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2024年7月21日(日)

いま、「赤旗がなければ…」 この思いを一つに

小木曽編集局長の緊急の訴えから

 小木曽陽司・赤旗編集局長が17日の党内通信で行った緊急の訴えを紹介します。


写真

(写真)緊急の訴えをする小木曽陽司赤旗編集局長=17日、党本部

 今月から日曜版の料金改定が行われます。ピンチをチャンスに、ブレーキをアクセルに、読者拡大の前進へ、「赤旗」がいま果たしているかけがえのない値打ちと役割、いっそうの紙面刷新への編集局の決意をのべたいと思います。

 いま、「赤旗」はかつてない注目と期待を集めています。何より、日曜版の裏金問題のスクープです。「赤旗に白旗上げる自民党」「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」―二つの川柳が示すように、自民党を断崖絶壁に追い詰めるなど、インパクトは絶大でした。イギリスの政治経済誌『エコノミスト』は、後れを取った大手メディアへの皮肉を込めて「共産党の比較的無名な新聞が日本の政治を方向付けている」と書きました。最近これを日本のネットメディアが取りあげて、「英紙が自民裏金問題にいち早く切り込んだ『しんぶん赤旗』を称賛 日本の大手メディアの『自己検閲』を懸念」と紹介しました。

◇ ◇

 「赤旗」への期待の質も変わってきています。「赤旗」の役割を評価するということにとどまりません。日本社会の健全な発展と民主主義にとってなくてはならない大事なメディア、いわば「公共財」として、みんなで支えて、みんなで守ろうという機運が起きています。上脇博之・神戸学院大教授は街頭演説にメッセージを寄せて、「赤旗」がもっと増えることが、「日本の金権政治を真の主権者のための政治に変えることになる」と、購読をよびかけました。ある著名な知識人は、各地の講演で、「『赤旗』は今マスコミのなかでも調査報道で超一流」とのべ、「ちゃんと調査しているこういうメディアを私たちはどうやって支えるか、支えるためにはお金をいくらか出して買うとか、寄付するとかが必要なんですよ」とのべ、「赤旗」の購読をすすめています。

 問題は、こうした注目、期待にもかかわらず、「赤旗」が財政面でも体制面でも、発行の危機に直面していることです。せっかく大きな期待をいただいても、現状のままいったら、それにこたえられない、社会変革の事業に多数を結集する党と「赤旗」の役割を果たせなくなる、そして日本社会の健全な発展、民主主義に不可欠な「公共財」が失われることになりかねません。

◇ ◇

 ここは、紙面編集にたずさわる私たちにとっても正念場です。日々の活動とたたかいの指針、勇気と元気の源となる日刊紙にいっそうの磨きをかける、値上げしても減らない、990円でも増やせる日曜版をつくるために全力をあげる決意です。

 日曜版は、値上げにあたり、より魅力ある紙面にするために、従来の「スクープ」「お役立ち」に、新スローガン「深く知り、勇気がわく」を加えました。その第1弾が、先週7月14日号掲載の「選択的夫婦別姓 経団連本部訪ねて 聞いてみた」です。「深しる」キーワード「家族の一体感」について詳しく考えながら、経団連に直接聞く、意外性に挑戦しました。「経団連本部に赤旗記者が取材に訪問するなんて画期的です」「政策で立場を大きく異にすると思っていましたが、びっくりです」など、経団連と「赤旗」、この意外な組み合わせが、反響に拍車をかけました。田村智子委員長も党創立記念講演会で、この記事をとりあげ、「いまや時代は大きく変わっています。変わっていないのは自民党」とし、立場の違いを超えた連帯と運動をよびかけました。

 そして、日曜版といえばスクープです。裏金事件をスクープした日曜版だからこそできる、スクープの舞台裏、裏金事件の真相に迫る大型連載が7月21日号から始まりました。世界を驚かせた世紀のスクープを、生身の記者も実名で登場し、検証していきます。

 全国のみなさん、党創立記念の7月、「赤旗」をこれ以上、後退させるわけにはいきません。かつて評論家の加藤周一さんが、イラク戦争のときに真実を伝えない大手メディアの状況を憂えつつ、「赤旗がなければ、世界と日本の真実、本当の動きがまるでわからず、この世は闇だ」と、語ったことがあります。4年後には「赤旗」も創刊100年です。私たちも「赤旗」の発行を守り、発展させるために全力をつくします。