川口市長の私設秘書から見た「川口クルド問題」 【私のこと】 簡単に自己紹介をします。私は、2023年の春から川口市長・奥ノ木信夫の私設秘書をしており、政治家でも行政職員でもありませんが、川口市の政治行政にどっぷり足を突っ込んでいる人間です。ちなみに、前職はマンガ編集者です。今は、日々川口市内を歩き回り、市民の皆さんから伺ったご意見を市長へ伝えたり、市の取り組みについてご説明して回ったりしています。政治の世界に少し詳しい方にとっては、「国会議員の地元秘書みたいな仕事をしている」と言えばイメージしやすいかもしれません。 【川口クルド問題とは】 市長の私設秘書として働き始めて約1年。市民の皆さんから伺う様々なご意見やご要望の中で、圧倒的に多い話題が「川口クルド問題」です。川口市議会の一般質問でもたびたび取り上げられてきたこの問題の概要を、まずは簡単に整理します。 川口市には「クルド人」と呼ばれるトルコ国籍の外国人が約2000~3000人(諸説あり)住んでいて、その大半は「トルコで迫害を受けている」と主張する「難民申請中の人」か、あるいは「難民申請が却下された仮放免の人」です。難民申請中は「特定活動」という在留資格が与えられるのですが、詳しくは後述しますが日本ではクルド人の難民申請がほぼ認められないため、事実上クルド人の多くが、遅かれ早かれ在留資格のない仮放免の立場になる現実があります。 「仮放免」とは、本来であれば強制送還、あるいは入管施設に収容される外国人が、人道的理由や健康上の理由などから例外的に身柄の拘束を解かれた状態のことです。仮放免者は働くことを禁じられ、健康保険にも入れないため困窮し、違法就労や医療費の未払いが横行しています。それにもかかわらず、日本へやってきて難民申請をするクルド人は後を絶たず、仮放免者による大小の事件や事故、住民とのトラブルが目立つようになりました。そんな状況の中で、クルド人に対するネガティブな市民感情も高まっています。 私も市民の方々から、「危ない運転をしている車があり、見たら中東系の人が運転していた」「中東系の少年が煙草を吸っているのを見た」「近所のコンビニ前でたむろしていて怖い」という具体的なものから、「最近、川口やばいんでしょ?」「ネットで川口市の悪評が立っている」「なんとかして」といった漠然としたものまで、とにかく「困っている」「怖い」「不安だ」というネガティブなご意見を日々お聞きしています。私自身も、危険運転をする車や、煙草を吸う不良少年を目撃したことがあります。 一方で、トラブルを起こしていない、あるいは正規の在留資格を持つクルド人までもが嫌悪の対象となり、ひいては「外国人」そのものへの風当たりが厳しくなってきているという、「差別」を指摘する声もあります。 この一連の問題の解決を目的として、川口市では昨年、法務大臣へ要望書を提出しています(これも詳細は後述します)。しかし、この要望書の内容を巡る賛否や、事実ではない情報がネット上で広く拡散されるなど、さらなる混乱も生まれています。 以上が、「川口クルド問題」のごくごくごく簡単な整理です。 繰り返しますが、私は政治家でも行政職員でもなく、ましてや中東問題の研究者でもありません。でも、市長の私設秘書という立場に責任をもって、この文章を書きます。できる限り意見の偏りや事実誤認がないように注意したうえで投稿しますが、もし間違いがあった場合には、適宜修正を入れることをお許しください。 【やるべき3つのこと】 では、この問題を解決するためにはどうしたらよいのか。私は、根本的には次の3つのことだと思っています。 「①入管法に則り、日本に在留できない人は国に帰ってもらう(国の役割)」 「②警察力を強化し、治安を乱す人は厳正に取り締まる(県の役割)」 「③法の執行が差別意識の醸成に繋がらないよう、共生社会のあり方を模索し続ける(市の役割)」 文字にしてしまえば、とてもシンプルなことなのです。でも、それなのに、なぜここまで大きな混乱が続いてしまっているのか。川口市としてやってきたことと、いったい何がハードルになっているのかを今からご説明しますが、「こういう手もあったのではないか」という建設的なご意見は、ぜひ皆さんから頂戴できますと幸いです。 まず「①入管法に則り、日本に在留できない人は国に帰ってもらう」についてです。いわゆる「強制送還」を実行して、仮放免の状態で日本に滞在する人の数自体を減らそうということです。 これは法務省の管轄であり、川口市に権限はありません。しかし、なかなか強制送還が進まない現実を前に、川口市は2023年9月1日、法務大臣のもとを訪ね「不法行為を行う外国人においては、法に基づき厳格に対処(強制送還等)していただきたい」という要望書を提出しました。この要望書にどれだけの効果があったのかは分かりませんが、当時の齋藤健法務大臣は、真摯に市長の話を聞いてくれたというのが私の印象です。 なお、なかなか仮放免者が送還されなかった原因のひとつは、「難民申請を何回でも繰り返せる」という旧入管法の仕組みにあったと聞いていますが、先日6月10日に施行された「改正入管法」では、難民申請に事実上の回数制限を設けて「3回目以降は強制送還」としています。つまり、まさに仮放免の状態で日本に滞在する人の数を減らそうという意図の改正なのです。 次に「②警察力を強化し、治安を乱す者は厳正に取り締まる」についてです。「外国人はなぜか逮捕されない」「言葉が通じないふりをして逃げ得している外国人が多い」という言説がネット上に流れていますが、埼玉県警は頑張ってくれていると私個人は思っています。しかし、現実的に言葉の壁はあるため、埼玉県警としてトルコ語の分かる職員を積極採用し始めたという話も聞いています。ただし、警察は市ではなく県の管轄であり、埼玉県警の実情は私には把握しきれていない部分も多いです。 川口市独自の取り組みとしては、いわゆる「青パト」のパトロール頻度を増やしたり、ゴミ出しルール等を書いたトルコ語のパンフレットを配布したりしています。また、警察官の増員や、市内にもうひとつ警察署を作ってくれるよう県に長年要望してきており、ついに令和8年度に新しい警察署が開署予定というところまで漕ぎつけています。 ①と②について、「と聞いている」「実情は分からない」などと歯切れの悪い書き方をしてしまいましたが、実はここが非常に難しい部分なのです。「強制送還」も「警察力の強化」も市に権限はなく、市としては国や県に「粘り強く要望する」というじれったいことを続けてきたのが現状です。「改正入管法の施行」や「市内3つ目の警察署の開署」など、市の要望が叶い始めていることに感謝をしつつも、なかなか事態を収拾できていないことに、もどかしさを感じてきたのも正直なところです。 最後に「③法の執行が差別意識の醸成に繋がらないよう、共生社会のあり方を模索し続ける」についてです。当たり前のことですが、難民認定されなかった外国人を強制送還するのも、道路交通法を犯した外国人を逮捕するのも、不法就労を摘発するのも、外国人が憎いからではありません。特定の民族そのものを揶揄したり、ひとくくりに批判したりするような差別的な言葉を、川口市は決して使いません。 ただ難しいのは、子供たちを取り巻く環境、特に学校現場においてです。これは川口市に限った話ではないのですが、仮放免の外国人であっても教育を望む子供たちは小・中学校への入学が許可されます。川口市には、外国人の子供たちが日本語を短期間で習得するための集中プログラムや、日本語指導教室などがあり、クルド人の子供たちの中にも、そこで日本語を勉強している子がいます。ですが、子供たちはいつ強制送還されるか分からない不安定な状況に置かれており、いじめや非行の問題も起きています。また現場の先生たちも、葛藤し疲弊しています。 法を厳格に執行することと、差別のない共生社会の実現を目指すこと。このふたつを同時に進めていくことの難しさに、地方自治体は直面しています。 【“異例の要望”炎上の舞台裏】 ここで、上述の、川口市が法務大臣へ提出した要望書の内容を詳しく説明します。この要望書の内容について賛否があることは承知していますし、ネット上で炎上を続けていることも分かっています。報道では「異例の要望」などと言われることもあるのですが、そもそも市の意図通りに報道されていないと私は感じており、ここできちんと皆さんに真意を伝えたいと思っています。要望は全部で3つあり、全文掲載すると長いので、重要なポイントを抜粋して書きます。 1「不法行為を行う外国人においては、法に基づき厳格に対処(強制送還等)していただきたい」 2「仮放免者が、市中において最低限の生活維持ができるよう『監理措置』制度と同様に、就労を可能とする制度を構築していただきたい」 3「生活維持が困難な仮放免者、および監理措置に付される者について、『入国管理』制度の一環として、健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任において適否を判断していただきたい」 市の意図を理解していただくために、それぞれに簡単な解説を加えます。 まずは「1」について。これは、上述の「やるべき3つのこと」の①と②をカバーする要望であり、多くの川口市民の不安を取り除くために必要な要望です。一番大事なことなので、一番最初に書かれています。 次に「2」と「3」について。これは少々トリッキーな要望で、「異例の要望」などと言われる理由はここにあります。しかし、これは地方自治体としては苦渋の要望なのです。 皆さん、想像してみてください。仮放免者は、就労できず、健康保険にも入れません。でも、国による仮放免者の強制送還は遅々として進まず、仮放免者は現実として街に多数居住しています。仮放免者が働けず収入を得られないのであれば、不法就労に手を染めるか、暴徒化するか、あるいはいつか街のどこかで行き倒れます。また、産気づいた仮放免者が病院にかかれないのであれば、死産になるかもしれません。川口市として、そんな状態を許容することはできないのです。それこそ、ネットで度々言われている「ゴッサムシティ化」してしまいます。 ネット上には「そんなことより強制送還しろ」「そんなことより犯罪者を取り締まれ」という意見が溢れています。しかし、上述の通り、「強制送還」も「犯罪者の取り締まり」も、市には権限がないのです。国が強制送還をなかなか進められず、「仮放免」という曖昧な制度を続けるのであれば、地方自治体としては「2」と「3」を国に要望するほかなかったのです。 しかし、この市の意図は正しく報道されませんでした。「1」「2」「3」がセットの要望なのにも関わらず、保守的論調の媒体は「1」が目立つように報じ、リベラルな論調の媒体は「2」と「3」が目立つように報じました。 そして、「2」と「3」が「異例の要望」として拡散されると、「川口市は積極的に不法滞在者を支援している」という意見がネット上に溢れ、大炎上してしまいました。ちなみに、「2」と「3」については、一部の市議会議員さんからも事前に様々なご意見があり、炎上リスクは市長も分かっていたはずです。でも私は、川口で起こりうる未来を現実的に想像し、この苦渋の要望をした市長の気持ちがよく分かります。 ですが、今思えば、非公開で行った昨年の法務大臣への要望は、本当はマスコミにオープンにして、市の意図をその場で詳しく説明すべきだったと思います。 【川口市の治安は悪化しているのか】 一時期、主にネット上において「クルド人が増えてから川口に犯罪が増えた」という主張と、「別に犯罪は増えていない」という主張が、対立しているのをよく見かけました。「川口市はゴッサムシティのようになっている」などという投稿も見たことがあります。実際のところはどうかというと、もちろんゴッサムシティのような荒廃した街になっているはずがありません。でも、一部のクルド人による事件に巻き込まれた被害者が市内に存在することも、体感として治安悪化を感じている市民が増えていることも、紛れもない事実です。特に、全国的に大きく報道された「市内の病院前に約100人のクルド人が集まり刃傷沙汰を起こし、機動隊が出動し、複数の逮捕者を出した事件」以降、市民の不安はピークに達しています。 そもそも川口市は、もともと治安が良くはないまちでした。特に西川口駅周辺は、かつて風俗店が立ち並ぶ繁華街で、言うなれば小さな歌舞伎町のような雰囲気がありました。ですが、違法風俗店の摘発など治安強化に力を入れ、「治安の悪いまち」という悪評を返上するために努力してきた歴史があります。 事実、報道等でもよく使われる「犯罪認知件数」というデータを見てみると、平成16年の1万6314件をピークに、令和4年は3815件と、約20年間で4分の1以下にまで犯罪認知件数を減らしてきたのが分かります。 では、直近の令和5年はどうだったのか。実は、4437件で、令和4年に比べて約1.16倍に増加してしまいました。この中にはもちろん、上述の「病院前に100人集まった事件」も含まれているわけで、「クルド人が増えてから川口に犯罪が増えた」という主張は、一定正しいようにも思えます。 しかし注意しないといけないのは、実は、埼玉県内のほとんどの自治体で、令和4年に対して令和5年の犯罪認知件数は増えており、その大きな要因は「コロナ禍が明けたから」だと言われています。たとえばお隣のさいたま市では、令和4年から令和5年にかけて約1.22倍に犯罪認知件数が増えており、川口市よりも高い増加率になっています。ですから、この犯罪認知件数のデータひとつをもって、「クルド人が増えてから川口に犯罪が増えた」と言い切ってよいのかというと、それは難しいように思います。 ただし、「埼玉県内の来日外国人犯罪数の3分の1が川口市」というデータもあり、川口市が潜在的に外国人犯罪の多い街であることは間違いありません。 そして、「犯罪」とまでは言えなくても、一部のクルド人による「たむろ」「しつこいナンパ」「騒音」「ゴミ出しトラブル」などに対する苦情は頻発しており、「データに現れにくい治安悪化」こそが深刻なのだと、私は感じています。 【ヘイトデモと市民感情】 「ヘイト」に関する問題も起きています。外国人排斥を訴える過激な投稿がネット上で増えた頃から、川口市内や蕨市内で「移民反対」などを訴えるデモ行動も起きはじめました。外国人をひとくくりに批判するような主張に対して「ヘイトデモ」「排斥デモ」と報道されることも多く、いわゆる「カウンターデモ」も起きるなど、混乱を生んでいます。私はデモ参加者と直接話をしたことがないので詳しくは分かりませんが、デモ参加者の多くは川口市外から集まっていると言われています。 そして、この件についても誤解を解いておきたいことがあります。2024年6月8日に放送されたTBS「報道特集」において、「ヘイトデモ」に関する会話の流れで、市長が「川口の誰々がやっているという話は聞いたことが一回もない」と発言しました。これは言わずもがな、ヘイトデモについての感想です。しかしこの発言が、「『川口市民からのクルド人への苦情は一件もない』と市長が言った」と事実を捻じ曲げられ、ネット上で拡散されています。これは、はっきりと否定しますが、悪意のあるデマです。当たり前ですが、市民の訴えが届いているからこそ、法務大臣へ「法に基づく厳格な対処」を要望したのです。 移民反対を訴える過激な「ヘイトデモ」と、実生活の中で不安や恐怖を感じている市民感情とは、似て非なるものです。私は、前者は軽蔑しますが、後者には全力で寄り添います。 【ネット上に溢れるデマ】 この流れで、ネット上で言われ放題になっている市長に関するその他のデマについても、はっきりと否定しておきたいと思います。 「市長がクルド人を積極的に呼び込んでいる」「クルド人から金を貰っているに違いない」は、もちろん嘘です。奥ノ木は、県議会議員時代から「弱いところに光を当てる」というキャッチコピーを使い続ける人情派の政治家ですから、外国人への差別発言は絶対にしません。ですが同時に、川口生まれ川口育ちの川口を愛するオヤジとして、川口の治安悪化を食い止めようと必死になっています。 ついでに言えば、「奥ノ木は中国共産党から金を貰っている」という類の言説もデマです。奥ノ木が以前「30回以上は中国に行っている」とインタビューで答えたことに由来するデマですが、奥ノ木はただの「中国歴史オタク」です。ちなみに私も、三国志が大好きです。 【クルド人は難民なのか】 「国際問題は川口市の問題に直接関係がないから語るべきではない」というご意見もあるのですが、私自身は避けて通れない部分だろうと思っているので、最後に触れておきます。皆さんお一人お一人が、それぞれに感想を持ってもらえたらと思います。 市民の方からよく「クルド人は『観光目的』と嘘をついて日本へ入国しているんでしょ?」「どうしてそんな人達を擁護する意見があるの?」と聞かれます。そういう時、私は以下のように答えています。 そもそも、「クルド」という国はありません。詳しくは調べてもらえればと思いますが、彼らは歴史に翻弄されてきた民族であり、彼らの民族としての長年の悲願が「自分たちの国を持つこと」なのです。ですからクルド人は長年トルコ国内において「独立運動」を続けており、時に武装闘争にまで発展してトルコ政府と対立してきた背景があります。 川口市に住むクルド人の多くはトルコ国籍であり、彼らは「トルコ国内で迫害を受けている」「トルコから難民として逃げてきた」と主張しています。具体的に言えば、「合法的に独立運動に参加していたのに過激な武装派テロリストの仲間とみなされて逮捕された」とか「母語であるクルド語を禁じられるなど、強制的にトルコ人との同化政策を受けている」といった具合です。 日本人にとっては「独立運動」なんてずいぶん物騒な話に聞こえますが、たとえばウクライナが旧ソ連から独立したのもつい30年ほど前のことですし、クルド人がいまだに独立を夢見ていること自体は不思議なことではありません。そして、そんな彼らの「迫害されている」という主張が真実なのであれば、彼らは確かに難民の定義に当てはまるわけで、トルコ政府を恐れて出入国時に「観光目的」と嘘をつくのもありえる話です。しかし、日本において難民として認定されたクルド人はこれまでたった1人だけで、ほぼ全てのクルド人が在留資格を与えられずに強制送還や収容、あるいは仮放免の身分に置かれてきた現状があります。 ちなみに、クルド人は欧米諸国においてはこれまで数万人が難民として認められており、日本だけがかたくなに難民認定を拒む理由として「日本はトルコと友好関係にあり、トルコ国内で迫害が起きていると認めるわけにいかない政治的な理由があるからだ」と指摘する専門家もいます。 一方、「トルコ国内でクルド人への迫害があったのは過去の話」「彼らはただ経済的に困窮して、仕事を求めて日本に出稼ぎに来ているだけであり、難民というのは嘘だ」という意見もあります。事実、私が話を聞いた川口市内のクルド人の中にも、「日本に来るクルド人には、本当に迫害を受けてきた難民と、単に仕事を求めてきた者と、両方がいると思う」という趣旨のことを話してくれた人もいました。 クルド人は難民なのか否か、両者の意見を簡単に書きました。私は、答えを知りません。 【最後に】 この1年、川口クルド問題について市民の方からご意見をいただくことが多いと冒頭に書きました。たとえば最近だと、市内の公共トイレがクルド人の少年に壊されるという事件があったのですが、それを最初に発見したのは、いつもそこをボランティアで掃除してくれていた、地域の町会長さんだったそうです。壊れたトイレを見た時、どんな気持ちだったでしょうか。考えると、胸が痛みます。この手の話は、沢山あります。 また同時に私は、この1年間で20~30人のクルド人とも言葉を交わしました。彼らを理解したくて、一緒に食事をしたことも、日本語を教えるボランティアに参加させて頂いたことも、クルド音楽のコンサートを聞きに行ったこともあります。彼らは家族と音楽を愛する民族で、クルド料理はとても美味しいです。 実は、市民レベルでのクルド人と日本人の交流は市内のあちこちで起きています。街を歩けば、一緒に遊ぶ日本人とクルド人の小学生を見ることもあります。私は、そういう光景を見るたびに、いたたまれない気持ちになります。ある日突然、クルド人の友達が学校からいなくなった時、友達が本当は日本にいちゃいけない人だったんだと知らされた時、子どもたちはどう思うのだろうと想像すると、哀しくて仕方がありません。 クルド人の少年少女に、一所懸命日本語を教えている小学校の先生たちも頑張っています。彼らに日本語や日本の文化を教えることで、非行に走らせまいと必死なんです。 クルド人を支援する団体の方々も同じです。日常生活の様々なサポートを通して、最前線の現場でクルド人と向き合っています。この春は、いったい何人の日本語が書けないお母さんのために、文房具や雑巾に子供の名前を書いてあげたでしょうか。 そういう、現場で汗をかいている様々な市中の人たちのことを思うと、政治の責任を感じざるを得ません。私は自民党員です。政治家でも行政職員でもありませんが、国政与党の党員のひとりとして、改正入管法を見守る責任が私にもあります。そしてもちろん川口市長の私設秘書として、川口市の治安維持にも大いに責任があります。 この国が、川口市が、どうしたらもっと良くなるのか、ぜひ皆さんの建設的な意見を聞かせてください。真摯に受け止めて、必ず糧にします。