小林製薬の会長と社長が引責辞任 報告書「危機管理のあり方、疑問」
小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)成分を使ったサプリメントが原因と疑われる健康被害が相次いでいる問題で、同社は23日、弁護士らによる調査委員会の報告書を公表した。また、この日の臨時取締役会で、小林一雅(かずまさ)会長(84)と小林章浩社長(53)が責任を取って辞任し、後任の社長に山根聡専務(64)が就く人事を決めた。 【写真】会見する小林製薬の小林章浩社長=2024年3月29日午後2時17分、大阪市北区、西岡臣撮影 同社は4月、外部の弁護士による「事実検証委員会」を設置。これまでの対応の是非についての調査を依頼していた。 3月下旬に問題を公表してサプリの回収を始めたことに対し、報告書は「遅くとも2月上旬以降」に消費者の安全を最優先に考える対応を取るべきだったと指摘。再発防止策の策定を求めた。 また、同社が重大な事故が起きた際には危機管理本部を設置することを決めていたのに、今回は設けていなかったとして「危機管理のあり方として疑問」と指摘した。行政への報告についても、「因果関係が明確な場合に限る」と解釈したことで遅くなったとした。
朝日新聞社