激戦州の1つ、ペンシルベニア州の州議会は同月27日、今回の大統領選で、投票用紙の郵送や投票、集計に多数の違反があったことを認め、知事と州務長官に対し、以下のような共同決議を発表している。
「すべての選挙が法律に沿って行われ、合法的な投票が正確に計算されることを国民に納得させる責任がある」「州全体の選挙結果について、調査が完了する前に認定しない」
補足すると、今月14日の選挙人投票の代表を決定する憲法上の権限は、州の司法ではなく州議会にある。
こうしたなか、ウィリアム・バー司法長官は1日、AP通信のインタビューで、連邦検事や連邦捜査局(FBI)が不正の申し立てを受けて調べたが、「(大統領選に)異なる結果をもたらす可能性がある規模の不正は、これまで目にしていない」と語ったという。
だが、全米各地で湧き上がる「(票の)盗みをやめろ」キャンペーンは、ますます勢いづいている。米大統領選をめぐる未曾有の事態-混乱と分断は、トランプ氏の「悪あがき」で片づけていいはずがない。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。2020年、アパ日本再興財団が主催する、第13回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀藤誠志賞を受賞。著書・共著に『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)、『習近平が隠蔽したコロナの正体』(同)など多数。
元ニューヨーク市長で、個人弁護士であるジュリアーニ氏(円内)とともに、戦闘態勢を維持するトランプ大統領(ロイター)