食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。
長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+α新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。
『大人のための算数力講義』連載第29回
『 円の面積が「半径 × 半径 × 円周率π」で求められる理由を論理的に説明できますか?』より続く
問題「4つの円が重なった部分の面積は?」
前回記事では円の面積が半径×半径×円周率の形で求められる仕組みを述べた。
以下、2つの例題を紹介する(2つ目は少し難しい)。
例題:図のように、一辺が8cmの正方形ABCDの中に4つの半円がある。それらの重なる部分の面積を求めよ。