犠牲女子高生の友人「いつか解決の時が来る」
八王子スーパー射殺事件から25年
東京都八王子市のスーパーで1995年7月、女子高校生ら3人が射殺された事件から30日で25年。アルバイト中に犠牲となった高校生矢吹恵さん当時(17)の同級生鷹野めぐみさん(42)は「いつか、ふと解決の時が来るという期待を持ったままでいる」と話す。
矢吹さんとは中学校も同じで、共に私立桜美林高校(同町田市)に進学した。「仲良くなるとよくしゃべる子。駅で率先して小さい子を構うなど、とにかく子供が好きだった」と振り返る。保育を学べる進学先を真剣に検討する親友の姿に、「もう将来のことを考えて、しっかりしているな」と感心したという。
その親友は25年前、突然命を奪われた。「(アルバイト先の)友達と一緒に縛られて、どれだけつらかっただろう。今考えても怖くなる」と涙ぐんだ。
事件後、同級生らと「銃器根絶を考える会」を結成し、講演活動などに奔走。卒業後も同校の学園祭でパネル展示を毎年欠かさず続けてきた。「今の在校生にも、銃は恐ろしい凶器だということ、先輩が1人殺されているという事実を知ってもらいたい」と力説する。
「生きていれば保育園か幼稚園の先生になっていて、今も連絡を取り合って食事とかしていたんじゃないか」。未来を奪った犯人には「3人の命と引き換えに何を得たかったのか。少しは後悔したのかと聞きたい」と怒りをあらわにした。
事件当時は強盗殺人罪に15年の公訴時効があり、一時は捜査打ち切りの危機にも直面した。しかし、法改正により時効は成立3カ月前に撤廃。「首の皮一枚つながった。ほっとした」と振り返った。
「25年前には分からなかったことが分かるようになっている」と捜査技術の進歩に期待を寄せる。なぜ取材を受け続けるのかとの問いに、「知っていることがある人が、話してみようと心が動くきっかけになるかもしれないから。真相解明を待っている」と力を込めた。
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