りには楽ではありませんが、目に入る景色は実り豊かな大地。とても心地よい景色です。
また、街の中心部から月布川沿いに沿って西に向かう県道27号大江西川線は、「顔好」「十八才」などの不思議な地名が続きます。ものの本によれば、「十八才」は「さかり」という読みの地名に字を当てたのではないかとのこと。他県においては「十八女」を「さかり」と読む地域があるとか。捻りすぎて、難解すぎます。貫見を過ぎ、徐々に谷が狭くなってきますが、以前は崖際の細い道だったところも改良工事でバシッと新しい橋が架けられ、とても快適に走ることができます。が、本番は柳川の先、冬期通行止めとなる区間です。普通の乗用車だとすれ違うのもドキドキな狭さ。自転車だとそのあたりは神経を使うこともありませんが斜度がなかなかで、左沢の町からの登り基調の区間で調子に乗って脚を使っている状態だと・・・私は地獄に落ちてしまいました(=体力の限界により峠の途中で脚をついてしまうこと)。町境のトンネルを抜けると朝日連峰の素晴らしい姿が迎えてくれますので、今年も通行止めが解除されたら再訪してみたいと思います。本当は大頭森山の南側を抜けて古寺方面にチャレンジしたいのですが。
鉄道好きの目線で言うと・・・左沢線は私の心をくすぐります。それは行き止まりの盲腸線であるということ。もうこれ以上進めないよという終端部分に惹かれます・・・そんな左沢線は昨年4月に100周年を迎えましたので、私が8月に着任した際には「過去のイベント」であり、せっかくなら私も私的に参加してみたかったなあと思っていたところ、なんと今年は101周年イベントを実施するらしい。なぜ?なぜ??と思ったところ、左沢線で活躍する、白地に明るいブルーのラインが入ったディーゼルカーが「キハ101」であることにちなんでの開催とのことで、躊躇なく馳せ参じました。私が乗ったのはこのイベントのために運転された寒河江発の臨時列車でしたが、途中、最上川沿いではゆっくりと走る粋なサービスもあり、車内はイベントに向かう家族連れで賑わいました。この列車が到着した後、駅前広場でセレモニーがあり、来賓として出席されていた大江町出身の吉村県知事が挨拶の中で「私たちは左沢線を「ざわせん」と呼んでいたのですよ」と紹介されていましたので、私の山形データベースにその旨をしっかりとインプットした次第です。
鉄道ではもう一つ。柳川からトロッコのような軌道が敷かれていたということを最近知りました。じ後、情報収集し、分析を進めたいと思います。
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