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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説民法の「契約自由の原則」に基づき、店側も客を選べるのが基本です。しかし、わが国も批准している「人種差別撤廃条約」の影響もあって、外国籍であること「だけ」を理由に入店を拒否した宝石店や公衆浴場などに対し、慰謝料の支払いを命じる裁判例があらわれています。 その国籍であっても何ら迷惑行為に及ばない人もいるわけで、不合理な差別に当たるという理屈です。これがいまの司法の流れなので、店側が特定の国籍名を挙げて入店拒否に及んだ場合、精神的損害を受けたなどとして訴訟を提起され、不法行為に当たると認定される可能性が高いでしょう。 国や文化の違いなどから迷惑行為や不当なサービスの要求に及ぶ客が特定の外国籍の人に偏っているという場合でも、国籍を理由に挙げるのではなく、迷惑行為などを踏まえた個別の禁止事項を事前に提示し、これを守れない場合は入店を拒否し、退店を求めるといったやり方にとどめておく必要があります。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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