きょうの健康

重症化が不安!呼吸器の病気 「間質性肺炎」

初回放送日:2020年10月6日

肺の間質という部分に炎症ができて、肺の線維化がすすむ間質性肺炎。原因不明で治療が困難なことも多い。間質性肺炎の治療は、病気の進行を遅らせることが中心。こうげん病が原因の場合などでは炎症を抑えるためにステロイドや免疫抑制薬を使う。また、間質の線維化を抑える「抗線維化薬」を使うことも。さらに、呼吸リハビリを行ったり、息切れにつながる動作を避けるなどの日常生活の工夫をとりいれたりして病気の悪化を防ぐ。

放送内容

目次
  • 間質性肺炎とは
  • 間質性肺炎の原因と診断
  • 治りにくい「特発性肺線維症」
  • 間質性肺炎の治療

間質性肺炎とは

肺には、空気の通り道である気管支があり、それが枝分かれして「肺胞」という袋状の組織につながっています。この肺胞の壁のことを「間質」といいます。一般の肺炎は、肺胞の内部に細菌などが感染することで起こりますが、間質性肺炎はこの間質に炎症が起こります。

一般の肺炎

間質性肺炎はこの間質に炎症が起こる

空気は、気道を通って肺胞まで運ばれます。肺胞では酸素と二酸化炭素の交換がされ、肺胞の壁である間質の毛細血管を通じて、酸素を心臓へと送っています。
間質性肺炎は、間質に炎症が起こり、さらに線維化し、厚く硬くなる病気です。また、肺胞そのものが壊れていく場合もあります。そのため、間質が炎症や線維化で厚くなると、酸素がうまく入っていけなくなってしまうのです。
肺はもともと弾力性があり、呼吸運動に伴って伸縮していますが、肺胞の線維化が進行すると、肺全体が硬くなって、ふくらみにくくなります。すると、空気を十分に吸い込めなくなります。

健康な肺胞と間質性肺炎

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このエピソードの放送予定

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東京都(東京)

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出演者・キャストほか

  • 解説いただいた専門家
    小倉 高志
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 副院長