FC2ブログ

平等とは何か

 キリスト教は、すべての人が罪の現実において、神の前において、平等であるという思想を掲げている(ここでのキリスト教は、もちろん、厳密には、文字通り「すべての」ということではない。厳密な議論を行うには、かなりの準備が必要である)。しかし、現実の人間はさまざまな意味における不平等の中で生きている。日本社会における、男女の不平等、そしてそれと連動した所得格差(賃金格差)は、世界的に見て、かなりひどい状況にある。これを、タリバンに引っかけて指摘する論もある。
 大学という場で仕事していると、気になるのは、「学歴」という問題であり、もし、平等を本気で論じようとするならば、ここに切り込む必要があるというのは正論であろう。最近話題の次の文献は、この問題をクリアーにしてくれる。

マイケル・サンデル
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』
早川書房、2021年。

プロローグ
序論──入学すること
第1章 勝者と敗者
第2章 「偉大なのは善良だから」──能力の道徳の簡単な歴史
第3章 出世のレトリック
第4章 学歴偏重主義──何よりも受け入れがたい偏見
第5章 成功の倫理学
第6章 選別装置
第7章 労働を承認する
結論 能力と共通善

謝辞
解説/本田由紀 


 来年度も応用倫理の授業を担当する予定であるが、こうしたテーマは、ぜひ取り上げてみたいものである。





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 本ブログは、2013年度以降に、芦名定道を代表者として交付を受けた科研費による研究内容を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。この間、ブログのタイトルは、「自然神学・環境・経済」から、「自然神学・宗教哲学・自然哲学」へと変化したが、趣旨は一貫しており、かなり自由にさまざまな問題を取り上げきました。2021年4月より、このブログの作成者は、所属する大学が変わりましたが、当面は、同様の内容でこのブログを運営する予定です。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
FC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンターFC2無料カウンター
カレンダー
06 | 2024/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR