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男が百合を理解出来る訳無いだろう、女を理解出来ないのだから。じゃあ男の書く百合ってなんだよ、読むのも男だし。百合は女とは関係ないのでは?ボブは訝しんだ。ボブ、お前は男じゃねえ、と誰かが宣った。まあレズはともかく百合では女性性は否定されがちだよな、百合は結局異性愛の下での女性性たる男性愛を否定するもので極めて男性的といえるよな。しかし男性は男で女は女性なんだから女性性は女性では?ボブは訝しんだ。ボブ、お前は日本人じゃねえ、と誰かが宣った。山々は複数形で奇々怪々が強調なんだから女女性性から女をとっても女女性性では?ボブは訝しんだ。ふさふさの禿頭を搔き搔き応えてやるがわんわんは複数形か、と誰かが宣った。だがしかしなくもないのが二重否定ならだがしかしは二重逆説なんだから順接では?ボブは訝しんだ。正しくはだがしかしてでしかしては順接だから一重に逆説でしょう、と誰かが宣った。そもそも接続詞重ねて良かったっけ?ボブは訝しんだ。ggrksjk、と誰かが宣った。そんなボブを死んだ明くる日一時間じっくり焼いたものがこちら!お骨にこれからでなくなります。焼かれた米国人は復活せずゾンビにならない。ボブは髪型なのに焼かれちゃ同定できないんだが?持ち帰った元ボブを仏壇に、マッキーを懐に仕舞う。神棚に無位無官故ニートと記した儒教由来の位牌を据える。皆幸福の襲来を望むが来襲するは不幸ばかり。青いのは背景だからと呟かれたと思った。夢に醒めてボブと話す。繰り返す日は常に醜い、醜くない?ボブは訝しんだ。でも私は元ボブで今やあなたがボブと彼女は宣った。まだボブな彼女が何故それを知るか?ボブは訝しんだ。一人称が名前ってそれ三人称じゃんとボブは宣った。あれ私さっきなんて言った?彼女は訝しんだ。ここはどこ?ミリ波だっけとマイクロ波を呟く。合わせずに届かないから祈る。†漆黒†のハンドルはルビ振ってクレメンス。係数が何の比か知らないが社会に適応せずに殺しそう(笑。しかしキモオタブサ男って百合好きだよなあ、電車でも撮ってりゃいいのに。線路に立ち入って轢かれてくれたら最高。なんでこんなの書いてんだよ書かれる方は堪ったもんじゃないわ、無から仏壇生えてくるし髪型変えられるし。現実なんて虚構には関係ないけどこれで悼まれるとかマジで同情しかないね、まあ成人死産食らう方が……。それに名が体を表す事が無かったなんて、可哀相なボブ!私は何故百合を理解し百合作品を仕上げねばならないのか思い出せないがこの状況は百合作品的だと思った。恐らく私は女性であり、女性に性的な対象とされ、性的指向を理由に相手を拒絶し、激昂した相手に百合作品を仕上げるまで出られない部屋に幽閉されたのだろう。そうなれば話は簡単で、私の現状を記述すればそれはそのまま百合作品に成る筈だ。太陽の下新しいものは何一つ無く、私の世界に百合は有った例が無く、今後も無い。百合のみを知る者には全ての女性関係が百合に見える等と言うのは負け惜しみだろうか。外部性も概念の獲得も、抽象的な、神秘的な形でしか有り得ない。百合を知るとは百合を行うことであり、私が記す主人公が百合を知るとは密室からの解放と同義で、おそらく拒絶された女性が部屋の扉を開くという形でしか有り得ない。部屋は壁で出来ている。壁は区切るためにある。私は彼女から逃げ、部屋に閉じこもった。部屋から出られないのは私が部屋に閉じこもろうとするからで、百合が解らないのは私が百合から逃げたからだ。私は私を、彼女を、百合を知らねばならない。先ずは百合作品を語ることからかな。扉の向こうの気配に語り掛ける。返事がある。百合創作を甞めたつもりはないけど、むしろこれから齧るところだけど。ふと疑問に思う。あなたの名前も百合だったっけ。百合 と和解せよしかし獲得の過程は存在せず、そこには断絶があり、理解とは命懸けの跳躍に過ぎない。そして理由が不明な義務は果たされ、困難が解消した以上このドラマはここで終わる。表現されたものだけが存在する、それだけでなく、表現されないものだけが存在しない。理解とは聞き 話す ことに他ならない。私が話し 聞く ここに他者はなく、よって私もまた存在しない。私とは世界であり、私は私の世界を定めるものであり、私は私の言語であり、よって私の世界に私はなく、私の言語に私は無い。これは私的言語であり、外部が存在しない以上内部もまた存在しない。で は な く 一杯の珈琲だ。私が幸福になることは私の人生の目的ではなく、私の人生の目的もまた私の人生の目的ではなく、ただ私が幸福を覚えるような具体的諸対象のみが私の人生の目的であり、つまり私は私が将来食べ飲み読み見る物の為に今生きている。つまり以上の思考は私にとって、つ ま り 端 的 に 、意味が無い。ここに一人の私が無い。ここに一片の文章が在る。噓です。貴方はこの文章を読んでいる。噓 で す 。私 はこの文章を読んでいる。……噓です。何となれば任意の対象について任意の命題は、その対象が存在しなければ正しい。噓でしょう?繋がらない電話に語る。噓でしょう。掛けもせず電話に語る。噓でした。居ない相手に掛ける。噓。これは噓だ。……。死んだ知合い等居ない。抑知己が居ない。来世の御活躍を心より御祈り申し上げます。前世の御活躍は寡聞にして存じ上げません。今世は御縁が無かったということで御容赦下さい。葬式が生者の為なればこそ死者も報われよう等と欺瞞も甚だしく、平日に会社を休んで一杯引掛けたいというだけで同僚に押付ける仕事も無い。二通りに読める。親類縁者なれど忌引や認むる。クリプキ曰く仮定条件は可能世界の対象を指示し他動詞は現前しない対象を目的語に取り得る。内容が無いよう……。書きたくないのに書き読みたくないのに読むのが人さ。そうか?そうか。私な百合は立て籠る女で、彼女な百合は問いだった。私は答えなかった為に彼女に閉じ込められた。応えることは閉じ込められる事とは違うのかも知れずそれだけが脱出の標だった。これが摘要です。そして携帯でそれ宛の電子メールを送るのが次の話の摘要です。将来において可能的に実現された理想を実現せん。
関係を再生産
百合が解らなかった。考えるな、感じろと言われても、感じるには百合作品に触れる必要があるがどれが百合作品なのかの定義が与えられない以上――共約不可能な他者を志向し続けること、開かれた無限へと問い続けること、語り得ぬものを語ろうとするルールの保証されないゲームに参加し続けることこそがオタ活だった。する女性間関
係の謂が百合
1+面を革む
男子は性転す
昔男在りけり
男の友なりけるを
年を経て物せりけるを
辛うして弔ひて
いと暗きに来にけり
何が君子だよ
少年――
2−癌に効かない百合
Il y a le lys.
私は何故百合を理解し
百合作品を仕上げねば
ならないのか思い出せないが
この状況は百合作品に
生かせるかもしれない
書けば出る
しかし記述するほどの現状がない。神様転生部屋に放置されて困る。よくよく考えれば、記述の方法が与えられない以上課題は達成され得ない。それ以前に、私が女性である事を示す描写が不可能であり、このままでは私は理由もなく自身が女性だと思い込む狂人になってしまう。どうにか何もない空間で私が女性である事を証明しなければならない。よって私は作者である
この部屋には何も無い。特に、この部屋には誰も居ない。私とはこの部屋に存在する人間だ。よってある人が私であればその人は女性だ。同様にしてこの部屋の中では百合的状況が進行していることが示された。そしてこれが示されるべきものであった。よって私はこの部屋から解放される。……部屋から出られない。存在しない以上私はすでに解放されているのだからこれ以上解放されることは不可能だった。部屋も過去も無い
抑百合とは言葉だか言葉として学習される前の現象が在る筈だ。私が百合を知らなくても現前に百合が存在し、私がそれを記述する言葉を持たないだけだ。つまりこの部屋には百合が在り、ただそれが私の目に映っていないだけなのだ。しかし、百合という言葉のない世界で世界に百合は存在するとは言い得ない。太初に百合在りき
如何にして?
如何して?
Lys, qu’est-ce qu’il y a ?
2+穴 を掘る
百合は存在しない。正確には、百合は二重の意味で存在しない。一つには、百合が名前に過ぎないから。二つには、私が百合を知らないから。しかし私もまた存在しないのに、百合が存在しないとしてそのことにどのような意味がありうるのだろう私は何を見出すか。前提として、私にとって私は存在しない。しかし、私にとって私が存在しないとは存在しない私にとってどのような意味を持つのか。訂正。私にとっての意味は私の対象ではない。つまり私にとっての意味は私にとって意味を持たない。意味だけが対象だ。私が朝一杯の珈琲を飲み幸福を覚えたとしてそこで私にとって重要なのは私の覚えた幸福掘る穴を掘った穴で埋める
墓が埋まる
1−交代形式
自己認識がボッチである以上存在し得ない友人に電話するがしかし電話が連絡の手段である以上電話の所持は連作先の存在を保証するだろう――性転換報告を受けたが正直嫌いだし忙しい――私の虚言にはまったく興味なさそうに何の用かと聞いてきた友人になんだってお前も性転換したのかこれで実質百合だなやったぜと宣ったところホモの間違いではと――言ってしまってからやばい戦争の火種ではと思ったが知人も同意して――まあ百合もホモだしだから現状は実質百合だという共通理解が建てられたわけで百合である現状を語彙機能文法の情報構造でいうところの話題に会話が進むと思われるわけだがさて焦点たる友人が知らない私が知っていることとは――頭のおかしな知人は無視するに限るが仕事をする気分でなくなったし悪態で気力を回復せしめよう――この会話を分つ事で繋ぐ電話というツールが他者を不可視化することで他者との相互理解不可能性を可視化しているなんて小難しい言い方しなくてもあさおん電話報告の信頼性は零――実際には着信時の発信者表示が簡易的な個人認証プロトコルとして機能していて信じがたい報告については手間がかかっても信頼できる証明の提示を求める訳だが情報によって手続きが変わるなんてインターネットならありえないと言われてもそもそも信頼できる通信が確立されるより先に情報を送ってしまうこと自体がセキュリティ的にナンセンス――知られても問題ない情報を送る場合に相手に自身を信頼させる手法だから暗号化ではなく署名の問題――プログラミング百合作品って意外に豊富だよね等と突然話を変えるのはやめてほしいがコンピュータ業界は全世界的に表紙がメイドロボ――百合を理解するために百合を体験しようとした等と白状しようものなら――お薦めの百合作品も何も恋愛要素のある作品は普段避けているお前がそう思うんなら
そうなんだろう
「
」
――口振から恋愛要素の無い百合作品を知らない事が窺われた。0−百合はホモ
花の名前としてでない『百合』とは一つの女性間関係を指すのか、そのような女性間関係の集合を指すのか、あるいは女性間関係の持ち得る性質・属性なのか、それともある性質を持った関係に対する形容なのか。女性間関係とは一対一関係なのか多対多関係なのか、関係を持つ女性の集団を指すのか。正しくは百合なのか百合関係なのか百合的関係なのか百合性の関係なのか百合の関係なのかあるいは百合な関係なのか。以下女性とは作中で女性と明言されるまたは女性と示唆され女性でないと示唆されず女性でないと明言されない人名・代名詞の出現とする。例えば、女性服を着用している描写が存在し女性でないと明言されたならば女性ではなく、女性服を着用している描写が存在し女性でないと明言されなければ女性であり、非女性服を着用している描写が存在し女性と明言されたならば女性である。ここで明言とは客観描写即ち第三人称視点地の文非感情描写における宣言である。例えば、「百合は女性だったのか、と百合は思った。」や『「百合は女ではない」と百合は言った。』は明言とは認められない。人名の構造も性別の示唆に含む。女性名は女性を示唆し、非女性名は非女性を示唆する。La terza persona視点地の文非感情描写における有性代名詞の使用は性別の明言と認められる。漫画やアニメなどの映像表現は基本的に客観と見做せるが、主観映像の物も稀にだが存在する。作中における全ての名前の出現とその性別は既知とする。代名詞と指示語と省略された語は適宜解決乃至挿入されるものとする。百合世界を女性をノードとし好感度で重み付けられた有向単純グラフとする。自己愛・自己嫌悪は(挿入され得る)目的語によりループを成さない。同じく多重辺は排除される。ある点までの女性についての部分グラフを同一の名前について単純グラフとして最大限縮約したものをその点の作品世界の表現とする。