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加振酒って???

オンキヨー開発部の河村です。
 
今回も当社の新しい事業を紹介いたします。

さて、突然ですが、みなさんはお酒を飲みますでしょうか。ビール、日本酒、焼酎、ワインなどたくさんの種類のお酒があります。私もお酒大好きです。当社が、そのお酒にかかわる事業に取り組んでいます。その事業について今回はご紹介します。
 

加振酒


お酒と音楽を生業にしていた当社、どういうつながりがあるのでしょうか、ピンとこない方が大半ですよね。きっかけは旭酒造株式会社が醸造されている日本酒「獺祭」から始まります。「獺祭」の名前は、日本酒が好きな方は間違いなく知っている、日本酒はよく知らなくても獺祭の名前は知っている人が多い、有名な日本酒です。
その「獺祭」を醸造している旭酒造(株)さんが交響曲が作成し、日本センチュリー交響楽団(大阪府豊中市)が演奏する、というプロジェクトがありました。その演奏された交響曲を、「獺祭」を醸造する際に音楽を聴かせよう、ということで、当社の開発エンジニアが参画し、スピーカーではなく、当時、開発していた加振器、と呼ぶ音楽を振動で伝える機器を酒蔵のタンクに取り付けました。
 

閑話休題。さて、ちょっと聞きなれない言葉が出てきたかと思います。「加振器」。さて、これはいったい何でしょう?少し説明します。
 
スピーカーはご存じの方は多いと思いますが、スピーカーというのはコーン紙などの振動板を震わせて、それが空気を振動させることで音を出しています。世の中のほとんどの音が出るスピーカーはこの構造です。加振器、というのはこの振動板がない、スピーカーと思ってもらったら分かりやすいです。そのままだと音は出ませんが、壁やテーブルなど振動するところにつけると、壁やテーブルが振動板となって振動が伝わり、音が出ます。
 

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スピーカーと加振器の違い

 
こうやって説明したら音が出るのは当たり前、と思われると思いますが、実際にデモをすると皆さんびっくりされます。百聞は一見に如かず、ですね。
 
さて、この加振器を設置して、発酵中の獺祭に作曲された交響曲を聞かせて出来上がったお酒が、「交響曲 獺祭 ~磨~」です。

これ、とっても非常に美味しく仕上がりました。

 
この時の体験から、音楽を振動として発酵時に伝える、という新しい製法が日本酒の味わい変化に有効なのでは、と考え、旭酒造さん以外の会社にもお声がけしたところ、いくつかの酒蔵様で興味を持ってもらえました。というのも、昔から発酵時にスピーカーでクラシック音楽をかけて醸造している、という酒蔵さんがいくつかあったのです。その酒蔵さんに、もっと音楽が伝わりやすい、加振器による振動で、というのは非常に好意的に受け止めていただけました。
当社のエンジニアが酒蔵さんに行って、最も効果的な音の伝わる場所に加振器を設置して、醸造してもらったところ、酒蔵さんから、確かに味が違う、とおっしゃっていただきました。おかげさまで、その味の変化から、常時加振器を設置いただいている酒蔵さんが増えてきました。ありがたいことです。
当社ではこれを「加振酒」と呼んで、認知度向上に努めています。
 
ところで、ここまでもっともらしく書いてきましたが、皆さんの中でこう感じることがほとんどかと思います。
「ホンマかい!」
「そんなんで変わるわけないやろ」
はい、そう感じるのが当たり前かと思います(なんで突っ込みが関西弁。。。)。お米も一緒、作り方も一緒、ただ音楽を振動で与えるだけで味が変わる、ってのは不思議ですね。
 
当社も最初は不思議だったのですが、確かに味が変わるのです。試飲するのですが、どのお酒でも味が変わっています。味だけでなく、実際の醸造時のアミノ酸や糖度、アルコール度数も加振した場合としていない場合でも違っていました。日本酒だけでなくワインでも変わります。

この疑問を科学的に解決するために、当社だけの力では難しいと考え、共同研究をお願いしたのが、東京農業大学です。東京農業大学は酵母研究では国内トップクラスの大学。聞いたところでは、日本の酒蔵さんは同大学の出身がめちゃくちゃ多いとか。その知見を頼って共同研究の打診を行い、醸造微生物学分野 微生物工学研究室で振動の酵母への影響を2020年7月より研究しています。少しずつですが、影響することが分かってきています。これからの研究成果が楽しみです。

 
日本酒から始まったこの加振醸造、今、幅を広げて、ワイン、焼酎、そして発酵食品への加振を進めています。ワインについては、北海道の奥尻島にある奥尻ワイナリーさんや山梨のシャトージュンさんと一緒に行っており、すでに販売も行っています。ほかの発酵食品も現在進めていますので、近い将来皆さんに紹介できることを楽しみにしています。
現在のラインナップはこちらをご覧ください

もし、お酒や発酵食品でこの加振による熟成に興味を持った酒蔵さん、ワイナリーさん、発酵食品を作っておられる方々、ぜひ連絡をお願いします。味わいが変わる新しい製法としてご検討ください。

 さて、この加振したお酒などがどこで購入できるのか、ですが、申し訳ありませんが、まだそこまで流通は進んでいません。
下記商品は一般販売を開始いただいているので見かけられた方、ぜひお買い求めください。

当社のECサイトでも販売中です。

 
また、ときどき百貨店の催事などで当社の名前で出店していますので、皆様のお目に触れることがあるかもしれません。無料試飲などもやっていますので、見つけたら試飲だけでも寄ってください。接客やレジが不慣れかもしれませんが、それは当社の社員が慣れないことをやっているためです。なまあたたかく見守ってください。
 
早速ですが、7/25(火)から大阪の天満橋にある京阪シティモールにおいて、音楽加振した日本酒の販売を行います。
7/25(火)は大阪の方はよくご存じの天神祭り当日ですが、その当日に8Fで試飲および販売を実施、その翌日7/26(水)~7/30(日)は地下1Fのスペースで販売いたします。
詳しい出店時間などのスケジュールや出品するお酒のラインナップについてはこちらをご覧ください。


 

今回ご紹介した加振酒を含む当社の取り組みについて、TV大阪の「やさしいニュース」という番組で取り上げていただきました。
実際の加振器や酒蔵での加振の様子も取材いただいていますので、ぜひご覧いただければうれしいです。(動く私も出ています)


今回はここまで。加振については、まだまだ面白いネタがありますので、機会を作っていろいろと紹介いたします。
 


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Onkyo ブランドのオーディオ技術を支えてきた研究開発部門とマーケティング部門を新設分割し、オーディオ技術、ノウハウを新分野に展開しようと設立した会社です。「楽しむ音」から「役立つ音」へとのスローガンのもと、長年培った「音」の技術を新たな分野へ昇華させる取り組みを行っています。
加振酒って???|オンキヨー株式会社 開発部
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