K2 PROJECT
K2は、カラコルム山脈にある山。
標高は8,611mで、エベレストに次ぐ世界第2位の高さである。
平出和也・中島健郎の2人が
K2未踏ルート登攀に向けて動き出している。
彼らがどのように目標に向かうのか。
K2までの道のりを追う。
K2は、カラコルム山脈にある山。
標高は8,611mで、エベレストに次ぐ世界第2位の高さである。
平出和也・中島健郎の2人が
K2未踏ルート登攀に向けて動き出している。
彼らがどのように目標に向かうのか。
K2までの道のりを追う。
写真=平出和也、中島健郎
2017年のシスパーレ北東壁での挑戦を終えた平出・中島ペアは翌2018年の夏、K2へと下見登山に出かけた。長いアプローチの末、ふたりはK2西壁の基部に到着した。 壁を前に平出は「今の自分たちなら登れても半分」だと中島に言った。悔しいが中島もそう思った。 しかし不可能な課題を目の前にふたりの心は高鳴っていた。喉から手が出るほど登りたい山......それが、次なるK2西壁だったのだ。
K2への挑戦にあたり、ふたりは予備山行を2度行うことに決めた。それがラカポシ7,788mでありティリチミール7,708mであった。
平出は「K2西壁は私たちの想像を超えた冒険であることは間違いない。とはいえ、シスパーレには登りたいと思ってから15年、ティリチミールにも21年後に登ることができました。 だから経験を重ね、小さなステップを積み上げることで不可能を可能に変えていく……いつもそうして山に挑んできたので、やっぱり不可能への挑戦は楽しい。 20年かかったっていい、K2西壁とはそのくらいの存在」という。
中島も「自分にとって登山がなんなのかは、よくわかりません。しかし、わからない魅力があるからこそ、登り続けているのだと思います。 森を歩くだけでも楽しいですが、ぎりぎりのラインに突っこんでいるときの生きているという感覚も、すばらしいものです。 そして今回のK2西壁は標高もそうだし、岩の要素が強い点でも難しい。それでも挑戦しないことにははじまらない。 そもそもこんなチャンスが目の前にあること自体、ありがたい」という。
「ラカポシ山頂からシスパーレ、そしてK2が見えたとき、ぼくの第二の登山人生が始まったんです」
1979年、長野県生まれ。中島によると「山を見る洞察力とセンス、 体力とスピードに優れる。その安心感があるからこそ、ぼくは心おきなく突っこんでいくことができます」
「登山とはなにか。その答えがわからないからこそ、 登り続けているのだと思います」
1984年、奈良県生まれ。平出によると「怖さ故にぼくが躊躇してしまうこともすんなりやってのけてしまう、ふたりで力を合わせることで不可能な登山が可能になる。」
通常装備に加え、撮影機材も重要。重さに制限がある中で厳選したアイテムだけをピックアップする。
❶ラカポシ遠征時の撮影機材の一部❷❸シスパーレ遠征時の装備の一部
山名:ティリチミール(7,708m)
時期:2023年7月
場所:パキスタン
ルート:北壁、新ルートから登頂
クライマー:平出 和也・中島 健郎
山名:カールンコー(6,977m)
時期:2022年9月
場所:パキスタン
ルート:北西壁、新ルートから登頂
クライマー:平出 和也・中島 健郎
山名:ラカポシ(7,788m)
時期:2019年夏
場所:パキスタン
ルート:南壁、新ルートから登頂
クライマー:平出 和也・中島 健郎
山名:シスパーレ(7,611m)
時期:2017年夏
場所:パキスタン
ルート:北東壁、新ルートから登頂
クライマー:平出 和也・中島 健郎
山名:ルンポカンリ(7,095m)
時期:2016年秋
場所:中国 チベット自治区
ルート:未踏北壁、アルパインスタイルで登頂
クライマー:平出 和也・中島 健郎