オンエア
今から3年前の4月の寒い日。 イギリスに住むある老夫婦に、人生を変えるアンビリバボーな出来事が起きた。
ある日、フィルは息子に家ばかりいたら身体に良くないからと、釣りに誘われた。
この頃、夫婦は暗い日々を送っていた。 夫フィルさんは25年前に膀胱ガンが見つかり、これまで7度にわたる手術を受けていたが、断続的に再発を繰り返し、完治の兆しもなく、つらい治療が続いていた。
妻のジュリアさんもまた脊髄の損傷があり、常にひどい頭痛と記憶障害を抱えていた。
そんな父の気晴らしになればと、息子は釣りに誘ったのだった。
2人は自宅から1キロほど離れた池に釣りに出掛けた。 その時、茂みの中から、テニスボール大の何かが近づいてくるのに気づいた。 よく見てみると、それは孵化したばかりのマガモの赤ちゃんだった。
イギリス中部に位置するリーズは4月でも平均気温は十度前後、さらにこの日は氷点下近くまで気温が下がる寒い日だった。 このまま放っておけば死んでしまうと思ったフィルさんは、子ガモを自宅に連れ帰ることにした。
夫が突然子ガモを連れ帰ったため、ジュリアさんは困惑したという。
ジュリア「夫もガンであり、私も病気が特に悪化していた時期でした。ちょうど家族が最もつらかった時だったんです」
フィルさんは子ガモの面倒を見始めたのだが、身近にあった人間の食べ物を与えても全く口にしない。 インターネットで調べても、成長したカモの飼育方法しかわからなかった。 試しに買っていた熱帯魚の餌を与えてみたら、食べてくれた。 子ガモは元気をとりもどした。
フィルさんの愛情を受け、子ガモはスクスクと成長。 その成長する姿を見て、初めは困惑していたジュリアさんも、すっかり小ガモに夢中になっていった。
昼間はなんと一時間おきにエサをねだる。 二人はまるで自分たちの子供のように世話をした。 2週間ほど経ち、羽が生え替わりメスだということがわかると、二人は子ガモにフリーダと名付けた。
夫婦は、年金暮らしで決して裕福ではなかったが、約8000円もするエサも買い与えた。
フィル「健康に育つ一番いいエサを与えたいと思っていたので、金額は関係なかったのです」
夫婦は無償の愛をフリーダに注いだ。
フリーダのお気に入りは1階の机の下。 そこに彼女の寝床を構えていたのだが…夫婦の寝室は2階、フリーダを1階に残して寝ようとすると…まるで一人にしないでくれといわんばかりに鳴き立てる。 その夜からフィルさんはフリーダの寝床そばのソファで眠るようになった。
こうして昼も夜も夫婦はフリーダに尽くした。
その気持ちが通じたのか、フリーダはますます夫婦になつき、フィルさんがパソコンの前に座っていると、肩に乗ったり、耳たぶを噛んだりと、じゃれつくようになった。 テレビも大好きで、特に音楽番組が大のお気に入り。
大きくなり行動範囲も広がったので、保護から2ヶ月後、逃げ出さないか恐る恐るではあったが、外にも出すようになった。 そして、金魚を飼っていた池で自由に水浴びができるようにすると、フリーダは金魚とも仲良くつつきあったりして遊んだ。
この頃になるとフリーダは自分でも虫を獲って食べるようになり、自宅の回りからクモやコオロギが姿を消すほど。 保護してから1年が過ぎると、家よりは外にいることが多くなったが、フリーダは一家の一員として過ごしていた。
そして、この頃には病気で沈みがちだった夫婦のすがたはもうなくなっていた。
フィル「フリーダの面倒を見ることで、私たちは自分たちが病気だということをすっかり忘れてしまっていました。」
ジュリア「一緒だと気持ちも明るくなっていました。まるで我が子ように彼女を育てました。」
保護してから一年半、フリーダは立派な成鳥になった。 自由に飛べるようにもなり、昼間どこかへ飛び立つと夕方まで戻らないことも多くなっていた。 冬が近づくにつれて…二人はある覚悟をするようになった。
マガモは渡り鳥である。 冬になれば越冬のために南下する習性を持っている。 最初の冬はガーナー家で過ごしていたが、外に出る時間が多くなった今となっては本能に従って旅立つだろうということを…
フィル「野生のカモの声に反応するなど、本能が戻りつつあるのがわかりました。ずっと引き留めるのは自分勝手過ぎるとも思っていました」
それはおととしの10月、フィルさんが庭にいる時だった。 フリーダはひときわ大きく鳴き声を上げると、高く飛び立った。 フィルさんは感じた…まるで別れを告げたようだと。
フィル「突然の出来事に悲しい気持ちも強かったのですが、成長し旅立ったことはやはり嬉しくもありました。」
ジュリア「旅だったと聞いた時は、とても悲しい気持ちになりましたが、フリーダにとっては大事なことだと思い、無事だけを祈りました。」
フリーダがいなくなり、彼女のために用意していたタオルや毛布は犬の保護施設に寄付した。
しかし、フリーダと出会う以前の二人とは違い、別れを乗り越え、前向きに生活を送ることができていた。
昨年5月、それは突然のことだった。
庭にフリーダがやって来たのだ! その周りには…たくさんのヒナが!! その数11羽! まるで孫を見せにきたかのように、フリーダは子供を連れて戻ってきたのだ。
二人は、コガモたちを金魚の池で自由に泳げるようにし、それだけでは大所帯には手狭なため、さらに裏庭にも新たな池を掘った。 フリーダとヒナたちは庭を自由に駆け回り大喜び。 そのため庭はめちゃくちゃな状態になったが、二人は全く気にならなかったという。
だが5ヶ月後、秋になり再びカモの旅立ちの時期が近づいていた。 そこでフィルさんは、カモたちを車に乗せ、近所の大きな池まで運ぶことにした。
やがてフリーダと子ガモたちは池から南へと旅立っていった。 母になったことを見せるために帰ってきてくれたフリーダを心から愛おしく思い、心の中で別れを告げた。
だが、物語はこれで終わりではなかった。 フィルさんたちに…思いも寄らない出来事が!
早速、我々はフィルさん宅に向かった。
何があったのか聞いてみると…
フィル「先月ガンの定期検診に行きました。25年間再発に苦しんで治療を続けていたのですが、ガン細胞が消滅したと医者から告げられたのです。まだ数年間は検診を続けなければ完治したとは言えませんが、まさに奇跡としか言いようがありません。フリーダの恩返しです」
ジュリア「私も体調が良いのよ」
病気が治ったのはフリーダの恩返しのように感じているという。
さらに突然、フィルさんが立ち上がるのでついていくと…フリーダの姿が! フリーダは2ヶ月前に今年も8羽のヒナを連れてやってきたのだという。
ジュリア「フリーダが大好きです。こんなに孫たちも連れてきてくれて本当に心が温まります。」
フィル「私たちの人生を明るくしてくれて感謝しています。本当に魔法のような出来事です。」
次の放送日時は情報が入り次第掲載いたします。
奇跡体験!アンビリバボー 水族館の人気者秘話&胸キュン恩返し!納涼アニマル祭
天才的にカワイイパンダ!▽キャンプ場に現れた恐ろしいクマ!?▽大人気水族館シロイルカ誕生秘話!!▽老夫婦が救ったマガモとの奇跡の絆!!衝撃の恩返しとは!?
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