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水族館の人気者! 仰天誕生秘話

千葉県にある水族館、鴨川シーワールド。 海の王者シャチのダイナミックなパフォーマンスなどが有名なのだが ここに、アンビリバボーなパフォーマンスで子供から大人まで楽しませる人気者がいる。
それは、オスのベルーガ「ナック」。 ベルーガは、北極周辺に生息するイルカの仲間で、別名シロイルカと呼ばれるように体の色が真っ白いのが特徴。 成体の体長は約4メートル、体重は1トンを超えるものもいる。 寿命は50年ほどと言われている。 また高く澄んだ声で鳴くことから、海のカナリアと呼ばれている。
このように海中で目隠ししても、難なく障害物を認識して泳ぐことが出来る。 これは自身が発信した音や超音波の跳ね返りで、暗い海中でも周りの形状や材質を判断出来る「エコーロケーション」という特殊な能力。

鴨川シーワルドでは、今から48年前(1976年)に、日本で初めて飼育展示を開始。 ナックは今から36年前(1988年)にカナダからやってきて、国内で飼育されるベルーガの中で最年長の39歳。 そんなナックは、ある特技で、連日、観客を楽しませている。
それが…人の言葉を真似すること!
ナックが鴨川シーワルドに来て3年ほど経過した頃、飼育員の口笛を真似するようになり、徐々に簡単な言葉も真似するようになったという。 そして現在、7つほどの言葉を真似できるという。 ベルーガは仲間とコミュニケーションのためにも鳴き声を利用する。 それを応用させ、人の声を認識して反応する個体もいるが、人の言葉を真似するのはナックだけだという。

唯一無二のパフォーマンスで観客を楽しませているナックだが、今から3年前の7月、その子供2頭が誕生した。 ベルーガの国内の繁殖例は少なく、鴨川シーワルドでは初めてのことだった。 だが、その出産の裏側には、消えそうな小さな命を守り育てるための飼育員たちによる懸命の努力があった。

ベルーガは、春から夏にかけてが繁殖期で、1年以上の妊娠期間を経て出産する。 メスのニーナとビーツに妊娠の兆候が見られたのは、今から4年前(2020年)の4月。 定期的に行っている血液検査で妊娠の兆候をあらわすホルモン上昇を確認したのだ。
だが、この時点ではまだ喜ぶことができなった。 実は、2018〜19年ぐらいに妊娠の兆候を示す血液検査の結果が出たことがあったが、残念ながら妊娠が維持されずに終わった例があったのだ。

館長たちが不安になる中、行われたエコー検査により、無事2頭ともに妊娠していることが判明した。
ベルーガ担当飼育トレーナー鈴木みさきさんは、こう話してくれた。
「2頭が同時にというのは不安とか大変だろうなというものはありましたけど、念願の出産という感じだったので、みんなで喜んだのを覚えています」

その後一年以上の妊娠期間は順調に経過。 あとは出産が始まる兆候を待つだけだった。 ベルーガは体温が約1度下がると、多くは24時間以内に破水すると言われている。 そして、2頭のうちの1頭、ニーナにその兆候が見られた。

そして、ついに、その時がやってきた。 ニーナから赤ちゃんの尾ビレが!
ベルーガを含む鯨類の赤ちゃんは、通常、尾ビレから出て2〜3時間かけて産み落とされる。 へその尾が繋がった状態であれば呼吸は必要がないが、ヘソの尾が切れた誕生後はすぐに呼吸の必要がある。 そのため、呼吸孔のある頭が最後に出ることで、すぐに水面に上がることができるのだと言われている。
無事、すぐに呼吸することに成功! その姿を見た館長や飼育員たちは、一安心。 生まれたメスの赤ちゃんはリーナと名付けられた。

一方、リーナの誕生から5日後。 もう一頭のビーツも出産を迎えようとしていた。 だが、ここで大きな問題が発生する。
鈴木「夕方6時半ぐらいに破水を確認して、日が変わってもお産が進まないという状況に陥りました。お母さんと子供を助けたい反面、どうにかお母さんの命だけでもという気持ちでした」

そこで、出産を早めるため、プールの水位を下げ、ビーツに陣痛促進剤の注射を打つことにした。 そしてその後、水位を上げている時だった。 ビーツから赤ちゃんの一部が!

しかし、出てきたのは尾びれではなく頭、いわゆる逆子だった。 鯨類の赤ちゃんが逆子で生まれることは、珍しいことではないが、命に関わるリスクがあった。 逆子の場合、呼吸口が水中に出ている状態になる。 館長によると、へその尾が外れた場合などは、呼吸ができずに死んでしまう可能性もあるという。

館長やスタッフたちが心配して見守る中、出産。 赤ちゃんはすぐに泳いで水面に上がり、無事、呼吸することに成功! 思わずスタッフも歓声を上げた!
このオスの赤ちゃんはヴィズと名付けられた。

ベルーガは他の鯨類同様、半年ほどは授乳で成長する。
母乳から生存に必要な免疫を得るため、安定した授乳は欠かせないのだ。

誕生直後から授乳もうまくいき、順調に過ごしていたはずだったが…
館長「6日目かな 急に泳がなくなって、お乳も飲まないので もうすぐに何かしないと、赤ちゃんが死んじゃうだろうという状況になってしまいました」
そのため、母親とは別のプールに移し、泳がなくなったヴィズを担架で吊るし、なんとか呼吸だけはできるようにしたのだが…
獣医「イルカが担架吊りになったらもう死ぬ前なんです。呼吸だけは確保しているから何とか生きているけれども、死ぬのを待っているような状況」
そんな絶望的な状況から幼い命を救いたい! この後、スタッフたちが下した驚きの決断とは!?

生後間もなく自力で泳ぐことをやめ、母乳も飲まなくなってしまったベルーガの赤ちゃん。 幼い命を救うため、スタッフは、ベルーガでは日本で成功例のない、人工哺育で育てることを決めたのだ。

遊泳補助具をつけ、水に浮くことだけはできたものの…生まれたはかりとはいえ約50キロもあるヴィズ。 お乳をあげるのも3人がかりで、しかも3時間おきに1日8回あげる必要があった。 ベルーガの担当の飼育員だけでは足りないため、獣医や他の鯨類の担当の飼育員も加わり、24時間体勢でヴィズの飼育にあたった。 また、血液検査で肺炎など疑いがあったため、毎日、抗生物質を注射する必要もあった。

鈴木「ちょっと諦めたくなるような値が出ても、そういう時にヴィズがもがいたり泳いだり、鳴いたり色々な行動をした。なのでこの子生きたいんだよねと、皆その行動に奮い立たされて…生命力を凄く感じた」
ヴィズは必死に生きようとしている。
そんな幼い命を守るため、昼間の業務もあり、睡眠不足が続く中、懸命に看病を続けた。 すると、思いが通じたのか2ヶ月後には遊泳補助具なしで浮かぶことができるほど回復。

この少し前、先に生まれた姉リーナは順調に育ち、元気に泳ぐ姿が一般公開された。
ヴィズもそんな姉に追いつくため、尾ビレを動かし泳ぐためのリハビリを開始。 そして、1ヶ月後には自力で泳ぐことができるようにもなった。

さらに、精密な検査の結果、体調面でも問題ないことが判明! 一昨年の5月ついに、人工哺育を卒業。 他のベルーガたちの元に戻されることになった。
当初は打ち解けられない様子だったが…姉であるリーナにだけは心を許したのか、2頭でくっつきながら行動するようになった。

そんなヴィズは現在、人工哺育で育てられたため人懐っこい性格で間近に寄ってきてくれると、お父さんのナックにも負けないぐらい人気者に!
リーナとの仲の良さもこの通り。

鈴木「大きくなったヴィズを見るとあの時諦めなくて良かった。関わってきた時間や乗り越えてきたものが多くて、ヴィズは我が子のような存在です。特別な思い入れがあります」
4日後、3歳を迎えるヴィズ。 その愛くるしい成長が今後も見逃せない!

放送内容

次の放送日時は情報が入り次第掲載いたします。

前回 | 2024年7月24日(水) 19:00~21:00放送

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番組へのメッセージ

今晩わゲストの坂下さんのVTRを視ていての笑顔がとても素敵でしたいい笑顔をされますね
(のり子・女・主婦・50's)2024/07/10 20:45

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