本学は1月21日、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智博士へ岡山大学名誉博士の称号を授与する式典を挙行し、記念講演会を開催いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全てオンラインにより開催し、本学学生を中心に350名を超える多くの参加がありました。
冒頭に槇野博史学長より、「大村博士のご功績に対して、SDGs達成への貢献をミッションとしている本学においても顕彰させていただくことがふさわしいことから、その功績を称え、本日、岡山大学名誉博士号を授与させていただくこととなった。この後に開催する記念講演会が本学学生や若手研究者の飛躍の一助となることを期待している」と挨拶があり、オンラインで名誉博士記の授与を受けられた大村博士から、「私は、岡山大学医学部の前進である第三高等学校のご出身で梅毒の特効薬を発見した秦佐八郎先生の孫弟子にあたり、色々な場面で勉強させていただきながら今日に至っている。秦先生の出身である岡山大学より称号授与をいただくことは、ひときわ感慨深く、また光栄なことあり、心よりお礼を申し上げます」と謝辞をいただきました。
続いて伊達勲医歯薬学総合研究科長・教授を座長として「イベルメクチンと感染症」と題した記念講演会を開催。大村名誉博士から、米国留学をされ、そこでチャンスをしっかりと掴まれたこと、そしてイベルメクチンを発見され、オンコセルカ症、リンパ系フィラリア症の撲滅に繋がっていったこと、また、イベルメクチンは、新型コロナウイルスに対しても諸外国で多くの臨床研究が行われ適用されており、そのメカニズムについても言及いただきました。
質疑応答では、薬科学を専攻する学生から、「創薬研究に挑戦するにあたり、どのようなビジョンや信念が必要なのか」という質問に対して、大村名誉博士は「創薬研究は容易ではないが、望を捨てない者にだけ道は開かれる」と話されました。
また、記念講演会の後に開催されたパネルディスカッション「これからの創薬のあるべき姿」にも大村名誉博士にコメンテーターとして参加いただき、岡山大学で創薬を研究する3名の教授へ、吉田松陰の「飛耳長目(ひじちょうもく)」という言葉を引用され、「それぞれの研究者が色々な情報を皆で共有することが大事であり、現代においても共同研究をしている人たちは情報を共有し、大きな目標に向かってそれぞれの専門分野において力を発揮していく、この連携をうまくやるということが大事である」と話されました。
最後に、大村名誉博士は学生・若い研究者へ向けて「自分が率先して難しい仕事に係わっていくという姿勢が大事であり、特に共同研究にあたっては、易しい方に流されず、難しい方に自分を振れていくという心構えをもって、皆で共同研究をされた方が良い」とエールを送られました。
【本件問い合わせ先】
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大村智博士岡山大学名誉博士称号授与式・記念講演会他を開催
2022年01月31日