大竹しのぶおおたけしのぶ
女優
連続テレビ小説 オードリー(2000)
吉岡滝乃役
インタビュー
25年ぶりの連続テレビ小説でした。ヒロインを演じたときは東京のスタジオで撮影していたので、大阪制作の『オードリー』は、同じ朝ドラといってもまったく初めてという気持ちが強かったです。
私が演じたのはヒロイン・美月の養母、吉岡滝乃役。100年の伝統を持つ旅館・椿屋の一人娘で若くして女主人になるという役どころでした。ですから、キレイな着物がたくさん着られて、普段は経験でしないお茶を習ったりもしました。そういう意味では楽しい役でした。
大石静さんの描かれた滝乃像は個性的な人物。幼い美月を略奪に近い形で養女に迎えようとしたり、後に元恋人の麻生(沢田研二)と結婚する際には美月に旅館を押しつけて逃げてしまったりと、激しい一面があったので、演じがいがありました。
ただ、私自身は幼い子どもを抱えながらのお仕事だったので、東京に子どもを残して大阪で撮影をする日々が自分にとっては大ごとだったんです。娘から電話がかかってきて、日常生活のなかの何気ない疑問を投げかけられたときに、普通なら家に居てやりとりできる些末な会話を、電話でしかできないことに胸が苦しくなったことも。でも、「私はこの仕事を選んだのだから、しっかりやらなくては!」と気を取り直して日々を過ごしていました。
大竹しのぶおおたけしのぶ
女優
1957年生まれ、東京都出身。75年、映画『青春の門』で本格デビュー。同年、連続テレビ小説『水色の時』のヒロイン役でテレビドラマ初出演。主な出演作に『男女7人』シリーズ、『それでも、生きてゆく』『ごめん、愛してる』、映画『事件』『鉄道員(ぽっぽや)』『後妻業の女』、舞台『ピアフ』『出口なし』など。NHKでは、連続テレビ小説『オードリー』大河ドラマ『元禄繚乱』『江~姫たちの戦国~』『いだてん』などに出演。