13歳の娘と性交渉を繰り返し 妊娠させた父親「僕のことが好きなのかと…」「娘からの『アプローチ』あったから」裁判の中で語られた理由とは【前編】
※この記事には性被害に関する記述がありますので、読まれる際はご注意ください 「お父さんとは、何回かした」 性被害に遭ったのは、13歳の時。加害者は実の父親だった。 そして被害者となった娘が妊娠していることに気付いたのは、一緒に入浴していた母親。その相手を知ったときの心境について「目の前が真っ暗になった」と証言した。 「被害者からの『アプローチ』を受け、してはいけないと思いつつ『アプローチ』されて、自分の性欲と、徐々に罪悪感が薄れ、回数を重ねていってしまった」 被告として法廷に立った父親は、複数回に及んだ行為について問われ、振り返った。 プライバシー配慮の名目で、全てが匿名のうちに進められた裁判。 審理が進められる中で「家庭内という閉鎖的な環境」で行われた異様な犯行の実態が明らかになった。 裁判で示された証拠や、認定された事実などを元に振り返る。 (前編・中編・後編のうち前編) ■◇◇7回くらい性交渉 恋愛感情はなかった 2024年3月26日。 当時13歳だった実の娘と性交渉を繰り返し妊娠させたとして、不同意性交の罪に問われた父親の初公判が、松山地裁で行われた。 「間違いありません」 年齢は40代くらいだろうか。 被告として証言台に立った男が、起訴内容を認めた。 裁判では、プライバシーに配慮するため、登場する人物の名前を伏せられたまま進行されたことから、被告となった父親の氏名や年齢は分からない。 検察官による冒頭陳述が行われる。 被害者となったのは、離婚した前の妻との間にもうけられた娘だった。 被告人の供述が読み上げられる。 「これまでに7回くらい性交渉をした。恋愛感情はなかった」 「被害者と性交渉を重ねるうち、罪悪感が薄れていった」 「妊娠してはいけないと思い、避妊具をつけた」 「家族らに迷惑を掛けて申し訳ない」 ■◇◇「お父さんとは何回かした」「目の前が真っ暗に」 5月7日の裁判では、証拠調べが行われた。 傍聴人はまばらで、報道機関の記者もほとんどいない。 黒っぽい上着に猫背姿の被告が、3人の刑務官に付き添われて入廷する。 検察官が、証拠の内容を読み上げる。 まずは、被害者の証言が提出される。 「お父さんとは何回かした」 「一番最近は去年(=2023年)12月だった」 続いて、被告の現在の妻の証言が読み上げられた。 「娘の上に乗って腰を振っていたのを目撃した」 「去年(=2023年)12月、被害者となった娘と一緒に入浴した際、体を見て異変に気付き『もしかして』と思ったが、流石にそれはないと信じないようにした」 「その後、妊娠の事実を知り『相手は誰? もしかして私が知ったら困る人?』と聞いた際、娘がうなずき目の前が真っ暗になった」