「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ」という呪文のような言葉、覚えているけれど何のことだったかは忘れてしまったという人は多いのではないでしょうか。
実はこれ、√(ルート)の近似値の覚え方なのです。
では、√とは何だったでしょうか。
今回の問題で√の知識を試してみましょう。
問題
次の数を整数で表してください。
√196
解答
正解は、「14」です。
√を整数に直す方法を思い出せたでしょうか?
完全に忘れていた、という人も大丈夫。ルートの扱い方は次の「ポイント」で詳しく説明しますよ。
「あれ、−14は?」と思った人もぜひ確認してみてください。
ポイント
今回の問題を解くポイントは、√とはそもそも何なのかを知ることです。
√とは、二乗すると中に書かれている数になる「正の数」を表す記号(√0=0を除く)です。
例えば、√4は二乗すると4になる正の数のことです。これは、整数で表すと2になります(2^2は4です)。
ポイントは正の数というところ。
二乗して4になる整数には、−2と2があります。
しかし、√で表現できるのは、正の数という決まりがあります。もし負の数を表したいのであれば√の前に−を付けます。
√4=2
−√4=−2
では改めて問題を見てみましょう。
√196は「二乗すると196になる正の数」という意味なので、196=14×14=14^2(14の二乗)と考えれば14が正解になります。
答えとして−14をあげた人もいるかもしれませんが、−14は負の数なので√196とはイコール関係にありません。
二乗する数が思いつかないときは…
196=14^2がパッと思いつかない、という場合もあるでしょう。
そんなときは、中の数を掛け算の形に少しずつ分解してみてください。
例えば、以下のように考えてみましょう。
196
=2×98
=2×2×49
=2×2×7×7 ←同じ数のペアにできないか考える
=2×7×2×7
=14×14
これで14×14が196になると分かりました。
ちなみに√を使った数の中で、整数で表せる数は稀です。
例えば√2を考えると、二乗して2になる整数は存在しません。整数どころか、分数でも表せないのです。
ただし√2は無限に続く小数で表現できることが分かっています。これを「√の近似値」といいます。
√2=1.41421356......
「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ」というのは、√2を表す小数の前半部分を語呂で表現したものなのです。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
√の問題を間違えないためのキーワードは、「二乗」と「正の数」です。
この二つのキーワードを押さえておけば、今後、√の問題に出会ったときにきっと役に立ちますよ。
覚えた!という人は、ぜひ他の√の問題に挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
ルートの問題にもう一問挑戦!