「鍋を下ろせ!」米保安官代理が助けを求めた黒人女性射殺、当局がボディカメラ映像を公開
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米イリノイ州警察は22日、今月初めに保安官代理が黒人女性を自宅で射殺した際のボディカメラの映像を公開した。事件は、黒人に対する警察の過剰な権力の行使に対する市民の新たな怒りを招いている。 白人の保安官代理ショーン・グレイソン被告は、7月6日の銃撃事件で第1級殺人罪などの罪に問われている。起訴状によると、グレイソン被告ともう1人の保安官代理は午前1時頃、「不審者」がいるかもしれないとの通報を受けて、通報者のソニア・マッシーさん(36)の自宅を訪問した。 ボディカメラ映像には、保安官代理らがマッシーさんに付近を調べたが不審なものは何も見つからなかったと告げる様子が映っている。 会話の中でマッシーさんは混乱した様子があり、グレイソン被告がマッシーさんの精神状態を尋ねた。 グレイソン被告「精神面は大丈夫か?」 マッシーさん「ええ、薬を飲んだので」 被告「そうか」 その後保安官代理らは家の中に入り、キッチンのコンロから沸騰している鍋を下すようマッシーさんに求めた。 「火事はごめんだからね」 もう1人の保安官代理は、「湯気の立つお湯」の近くには行きたくないといってキッチンを出た。この時点では彼らのやり取りは友好的なものだった。だが、この後事態は急変する。 「どこへ行くんだ 熱湯から離れなさい」 マッシーさん「熱湯から離れるの?」 「そうだ」 マッシーさん「イエスの名においてあなたを非難する」 「はあ?」 マッシーさん「イエスの名においてあなたを非難する」 「やめた方がいい、神に誓って、お前の顔を撃ち抜くぞ」 マッシーさん「わかった、ごめんなさい」 「鍋を下ろせ!鍋を下ろせ!」 被告が銃を抜いて発砲するまでの間に、マッシーさんが保安官代理らに対して何らかの脅迫を行う様子は映っていなかった。 裁判書類によると、グレイソン被告ともう1人の保安官代理はマッシーさんに応急処置を施し、救急隊が到着するまでそばにいたという。マッシーさんは病院で死亡が確認された。 遺族の代理人を務める弁護士は記者会見で、映像のすべてが「衝撃的」だと述べた。また、保安官代理が武力を行使する正当な理由はなかったと指摘した。 グレイソン被告はすべての罪状に対し無罪を主張。被告の弁護士にコメントを求めたが、直ちに応じなかった。 サンガモン郡保安官事務所は先週、調査の結果、規則に違反したとしてグレイソン被告を解雇したと発表した。
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