給食ない夏休み「恐怖」 過去最多2921の困窮家庭へ緊急食料支援

細川卓
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 物価高の中、夏休みで給食がなく生活が苦しい子育て家庭に、認定NPO法人「キッズドア」が「夏休み緊急食料支援」を行っている。千葉県船橋市の倉庫では、作業員らが箱詰め作業に追われていた。

 緊急食料支援はコロナ禍の2020年に始まり、今年は過去最多の2921世帯から申し込みがあった。同法人の支援プログラムを受けているひとり親家庭や多子世帯などが対象で、米、麺類、パスタソース、レトルトカレー、コーンフレーク、お菓子などを送る。これらの食料や送料、梱包(こんぽう)費などを含め1世帯あたり約8千円。資金はクラウドファンディングでまかない、企業からの物品寄付も受けた。

 キッズドアが今年5~6月に実施したアンケートでは、家計が昨年と比べ「とても厳しくなった」が77%、「やや厳しくなった」が21%だった。また「体重が急激に落ちた」「肉や魚が買えない」「長期休みは毎年恐怖」などの声も集まった。

 担当者は「食を通じて困っているご家庭とつながることで、その後の情報支援や就労支援にもつなげていきたい」と話している。

 クラウドファンディングの目標額3千万円はすでに達成。目標を超えた金額については、子どもの学習会、居場所、体験機会の提供に充てるという。寄付の募集期間は31日まで。(細川卓)

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この記事を書いた人
細川卓
映像報道部|キャップ
専門・関心分野
若者事情、福祉、潜水、ドローン
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    吉川ばんび
    (作家・コラムニスト)
    2024年7月25日12時0分 投稿
    【視点】

    若い方にお話を聞いていると、子どもはもちろん、大学生にいたるまで「食糧に困っている」という声が広がっていることに気が付きます。特にコロナ禍以降、家庭の収入は激減、アルバイトや派遣のシフトをカットされてしまい、生計を立てることが難しくなる家庭

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年7月25日12時0分 投稿
    【視点】

    物価高の中で食べるものにも事欠く、子育て中の困窮家庭が大量に存在する。 何が「こどもまんなか」かと腹立たしい。 しかも、支援するNPOをバッシングする人々が存在し、中にはそれに同調する政治家さえいる。 いったいどんな国だ。

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