13、14の両日で行われる大学入学共通テストまで残りあとわずか。前身の大学入試センター試験と比べ、難易度が上がっていると評される共通テストだが、今年の難易度はどうなるのだろうか。
教育関係者らに聞くと「新課程入試を来年に控え、今年は急激な難化や傾向の変化はないのではないか」と予想する人が多かった。
先月、大学入試センターが発表した共通テストの確定志願者数は前年より2万668人少ない49万1913人。6年連続の減少で、1992(平成4)年以来32年ぶりに40万人台に落ち込んだ。
受験者数の減少は18歳人口の減少や、年内に終了する推薦入試に流れる受験生の増加などが要因として挙げられるが「センター試験に比べると難しい」という評判が広がったためか、あえて共通テストの受験を回避する受験生もいるという。
スタート直後は数学の難化や度重なる得点調整が話題となるなど、運用が安定しないという指摘もあった共通テストだが、実施から4年目となり、過去問や問題集も出そろい、対策が取りやすくなってきたという。
河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員はまもなく本番を迎える受験生に「ラストスパートの時期は、設問ごとに何分時間をかけるかというペース配分ができるように練習をしてほしい。共通テスト体内時計を鍛えて」と指導する。
また、共通テストを受験した後は「自己採点集計をして、仮に点数が悪かったとしても冷静に自分の立ち位置の把握を」という。
近藤さんによると、令和4(2022)年、数学の著しい難化が話題になった際は、自分の不出来を悲観して調子を崩した受験生が少なくなかったという。「自分だけできなかったわけではない。引きずらずに次の対策を」と話す。
共通テストに向けてはどんな対策を取ればよいのかろうか。受験までまだ間がある高校1、2年生に対しては「複雑な場面設定がされた長い文章を状況把握をして理解するには慣れが必要。新聞の社説などに日頃から触れておくといい練習になる」と話していた。
共通テストを回避する受験生がいることについて、近藤さんは「私大の専願者にとっては一般選抜対策を兼ねて勉強できるような出題内容ではなく二重の負担になってしまう」と説明。また、年内に入試を終了させる生徒も増えていることも共通テスト離れに輪をかけていると指摘していた。(木ノ下めぐみ)