宇都宮市は2023年11月24日、芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)の「平石」停留場の北側に新設する都市公園「東部総合公園」の整備・運営を行う公募設置予定者に、大和リースを代表とする「東部総合公園ネクストパートナーズ」を選定した。同市で初めてPark-PFI制度を活用した公園整備事業となる。

東部総合公園ネクストパートナーズによる提案概要(出所:宇都宮市)
東部総合公園ネクストパートナーズによる提案概要(出所:宇都宮市)
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 東部総合公園は、平石停留場の北側に隣接する敷地約3万3500m2に整備する(関連記事)。LRTの平石停留場は、「トランジットセンター(乗り継ぎ拠点)」を置く5つの停留場の1つとして位置付けられている。トランジットセンターには、駐車場や駐輪場を整備し、自家用車などからLRTへの乗り換えを円滑にする交通結節点の役割を持たせる。東部総合公園には、LRT利用者の利便機能や、交通結節点にふさわしい交流機能を導入し、2026年3月に供用を開始する。

 同公園の特徴は、スケートパーク、BMXパーク、3x3などのアーバンスポーツ競技が可能な屋根付き多目的広場の設置が挙げられる。特定公園施設として国際大会にも対応な施設を整備する。空間としては、中央に芝生広場を整備し、停留場側にエントランスや屋根付き通路を設け、残る3方に建物を配置する考え。管理事務所、駐車場を整備するほか、公募対象公園施設として、スポーツショップ、地元の農産物や園芸用品を販売するショップ、飲食店やカフェなどを導入する。

 今回選定された東部総合公園ネクストパートナーズは、代表企業が大和リース、構成企業はAIS総合設計*、高野ランドスケーププランニング、渡辺建設*、長谷川体育施設、ムラサキスポーツ、環境整備*である。協力法人はファーマーズ・フォレスト*、とちぎ園芸*、ビーチタウン、クロススポーツマーケティングとなる。これらの企業のうち「*」を付した5社が市内企業だ。

 今後は2024年2月までに公募設置等計画の認定を受け、市と事業者で基本協定を締結し、施設設計に着手する。同年12月以降、特定公園施設の建設・譲渡契約を締結した上で着工。開園は2026年3月の予定だ。事業期間は2046年まで。

 特定公園施設、公募対象公園施設、ともに事業者が費用を負担して設置し、竣工後に特定公園施設を市へ譲渡する。土地と特定公園施設は市の所有、公募対象公園施設は事業者の所有となる。

 特定公園施設の整備は、市が最大9割を負担する。事業区域全体の特定公園施設の整備費は25億1100万円になる見込みで、その場合、市の最大負担額は22億5990万円となる。

 特定公園施設の管理運営に対し、市は事業者に指定管理料を支払う。事業者は指定管理料、利用料金収入、イベントなどによる収入、公募対象公園施設や自主事業の収益などで管理・運営の経費をまかなう。利用料金収入額が想定を超えた場合には、超過額の2割をサービス向上に充当する。