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Conversation

こちらの、私が岸田総理に聞きたいことがセクハラにあたるという多くのご批判にお答えさせて頂きます。 まず、一般的に、「AVを観たことがあるか?ある場合、どのようなジャンルのAVを観たことがあるか?」という質問は、相手との関係性や、相手と共有している文脈の如何によって、セクハラになったりならなかったりするでしょう。したがって、何がセクハラにあたるかは、基本的には周囲ではなく受け手本人が判断するものだと思いますが、そういった前提や合理的な必然性の共有・コンセンサスがなくいきなり性的なことを質問したら(または質問しっぱなしにしたら)セクハラになる可能性は当然高いと思います。 その上でいうと、岸田さんは、年齢やキャリアに関係なく全ての出演者に適用範囲を拡大させたAV新法を通した政権のトップであり、かたや、私は、AV新法の問題をはじめ、様々な給付金における職業差別の問題を訴えてきた性産業側の当事者でもあること、そして、この両者、岸田さんと私との間で共有できているであろう事は、AV新法が作られた理由と、この法律が果たす機能についてです。つまり、AVの仕事をする人たちが、他者からの強い働きかけ等によって出演させられる被害を防いだり、出演の後悔(身バレやデジタルタトゥーなど)を極力なくすため、契約前~出演前・撮影後~宣伝・販売後~ごとの判断プロセスにおいて機能を果たすのがこの法律であることです。 ●判断力の差別について ここからの説明が、私が岸田さんにしたい質問に関わってくる問題意識になります。 AV新法はもともと、成人年齢の引き下げにより18歳19歳が「未成年者取消権」の適用対象外になったことに伴い、若年層をどう守るかという話から始まったものでした。しかし、年齢関係なく全出演者に法律を適用する案が自民党から出たことで、キャリアも年齢も関係なく、出演を後悔することがないように、契約・出演・宣伝・販売に際してはその段階ごとに何ヶ月も時間をかけてよく考えて判断をしてもらうことが義務付けられました。 ここで、AV業界で働く人々から吹き上がった声というのが、「18歳19歳の若年者や新人さんなどの未経験者について、特別な配慮や対策を講じるのはわかるが、既に何本もキャリアを積んだ人や若年層ではない出演者に対しても、同じように判断力を疑うべきなのか」というものでした。また、この法律の名称(通称・AV出演被害防止・救済法)においても、「被害者の救済」ではなく、「出演者の救済」とか、「出演被害」という言葉の使われ方をしているため、「出演することが被害であるかのような法律名はやめてほしい」という声が上がっています。 当初の18歳19歳のAV出演契約取消権の議論というのは、未成年者の自己決定能力に対する未成熟概念に裏打ちされたものであると思いますが、なぜそのような考え方・あり方が、AV産業で働く人々全員にあてはめられることになったのか。 もっといえば、なぜ、AV産業にだけ、そのような線引きがなされるのか。 何をもって、この人はまともな判断ができるかどうかの心配の線引きがなされるのか。 どこからがかわいそうなことになるかもしれない人たちなのか。 普通、この仕事がいいと思ってしている人に対して、「あなたは後悔しませんか?」とは聞かない(失礼な質問だから)。 (因果関係自体が道徳的であるということも書きたいところですが長くなるので、このあとツイキャスかスペースで語ります。) そこで、私が岸田さんにどうしても聞いてみたいと思ったのは、「岸田さんは、AVを観る際のリテラシーも、性的ファンタジーと現実世界を見分けるまともな判断力もお持ちなのですか?」ということでした。 AVを観る男性側には、まともな判断ができる力があり、AV産業で働く女性たちは、まともな判断をするのに何ヶ月も要し、まともな判断ができない恐れがある人々なのでしょうか? 私は、岸田さんがAV新法に問題があると思えないなら、岸田さんにはまともな判断ができる力があるとは思えません。そんな岸田さんがAVをご覧になることがあるのであれば、観る前の1ヶ月間よくお考えになってから観るようにしてください(AVを観たことが家族やパートナーにバレたら後悔するかもしれません)。また、観たあとも、観た感想などをSNSやブログで書いたら残るので、その前にも最低でも4ヶ月間はよく熟慮して、後悔しないかよく考えるようにしてください(もちろん、観る側にも課す法律をつくれと言っているのではありません)。 私が岸田さんに質問して言いたかったことは以上です。 国会が広げたデマと、みんな一緒に闘ってほしいです。 どうかこちらから、応援してもらえるとありがたいです。→ x.gd/cJEJb
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