少子化による学校再編で閉校する小中学校が相次いでいる。校舎が取り壊される学校も多い。閉校式では “最後の校歌斉唱”が行われ、思い出を胸に学び舎との別れを惜しむ卒業生や在校生の姿がみられた。

「この小学校で結婚しました」

この記事の画像(10枚)

佐賀・唐津市肥前町の田野小学校。
学校再編による統合で148年の歴史に幕を下ろすことになった。
校舎も取り壊される。

佐賀・唐津市肥前町・田野小学校の閉校式(2023年3月23日)
佐賀・唐津市肥前町・田野小学校の閉校式(2023年3月23日)

3月23日に行われた閉校式。在校生のみならず、これまでの卒業生も出席し、学び舎との別れを惜しんだ。

この小学校で出会い結婚した元教諭の夫婦の姿も
この小学校で出会い結婚した元教諭の夫婦の姿も

この小学校に思い出があるのは児童だけではない。
閉校式には約60年前にこの学校に赴任したのがきっかけで夫婦になったという元教諭の姿もあった。

元教諭の夫婦:
一緒に(田野小学校に)赴任しておりました。家内と一緒に。ここで結婚いたしました。校歌がなくなるっていうのが寂しいですね

これまで7000人以上の子供たちを送り出してきた田野小学校。この学校に通う児童を地元では“田野っ子”と呼ぶ。閉校式に出席した卒業生たちは、「小学校が姿を消してしまっても“田野っ子”らしさを忘れないでほしい」と在校生への思いを語った。

3校が統合…新しい小学校に

3校が統合し「肥前小学校」に
3校が統合し「肥前小学校」に

唐津市肥前町では田野小学校・入野小学校・納所小学校の3校が統合される。
このうち入野小学校の校舎は新たに「肥前小学校」として生まれ変わり、児童は150人ほどまで増える。
新しい小学校に通うことになる在校生の中には、人数が増える学校生活を楽しみにしている児童もいた。

田野小学校 5年生:
運動会はみんなで協力して出来ると思うから楽しみです

校舎がなくなる納所小学校(佐賀・唐津市肥前町)
校舎がなくなる納所小学校(佐賀・唐津市肥前町)

田野小学校と同じく、校舎がなくなる納所小学校。
閉校式を迎えた在校生は、さびしさを感じながらも前を向いていた。

納所小学校 男子児童(5年生):
先生が別の学校にいくことがさびしいです
納所小学校 女子児童(5年生):
肥前小学校で6年生としてがんばっていきたいです

中学校でも相次ぐ“閉校”

3校が統合し「白石中学校」に
3校が統合し「白石中学校」に

一方、中学校でも閉校が相次いだ。
佐賀・白石町ではこの春、白石中学校、有明中学校、福富中学校の3校が統合され、新たに「白石中学校」としてスタートする。

校舎がなくなる福富中学校(佐賀・白石町)
校舎がなくなる福富中学校(佐賀・白石町)

統合される3校のうち校舎ごとなくなるのは福富中学校だけ。旧福富村の時代から数えると77年の歴史に終止符を打つことになった。

閉校式には、立ち見が出るほど多くの卒業生が出席し、在校生とともに別れを惜しんだ。

福富中学校の卒業生:
自分の母校に来られなくなると、ちょっと悲しい

「目に焼き付けておきたい」

閉校式の3週間ほど前、生徒たちは自分の夢や目標を書いた「夢短冊」をつくった。閉校式の当日は、なくなってしまう校舎が色とりどりの「夢短冊」で彩られ、集まった卒業生は名残惜しそうに思い出の校舎を巡っていた。

卒業生:
野球をしていたんですけど、(校舎から)練習風景とかを見ていたので、そういったことが思い出深い

通っていた頃と変わっていない校舎を見て、「目に焼き付けておきたい」と語る卒業生の姿もあった。

思い出を胸に“最後の校歌斉唱”

最後の校歌斉唱
最後の校歌斉唱

閉校式では、4月から在校生が通う新しい「白石中学校」の校歌が披露された。

そして、脈々と受け継がれてきた校歌の“最後の斉唱”。
思い出を胸に、学び舎との別れを惜しむ卒業生や在校生の歌声が響き渡った。

(サガテレビ)

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。